<2015.9.05 K.Kotani>「こんなものが欲しい」2.卓上ミニセパレートステレオ
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「こんなものが欲しい」2.卓上ミニセパレートステレオ




 昔、各家庭の居間にドーンと鎮座していた、セバレート型家具調ステレオ。真ん中が本体で、上からLPレコードプレーヤー、チューナー&アンプ、一番下は空間で、大抵オープンリールのテープデッキが入っていた。
 LPレコードが直径30cm以上あったので、本体の幅は40cm以上あったと思う。左右のスピーカーも同じ位の幅があったので、左右最低120cm、奥行き40cm以上の「家具」で、音もサイズなりに「ドーン」と出たはずだが、日本の住宅事情では、全力発揮できた家庭はあんまりなかったと思う。
 その後、プレーヤー・アンプ・チューナー・デッキを別々にそろえる「コンポ」の時代になると、デザインは金属的な銀と黒がメインとなって、家具調のものはあまり見なくなった。我が家のステレオを買い替えるとき、下取りのステレオを引き取りに来た兄ちゃんが「おーっ、時代もんやっ」と驚いていたのを思い出す。
 コンポはコンパクトになって、「ミニコンポ」となったが、それでも本体幅30cm程度、LPがCDになると、さらに小さくなって、今我が家にあるのは本体幅14cm、スピーカー幅13cmであって、全幅40cm、昔の本体よりも小さい。
 

 ただし、これでも「持ち運び」するとなると、「電車で運ぶ」「自転車で運ぶ」のは苦しいし、机の上に載せるとけっこう場所を取る。普通に持ち歩くのであれば、幅20cmくらいであって欲しい。
 

 このホータブルラジオ、幅ダイヤル入れて17cm、高さ9cm、奥行き5cmで、持ち運び簡単である。
 もう少し大きくて、幅20cm、高さ奥行き10cm程度までなら、持ち運びにも不自由はないし、場所も取らない。
 それならば、ステレオラジオか、小型のステレオラジカセを買えばいいではないか、と言われそうだが、ステレオラジオか、小型のステレオラジカセでは、幅が狭すぎて、「ステレオ」に聞くには、ラジオのすぐ前のしかるべき位置にいないとステレオに聞こえない。

 昔、左右のスピーカーが外せるタイプのラジカセもあったが、現在は無い。

 
(スピーカーのみ生き残ったシャープのQT37というラジカセ。テレビのスピーカーよりは大分音は良い。本体に「はめこみ」で固定できるようになっていて、本体ごと持ち運び可能。)

連結した状態で幅20cmでも、スピーカーを外して間を空ければ、離れてもステレオに聞こえる。

  

 「FMラジオ付きMP3プレーヤーに、外付けスピーカーをつなぐ」という事をやってみた。

  

 サイズ的には、まったく問題がないのだが、MP3ブレーヤーの出力というのはイヤホンを鳴らす程度のものなので、なにやらかすかに「音楽らしきもの」が聞こえるだけだ。このスピーカーを手に持ってそれぞれ両耳に近づけると、「ステレオの音楽らしきもの」が聞こえるが、それならば、イヤホンで聞いていた方がよっぽどマシである。
 アクティブ・スピーカーというものがあって、これはアンプ内蔵のスピーカーである。これは元々ウォークマンやパソコンの音を卓上で聞くものなので、音量的には十分なのだが、電源が本体とは別に必要である。以前は100Vの電源のものが多く、最近はパソコンのUSB端子から電源を取るタイプのものも増えてきた。
 電池式のものもあったのだが、最近はあまり見ない。
 USB電源のものに、百均で売っていたUSB充電用の電池ケースをつなぐと音は出るのだが、机の上が配線だらけになる。

 

 本体内に電源、アンプ、チューナー他の音源を内蔵して、スピーカーは移動時は左右に「はめこみ」で固定可能になっているタイプのものはないのか、と思ったが市販品で、普通に音が出るタイプのものは、現役では無い様だ。

「おもちゃ」ならば、こんなものが。とうていまともな音が出るとは思えない。

 

 ここまで考えた所で、ハテどんな感じになるか、と実物大のペーパークラフトを作ってみた。幅21cm(本体9cm、スピーカー各6cm×2)、高さ12cm、奥行き9cm。
 右は、大きさ比較用のポータブルラジオ。手前は同じく単三電池。
 奥行き9cmは深すぎる様だが、スピーカーの音質確保にはある程度の奥行きは要るだろうし、本体の上に載せたいものがある。
 プレーヤーである。
 CDでも直径12cmあるのに、9cm×9cmで載せれるプレーヤーがあるのか、というと8cmCDならばぎりぎりで載せられる。12cmCDはどうするのか、というと、CDブレーヤーにLPレコードがかけられないのと一緒で、「かけられない。」であきらめていただく。
 15年位前に、グリコで「タイムスリップグリコ」という企画があり、EPレコード風の8cmCDにEPレコードのA面の曲を入れ、縮小したEPレコードのジャケットに入れて、グリコのおまけにしていた。この8cmCD、写真ではよく分からないが、表面にレコード溝風の彫り込みまでしてあって、当時話題になったものである。


 8cmCDは容量が180MBしかないので、LPに収録されている曲は全部は入らない。しかし、MP3に変換すれば、LP2枚分くらいの曲は収録可能だ。事実、昔にアイワ他一社より、8cmCD専用のMP3ポケッタブルブレーヤーが出ている。(すぐにデジタルオーディオプレーヤーに駆逐されてしまったが)
 しかし、タイムスリップグリコ風に表面加工してLPレコード風にした8cmCD-Rに、LP一枚分の曲を入れ、LPのジャケットを縮小した8cmCD用ジャケットに入れておいて、このプレーヤーにかければ、昔のセパレート家具調ステレオでLPレコードを聞いているような気分になれる。
 SDメモリーカードなら、数百円で何ギガもの容量のものが買える。わざわざ8cmCD-Rに保存して聞く価値があるのか、という話もあるだろうが、実用性ではなく、「気分」の問題であるのだから、まあいじゃない。



 ついでに、本体の下の部分にはマイクロカセットのデッキを押し込みたいところだ。レコーダーの本体が、スピーカー込みでこの大きさだから、出来ない事はないと思うが、さすがにマイクロカセットの生産終了して久しく、こちらは無理かもしれない。


 ペーパークラフトのディテールは落書きだが、食玩的に昔の家具調ステレオの様に細部をきちんと作り込み、静かな部屋で小さな音量で聞くのであれば十分な音質のクオリティのものが出来れば、机上の飾りものとしても、個人用のオーディオとしても良いと思う。こういうのが欲しい。

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