<2020.1.11 K.Kotani>広島フェス 今回で最後?


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2020年1月11日

広島フェス 今回で最後?





 中国新聞デジタルによると、広島市では、1985年以来ほぼ隔年で開催されて来た広島国際アニメーションフェスティバルを、現在の形での開催を今年で最後とし、映画・メディアアート・音楽なども含めた総合芸術祭への形態変更を検討しているとの事である。
 理由は、「より幅広い層への浸透とインバウンド促進・産業創出」につながるものにしたい。」との事だそうである。
 確かに、広島フェスにわざわざ来るような人は、並みの一般社会人ではない。アート系のアニメーションにこだわりと強い興味を持つような人しか来ない事は間違いない。もっと多くの一般の人、海外の人が来るようなフェスティバルにしたい、という気持ちは判らんでも無い。
 しかし、記事によると、毎回の来場者は述べ3万人程度、一日当たり6000人である。そんなに会場におったかいな、という気もするが、朝昼晩で毎日4プロ観るとしたら、1500人/日だから、そんなもんかいな、という気がする。
 その人たちは、今の広島フェスだから、全国から集まるのである。それは、今のフェス+映画祭・メディアアート祭・音楽祭という形であれば、従来通りの動員は期待出来るだろうが、アニメーションの部分を削って、その部分を映画・メディアアートに回す、という事であれば、「それならば広島はいい」と来場を見送るファンが相当出るのではないか。国際フェスは広島の独壇場だった昔と違って、今では新千歳・東京アニメフェアという強力なライバルもいるのである。新千歳や東京に行った方の話を伺うと、相当内容的にも充実したフェスティバルのようである。(私は行けていないので、伝聞で申し訳ない) 広島の有利な点は、1985年以来の伝統と、練達のスタッフの運営努力、「いつも広島に来る仲間に会える」という期待である。そういうものをあっさりと捨ててしまって主催者の期待するような変化が期待できるのか。
 次々回のフェスが、どんな形になるのか判らないから、「それだったらもう行かない」とかは言わないが、会場の一部で、「一応アニメーション部門も残してあります。」というようなものであれば、見送って、噂でしか聞いた事の無い新千歳に回る事も考えないといけない。
 ただし、初期のフェスのような、コンパクトで余裕の有る日程のフェスになる、という事であれば、それは歓迎したいかも知れない。昔は、「プログラムの合間にホテルに帰って昼寝をした」という記憶もあるのだから。

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