<2019.09.21 K.Kotani>昭和の中学生アニメ発見!


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2019年9月21日

昭和の中学生アニメ発見!





 旺文社発行の中学生向け学習雑誌「中一時代」昭和44年1月号に、当時の中学生が8mmフィルムで自主制作アニメを製作している、という記事が掲載されていました。
 記事は全部で4ページ。タイトルは「まじめに描きます、撮ってます -動画製作にはげむ中野三中マンガ研究部-」とある。この中野三中とは、東京都中野区立第三中学校で、現在は統合されて「東京都中野区立中野東中学校」になっているとの事。卒業生に松坂慶子、富永みーな等の名前が見える。
 さて、このアニメだが、タイトルは「地球100世紀」、製作風景の写真を見るとタップは使っておらず、画用紙にマジックで作画している様子である。ちゃんと原画→動画のブロセスを踏んで作画されているようで、「セル」も使用しているとの説明がある。(いわゆるセルアニメではなく、画用紙に書いた絵にセルに描いた線画を重ねて撮影したようだ)「1秒に16枚の動画がいる」という説明があるから、撮影に使われたのはダブル8のカメラかもしれないが、当時は既にスーパー8・シングル8のカメラが発売されており、どちらかは断定できない。(記事にはカメラの一部が写った写真があるが、機種までは判らない)



 撮影風景の写真では、壁に動画を立て、横から撮影する方式で撮る予定だった事が判る。イラストで、ビュアーとスプライサーで編集する様子も描かれている(スプライサーの横に接着剤の瓶のようなものが置いてあるから、レギュラーかスーパーの様だが、断定はできない)
 さて、この作品、記事の掲載段階では「製作中」で、「今年の正月」完成予定とある。この記事が掲載されたのは昭和44年の1月号だが、発行されたのは昭和43年の12月頃の筈。さらに取材はその前だろうから、正しくは「来年の正月」完成予定だと思われるが、1月号の記事に「来年の正月」と書くと「昭和45年の1月」かと思われるかも知らないと思って「今年の正月」にしたようである。
 ネットで検索しても、このアニメに関する情報は無く、中一時代のその後の号を見ても「完成した」という記事は発見出来なかった。完成したかどうかは確認できないが、おそらく一応は出来上がったのではないかと思う。この作品に関わった方も、現在では60代。ひょっとして、誰かの家に作品が残っているかも知れない。  


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