<2022.12.25 K.Kotani>小出正志退職記念展 教育×研究×境界


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2022年12月25日

小出正志退職記念展 教育×研究×境界





 11月28日から12月17日まで、東京造形大学において、同大学で長年教鞭を取られ、また、日本アニメーション学会においても会長職など要職を歴任された小出正志さんの定年退職を記念した「小出正志退職記念展 教育×研究×境界」が開催されていました。展示会場には、関係書籍やらソフトやら機材やらバネルなどが「ぎしっ」と展示されていて、残念ながらほぼ撮影禁止なので、入り口の風景のみ撮影。



 会期中には特別上映・講演・シンポジウムなどが開催されていました。最終日17日には、シンポジウム「資料としてのアニメーション アニメーションアーイブの現在」が開催されました。過去の制作関係資料(絵コンテとかキャラ表とか)や、中間素材(原画動画セル背景等)の保管・管理・整理・研究状況について中々興味深い発表がありました。新潟大では資料がデジタル化され、データベース化が進められていて、70年代の青焼きの絵コンテなど一部が「こういう形で見れます」と紹介されていた。こういう中間素材などは権利の問題も難しい上に、作品の制作に用いられた素材なのか、または同じ原画から作られた「版権もの」と呼ばれるものなのか、区別が難しいそうです。また、参加者から、「当時の関係者も高齢化が進み、どんどん資料が失われて行く事が心配だ」という趣旨の発言も出ていました。(しかし制作のデジタル化の進む現在、紙で動画を描いてスキャンしている作品はまだものが残りますが、作画もデジタル、彩色もデジタル、撮影もデジタルになり、企画会議もオンラインで行われるようになったら、なにも紙データのベースは残らなくなりますね。)当日は最終日とあって、最後には小出さんへの花束贈呈があり、めでたく終了されました。

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