2017.06.27 K.Kotani>
古川タクさんのお話と作品上映会
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2017年6月27日
古川タクさんのお話と作品上映会
6月25日、京都市のおもちゃ映画ミュージアムにおいて、「古川タクさんのお話と作品上映会」が開催されました。今回、6月9日より28日まで、同じ京都市内の「カフェ・ギャラリー フク和ウチ」で「古川タク展 一茶のセンス」が開催されています。比較的近く、という事もあり、古川タクさんが「一回来てみたいと思っていた」おもちゃ映画ミュージアムを訪ねられたおりに、「是非上映会を」という話が持ち上がって決まった、との事でした。
アニメーション学会の大会と重なった事もあり、学会員の方で来られなかった方もおられますが、会場には1970年代のアニメーションワークショップに関わった秋山好正さん・多喜世子さん、同アニOBの金田さんの姿も見えました。
作品を一本上映してはタクさんのトークが入るというスタイルで、最初の方には「70年代に入ると、草月アニメで盛り上がっていた60年代の勢いが無くなって、僕と相原君くらいしかアニメやってる人がいなくなって、草月でも実験映像の方に向かったので僕らも上映してもらうのに「実験アニメ」を作らないといけなくなって・・・それからワークショップで若い人が出て来て・・・」という話がでました。
途中の作品では、「上映中」に、「こいつは撮影が失敗してて、上映の度に撮り直ししないといけないと思うんだけど・・・」と言ってるそばから、絵の端が切れたり、ナングレアガラスのふちが写り込んだりしたカットが続出、会場が大いに盛り上がりました。(昔のPAFか!)
また、「コーヒーブレーク」では、「細かい動画を切り抜いてセルに貼付けるという作業がいっぱいあって、沢山の人に手伝ってもらって・・・」という中で意外な大物の名前が上がったり、「撮影スタジオがすぐ近くにあるので、セルが出来るそばから持って走って撮ってもらって、また待ってもらって・・・」というアナログ時代ならではのエピソードもありました。
今回は主にDVDでの上映となりましたが、「当時はDVDの出始めの時期で、「作品集が出来た」とみんなにあげたら、「これはどうやって再生するんだ」とみんなDVDプレーヤー持ってなくて・・・」というエピソードも披露。
最後は、日本アニメーション100年にちなんだ、「なまくら刀忍者編」とでもいうべき35mmフイルム直書きのアニメーションを、手回しのおもちゃ映写機で披露して上映は終わりました。
上映の後はお楽しみ懇親会です。「乾杯」に続いて盛り上がる中、タクさんはレコードプレーヤーで音を出しながら廻るアニメおもちゃを「おっ」と早速スマホで撮影。
さらに盛り上がる中、秋山さんはこの期におよんで「驚き盤」の白紙を取り出し「描け」という事になりました。さすがにタクさんまでは描かなかったようですが、何枚かの驚き盤が出来上がりました。めでたし、めでたし。