<2024.09.05 K.Kotani>にせ映画祭にご用心


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2024年09月05日

にせ映画祭にご用心



 
(写真はニュースサイトより)

 複数のネットニュースにおいて、「架空の映画祭」についての報道がなされています。実在する映画館やイベントの写真を無断使用し、「大阪国際」「広島」「名古屋」「河原町京都」などの名前を盛り込んだ国際短編映画祭のサイトが複数作られていましたが、使われた映画館(大阪・シネ・ヌーヴォなど)によると「全く知りません」との事だそう。
 「おそらくエントリー料を詐取するためのサイトらしい」とありましたが、各サイトとも早々に既に削除され、実際に被害にあった方はいない様子です。
 昔(1980年代)は、短編映画祭にエントリーとなれば、16mm映画では新しくプリントを焼いたり、ビデオでは、指定のフォーム(ベータカムとか)に専門業者にダビングしてもらったり、と中々の手間と費用がかかりましたが、「DVD-Rに焼いて出せば良い」の時代を経て、最近ではネットで映像データを送るだけで、後は指定の言語でエントリーフォームに書き込めばエントリーおしまい、という時代になりました。
 作品制作もフィルムからビデオ、パソコンに代わり、誰でも安いコストで映像作品を作れるようになった結果、地域の小さな映画祭でも全国からどっと作品応募が来るようになり、「どこの映画祭に行っても同じ入賞作品が並ぶ」「入賞してるのに作家が来ない」という状況も2000年代から見かけるようになりました。
 始まった頃は700本くらいだった広島フェスでは最後は3000本位になり、地域の映画祭でも2000本近い応募があるようです。(おかげで、思わぬ場所で、見逃していた作品と出会う、という事もありますが。)
 応募が簡単になったおかげで、「出せる映画祭は全部出せ!」とロボットのように出品する方も出て来て不思議ではなく、作品公募のまとめサイト(複数ある!)をチェックすれば、現在応募可能な映画祭が国内だけで複数出て来ます。
 これに目をつけて、「エントリーフィー1件1000円×2000本×4映画祭=800万円、一発稼いだれ!」とニセ映画祭をでっち上げる輩が現れても不思議ではありません。
 幸い今回は被害は出なかったようですが、ご用心が必要のようです。

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