<2018.4.1 K.Kotani>日本アニメーション学会 西日本支部 第42回研究会


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2018年4月1日

日本アニメーション学会 西日本支部 第42回研究会





 3月31日、午後3時より、大阪デザイナー専門学校において、日本アニメーション学会西日本支部の第42回研究会が開催されました。今回は、聖地巡礼に関する著書もある原田央男さんの「聖地巡礼」現象に関する歴史の紹介と、考察でした。
 ハード機器の発達とそれに伴う作品の内容の変化について。テレビがブラウン管から液晶画面に変わり、さらに大画面化して精密な背景を求められるようになったため、作る側が頭の中でイメージするだけでは追いつかず、実際の風景を写真に撮り、それを基に背景を作画するようになった事と、物語がリアル指向になり、宇宙や異世界でなく、現実の日本を舞台にする作品が増加。その背景が「見た事がある」と感じたファンが現地に行き、「ここだ」と場所を特定、さらに他のファンと情報を共有。
 映画の「寅さん」でも、映画の舞台となった葛飾柴又帝釈天などにファンが訪れる事があったが、インターネット時代に、作品内に巧まずして仕組まれた、実写を元にした背景とそれに対するファンの反応が「聖地巡礼」現象の元となった。
 さらに、「聖地巡礼」現象に対する一般社会の反応、観光資源化や町おこしへのコラボ化、専用「おみやげ」の商品開発など、経済効果もあったとの事。
 年百本もの新作アニメが発表されている今日、日本中が聖地だらけになるのではないかという質問には、「すでに、そうなっています」が、「結局、アニメーションが当たらない(面白くない)と、いくら物語の舞台となっても、「聖地」にはならないんです。」との事でした。

 日本アニメーション学会西日本支部の第43回研究会「これは映画じゃないらしい」は2018年4月28日に、第44回研究会は2018年6月9日に、それぞれ予定されています。

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