<2014.11.16 K.Kotani>サヴァイヴァル8 上映会


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2014年11月16日

サヴァイヴァル8 上映会





 11月15日、大阪市此花区のASYL(旧梅香堂)において、8ミリフィルム上映会「サヴァイバル8」が開催されました。上映作品は、2013年に福岡で開催された「GoodBy LAB」に出品された作品を元に、今回の上映会の呼びかけに応じた作家たちの2014年の新作含めて23作品。上映時間は休憩含めて2時間50分にまで及びました。また、小池照雄氏の「生態系」新作や、切り紙アニメ、シネカリなど、アニメーション手法を取り入れた作品も何本も上映されました。集まった観客は約30名以上で、「これ一本きり」のフィルム作品の威力を感じました。
 上映は単に映像のみならず、作品に出演した本人がスクリーン前でパフォーマンスをおこなったり、生演奏で音をつけたりと臨場感あふれるものでした。
 機材は手に入らない、フィルムは手に入らない、デジタルに比較してコピーは出来ない、編集は現物のみ、撮影は一回きりで、デジタルのように一旦取り入れた素材を再使用するなどとんでもなく、撮り直しはいちいち一からやり直し、という制約のあるメディアフィルム」で、なぜこのように豊かな表現が可能なのか。同じ事をデジタルでやったら、より豊かで自由な表現が可能なはずなのに、なぜ8mmを選ぶのか。
 先日、山本夏彦氏の「完訳・文語文」という本を読む機会がありました。文語文とは明治・大正の頃まで盛んに用いられた文章専用の日本語形式です。多くの制約・約束事がありますが、それによってかえって「自由」な口語文よりもより豊かな表現が出来ていた、という内容でした。
 8mmフィルムでも同じような事が言えるのではないか、制約があるからこそ、その制約の中でも、作者のどうしても表現したい、という「思い」が強調されて観客に伝わる面があるのではないか、と思ったりもしました。

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