2019.2.16 K.Kotani>
NEW BOOKS 「グローバル・メディア産業の未来図ー米マスコミの現場から」小林雅一著
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月刊近メ像インターネット
2019年2月16日
NEW BOOKS 「グローバル・メディア産業の未来図ー米マスコミの現場から」小林雅一著
「グローバル・メディア産業の未来図ー米マスコミの現場から」小林雅一著 光文社新書 税別700円だったが、紙版はすでに絶版。デジタル版のみ。
NEW BOOKSのコーナーで紹介しているが、初版2001年12月。すでに紙版はすでに絶版になっている。なにしろ、「これからテレビのデジタル放送化が進むが、どうなるか」という内容で、当たっている部分もあるが、当たっていない部分もある。全体として、当時から未来を見るとどう見えたか、という所が面白い。また、時代を超えて替わらない状況も多いようだ。
一章を設けて、大ヒットした「シュレック」と、記録的な大ゴケをした「ファイナルファンタジー」を取り上げ、両作品を比較し、CGアニメの表現論に踏み込んだ記述がある。この部分は古くない。というか、作品の方も、18年前のCGアニメ映画なのに、両方とも今観ても、キャラクターの演技は、別に違和感なく観れる作品である。18年経ってもCG技術が全然進歩していないわけではあるまい。
また、「リアルに人間に似せようとすると、奇怪な化け物のようになる。」というCGアニメーターの声が紹介されている。18年前の話である。
最近テレビやネットでバンバン宣伝している美少女スーパーヒロインものの洋画がある。これもスーパーリアルなCGのキャラクターを実写にはめ込んで作った作品で、非常に良く出来ているが、残念ながら、「CG」というのはすぐに判る。(ちょっと目が大きすぎて不自然なのもおかしい。)
いっそ、割り切ってアニメのキャラとして作ったディズニーのCGキャラの方が、よほど「人間らしく」感じられる事もある。表現というものは難しい。よりリアルにより本物らしく作れば良い作品になる、という訳ではないようだ。