<2017.07.03 K.Kotani>「なまくら刀」公開100周年記念祭


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2017年7月03日

「なまくら刀」公開100周年記念祭





 7月1日、京都市の京都国際マンガミュージアム  1階 多目的映像ホールにおいて、「「国産アニメーション誕生100周年記念展示 にっぽんアニメーションことはじめ 〜「動く漫画」のパイオニアたち〜展」 関連イベント 「なまくら刀」公開100周年記念祭」が開催されました。

 この「なまくら刀」は、日本最古のアニメーション作品のひとつでありながら、ながらく現物が発見されず、長らく「幻のフィルム」とされていましたが、研究家の松本夏樹氏により、2000年代に入って発掘されました。(松本氏によると、お宝を見つけた時に「オッ」という顔をすると足下を見られるので、「別にどうでもいいけど、ついでに買っておこう」という顔をするのが古物商などでお宝を安く買うコツだそうです。) 主催者によると、「この作品の初上映から丁度100年になるのですが、その日丁度では平日になり、皆さん参加しづらいと思いますので、直近の土曜日にしました」との事でした。



 最初に松本夏樹氏により、「手回し映写機」を使った「なまくら刀」の本物のフィルムの上映が行われます。その前にホール中央に設置されていた手回し映写機については、「映写機は撮っていただいてかまいません」というアナウンスがあり、皆さんカメラでバシバシと撮っておられました。(ちなみに、この映写機については、丁度一年前に松本夏樹氏が日本アニメーション学会の西日本支部研究会にお持ちになった事があります。台になっているケースの中に分解されて収納され、上映時には組み立てる仕組みだったと記憶しています。)
 新美ぬゑさんによるMCでイベントは始まり、松本夏樹さんの「画面が小さくて暗いので、皆さん前に来て下さい。」という声でほぼ全員スクリーン前に「ぎしっ」と集合。大森くみこさんによる活弁、鳥飼りょうさんによる演奏付きの上映は無事終了しました。
 ひきつづき、デジタル化された初期アニメ作品の活弁・演奏付きの上映が行われ、会場は大いに盛り上がりました。

 上映後は、「下川凹天トリュビート・アニメーション」の幕間上映をはさみ、トークイベント「渡辺泰・国産アニメーション100年を語る。」アニメーション研究家渡辺泰氏と、若手研究家ゑ氏・森下豊美氏の三人による一時間のトークショーとの事でしたが、渡辺氏のトークが盛り上がって時間内におさまらず、「残念ですが、この辺りで・・・」という形でお開きとなりました。
 この後懇親会があり、全国から集まった研究家・ファンの方々での楽しい時間になったとの事ですが、参加できず残念でした。
 また、本展示の「国産アニメーション誕生100周年記念展示 にっぽんアニメーションことはじめ 〜「動く漫画」のパイオニアたち〜展」も、後期展示となって一層充実した内容となっていました。参加者からは「図録が欲しいなあ」という声が上がっていました。(本展示は7月2日終了しました。)    

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