<2021.07.16 K.Kotani>NEW BOOKS「アニメの「てにをは」事始め」(熱風連載中・第3回)


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2021年7月16日

NEW BOOKS「アニメの「てにをは」事始め」(熱風連載中・第3回)





 スタジオジブリの広報誌、「熱風」に連載中の、石曽根正勝氏による「アニメの「てにをは」事始め」、6月号は第三回、今回は「アートアニメ」登場です。
 登場ですが、どうももうひとつでした。ご本人も「得意でない」と断った上での展開でしたが、ジャンルの名称が「マイクロなアニメ」というのはどうでしょう。バックやノルシュテインの作品群は「マイクロな」と言うのにはあまりに巨大に過ぎると思うのですが。
 「アニメーション」は現在では現代アートの一分野としての地位を確立し、従来のアニメーションプロパーの作家の内の何人かがアート的な作品を作っていた時代とは違い、多くの新しい作家が他分野から参入し、いままでの基準では計りがたいような多種多様な傾向の膨大な作品が創られて発表されています。
 しかし、この文章では、あくまでも、「アニメーション」というジャンルの一部分に、いわゆる商業娯楽アニメとは違ったアニメがある、という視点から、たまたま筆者の観た何本かのアニメに関する「印象」を感想として述べているように思えます。
 アニメーションを、時代設定や世界設計、主題とモチーフというような文学を読み解くような方法で論ずる従来の評論とは違い、アニメーションをアニメーションたらしめている「動き」からアニメーションを論じようと言う筆者の今連載の試みは斬新でしたが、今回はあまりに踏み込みが浅く、「空振り」に終ったような感じです。今後に期待したいです。

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