<2019.08.1 K.Kotani>京アニ放火事件


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2019年8月1日

京アニ放火事件



 報道等によると、7月18日、京都府宇治市の京都アニメーション第一スタジオが放火され、3階建ての同建物は全焼、病院搬送後死亡された方含め、8月1日現在で35名が死亡、30名以上の方が負傷して病院に搬送され、8月1日現在まだ入院中の方も多数おられるようです。
放火したと見られるのは、事件直後に身柄を確保された、さいたま市在住の青葉真司容疑者で、身柄を確保された当初は「おれの小説をパクッた」などと発言していたそうですが、全身重い火傷を負い、現場近くの病院から大阪の専門治療を行う病院に移されましたが、現在は意識が無く、取り調べも出来ない状況との事。
 7月18日お昼のニュースでは、中継映像でまだ建物の三階部分が燃えており、多数の心肺停止状態の人が居る様子との事でした。一階に放火して三階まで燃え上がるまでには多少の時間がかかった筈、さては作品素材を確保しようとしている間に逃げ遅れられたか、と思いましたが、その後の報道では、一階に多量(約10リットル)のガソリンをぶちまけ、着火剤を使って火を付けた所一瞬に爆焼して煙が三階まで吹き上がり、被害者は一酸化炭素を吸い込んで意識を失いそのまま焼死してしまったらしいという事でした。
 容疑者が「おれの小説をパクった」と言った事に対し、京都アニメーションでは当初「容疑者からの小説等の応募はなかった」と説明していましたが、その後「容疑者と同姓同名同住所の人物より、過去に、公募に対する応募があった」と発表。「ただし、応募条件を満たしていなかった為、一次予選で落ちた。」「小説の内容と京アニ作品との関連はないと確信している」と発表がありました。(予選落ち応募作品のコピーは残していないので確認できない、という事だろうか?)
 また。警察の捜索では、自宅より原稿用紙が発見され、また、SNSへの書き込みに「選考で落としておいて内容を盗んだ」「頭脳盗聴」という意味のものなどがあったとの事。
 容疑者の書いて応募・落選した小説の内容・または内容の一部が、たまたま京アニがその後制作した作品・またはその一部と偶然類似していた事はありえる話ではあるが、(そもそも京アニ主催のコンテストだから、いわゆる京アニ向きの小説を書いて応募するだろう)それでもって誤解されて放火されたのではたまらない。
 なお、事件直後より、全国の京アニファンからは一斉に悲痛な声が上がり、現場近くの献花所には連日の行列ができ、花の他、自作のイラストにメッセージを添えたものなどが寄せられているという。
 また、内外のアニメ関係者中心に一斉に支援の声が上がり、海外のサイトでは数日で数億円、京アニで設けた募金口座にも多数の募金が寄せられている。政府でも、菅官房長官が、募金に対する税制上のしかるべき優遇を検討するなどと発表するなど、一アニメ会社の被災事件としては、異例の反響の広がりを見せている。ただし、損害・再建費用などは100億円程度、という報道もあり、再建は予断を許さない状況の様である。
 テレビ・新聞の取り扱いも大きく、NHKのニュース7では2週間たった今となっても続報を報じ続けているし、新聞でも事件当日の夕刊より連日大きなスペースを取って関連情報などを報じている。
 「アニメスタジオの火事」というと、過去のイギリスのアードマンスタジオの火事が上げられるが、「倉庫が燃えて制作素材・資料が燃えた」というアードマンの件と、「作品制作中のスタジオが放火されて、スタッフ多数の生命が失われた」という今回の件では被害の規模が桁違いで、まさに世界アニメーション史上最大の惨事というべきでしょう。
 京都アニメーションは低賃金・長時間労働で知られるアニメ業界の中でも、スタッフを正社員として雇用する数少ないスタジオの一つとして知られ、(その代わり中々入社できないスタジオで、報道でも、「何年もかかって入社した」というスタッフの話が報じられていた)また、一般の方向けの講習会を開催するなど、(ピピアめふアニメ教室の過去の受講生で、京アニの講習を受けた、という方の話を聞きました。)、きちんとした作品を作って利益を上げ、社員に還元し、社会に貢献していく、というスタンスの会社だったようです。
 報道の中で、「苦しい時に京アニの作品に救われた」という若いファンの声が多く聞かれました。海外でも京アニのファンは多いようで、ニュースでも報じられていました。
 「アニメーション」というものが、いかに今日の日本の社会に浸透しているか、という事が改めて認識される事件でした。    

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