2022.08.27 K.Kotani>
ひろしまアニメーションシーズン2022
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月刊近メ像インターネット
2022年8月27日
ひろしまアニメーションシーズン2022
2022年に終了したASIFA公認の広島国際アニメーションフェスティバルに代わって今回から始まった「ひろしまアニメーションシーズン」2022のメインイベントが8月17日から21日まで、広島市内の各会場で開催されました。
参加された方の感想が続々とネット上で上げられており、全体的に盛況だった事が判ります。
さて、今回は仕事の都合もあり、参加は20日の土曜日1日だけでした。まず、アニメ学会のシンポジウムに行きました。メイン会場正面には「7F シンポジウム会場」という表示はあるのですが、今日何時からどういうイベントがあるのか、そういう表示は一切無く、当日発表をされるらしい女子高生の方がぱらぱらと来られる来場者にA4の案内文を配っていました。7Fの研修室は、以前の広島フェスでは「フレーム・イン」が開催されていた場所なのですが、ドアは開いていて、中で何かはやっているのですが、表には何も表示がなく、普通の人は入っていいのやらどうやら迷うと思う状態でした。「アニメ学会シンポジウム・入場無料」位は貼っといてもいいのでは。中に入るとすでに発表は始まっていて、今回のアニメーションシーズン関係イベントとして開催されたイベントの報告やら発表やらが行われていました。内容はちゃんとしているのですが(多少のトラブルはあったものの)告知不十分が残念。
その後、1Fの市民ギャラリーに移動して作家トークを拝聴する事にしました。時間が多少あったので展示を拝見。「平家物語」の背景複製の展示コーナーがあったのですが、スペースは4面十分あるのに小さな複製画が1面に一列に貼られているだけで、その横に貼られている説明文が小さくて読めない。(近づいて虫眼鏡でみる位)普通、ちょっと離れて立って普通に読めるような大きさの字にするものだと思いますが、送られてきた説明文をそのままコビーして貼ったような感じでした。
部屋の反対側は、今回のアニメーションシーズンのプレイベントの紹介等。これも字が小さいというか、あるものを並べて貼った、という感じ。今回は、メインイベントの他、作家の地元滞在製作などのイベントも含めての、地元密着イベントとしてに重きを置いての開催、という事が売りでもあるのですから、その総決算としての展示はもっときちんとしてあげても良いんじゃないかと思いました。
以前の広島フェスの展示と比べると、展示については、時間とお金の掛け方が大分ちがうな、と思いました。
その後拝聴した作家トークは内容が充実。作家の方も乗っており、予定に無い作品上映まで追加であり、終了後は会場は熱く盛り上がっていました。
しかし、こちらも「告知」はどうも不十分かと思いました。会場周辺に、「本日、審査委員何々さんトーク!」などという張り出しなどがあってもいいのではないかと思うのですが。
思えば今回の大会は、上映2ヶ月前頃になっても、「コンペ上映」と「期間」以外のイベント告知が主催者ホームページ上ではほとんどなく、何があるのか判らない状態でした。以前の広島大会では、大会半年位前のブレッティンでおおよそのスケジュールと内容が告知されていたのとは大変な違いです。
市民ギャラリーでの作家トークなどが確定してホームページに告知されたのは7月29日。この点については、以前の広島ではフレーム・インのスペースを使って、作家トークの「当日」決定、当日告知という事もあったので、事前に全部紹介チラシに載っている今回の方が優れている点もあるのですが、出せるものは早めに出していただいた方が参加する方としては助かると思います。
上映自体は充実していて、ほぼきちんと上映されて、内容も良かった、という声が多かったです。(ただし、スタッフが少ない、という声もありました。)また、全国から集まった作家関係者ファンの皆さんは久々の実会場での大会、という事で、会場や広島市内の飲み屋などで大いに盛り上がっていたようです。
全体に、少ない予算で、地元密着を重視したフェスにする、という意図は成功しているとは思えますが、準備・運営に十分な時間と手間をかけられず、重点的にメイン部分だけはきちんと手をいれ、他は出来るだけの事をやった、という感じです。
30年以上もかけて改良・熟成を積み重ねて来た以前の広島フェスと違い、今回は初めての試み、という部分も多くあり、今後の展開が期待されます。比較するのであれば、前回の実会場の広島フェスではなく、1985年の第1回広島フェスと比べるべきかも知れません。広島フェスでも、フレーム・インもネクサスポイントも最初はなかったのですから。