<2018.7.21 K.Kotani>日本アニメーション学会 西日本支部 第44回研究会「アニメのカット割りについて」


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2018年7月21日

日本アニメーション学会 西日本支部 第44回研究会 「アニメのカット割りについて」





 7月21日、午後3時より、大阪デザイナー専門学校において、日本アニメーション学会西日本支部の第44回研究会が開催されました。今回は、同校で教員を務める森宏樹氏による「アニメのカット割りについて」でした。
 まず最初に、昨年の研究会で製作した「シネカリ」の上映が行われました。一人24コマだと、ほんとに一瞬ですね。
 さて、今回は大阪デザ学の生徒さんの参加も多く、その生徒さんに配慮して、基本の映画の成り立ちから、カット割りによる表現の始まり、マッチ・カットとカット・アウェイの組み合わせの話などが実際の映像を見せながら説明されました。
 また、最後には有名アニメーション映画のカット割りを参考に、演出の「方向性」と、映像と物語の場面の関係の話がかなり深くつっこんで議論されました。
 最後には、映像と音声の組み合わせの問題となり、「フィルムの映写機では、映像の再生部分と音声の再生部分が約1秒ずれてついている」という話から始まり、「映像のシーン切り替えに数コマ先行して次のシーンの音を出すとスムースにつながる」という話から、逆に「ディズニースタジオでは、逆に音に先行して映像を出すように指示されていた。」という話が出、これは人間の映像認識と音声認識の処理能力の差による「ずれ」を埋めるのではないか、という話と、大きな劇場では、スクリーンに写る映像(光速)と、スピーカーから出る音声(音速)の伝達速度の違いにより、観客に届く物理的時間にギャップが生まれるからじゃないか、という話も出て来ました。(この話結論は出ないのですが、面白い研究テーマが出て来た、と盛り上がりました。)

 日本アニメーション学会西日本支部の第45回研究会は2018年10月20日に、スティービー・スアン会員の「アニメのアイデンティティ・グローバル化時代におけるそのメディア形式の「パフォーマンス」を中心に」が予定されています。

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