<2006.11.13 K.Kotani>「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 12


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2006年11月13日

「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 12




「止め」の表現

1.静止していて動かないもの
2.動いているものが一時止まるもの
3.高速で回転しているので止まっているように見えるもの
4.動きの中の一つの静止画像(ストップモーション)

「止め」の作画 1枚の絵を描く
「止め」の撮影 1枚の絵を必要とするコマ数反復して撮影する

「同トレス」と「止め」の違い

「止め」は完全に静止しているが、「同トレス」は同じ位置で線が微妙に動く。

動く「止め」

1枚の絵を水平・垂直・斜・前後にずらしてコマ撮りすることにより、動かす。作画の手間が要らないため、TVアニメなどで多用され、各種表現方法が工夫された結果、今や日本アニメの「お家芸」の一つ。

例えば、手前の主人公キャラを右から左、奥の敵キャラを左から右、バックの特殊効果画面を上下に動かすことによって、迫力のある画面を生成する。普通の画面と比較せよ。

「ストップモーション」

 決定的瞬間は瞬間だが、「止め」の表現によって引き延ばして表現する。かって「巨人の星」で多用され、多くの笑い話のネタになった。ストップモーション以外の「引き延ばし」の表現も日本独特。投げ終わったピッチャーがボールを追って「待てー」と走っていったり、解説者がピッチャーが投げてからバッターが打つまでにいろいろうんちくをたれたり、ボクサーがパンチを打つ一瞬にいろいろ解説を入れたり、驚いたりする。

「止め」と「間」

「間」の感覚 受け取ってもらえないティッシュペーパーについて

送り手と受け手の時間

「くり返し」の表現

同じ動作をくり返す。例えば、歩く場合、

1.右足を前、左足を後ろにした状態から、
2.左足を出して一歩進む
3.右足を出して一歩進む (ここで1のポーズに戻る) 

これを1サイクルとして、くり返す。
1サイクル1秒として、100回くり返すと100秒のアニメになる。

1.1サイクルの作画だけで長いアニメが作れる。
2.反面、単調な退屈なアニメになる。

繰り返しで表現される動き
1.煙突の煙り
2.川の流れ
3.雨
4.水面の動き
5.風になびく旗
6.打ち寄せる波

バックの自然の動きは「くり返し」にして、手前のキャラは「止め」たり
動かしたりするのはよくある構成。

逆に手前のキャラ(メカ)が繰り返しで、背景が前後左右に動く事もある。

「質感」の表現

動きの「質感」とは

1.地面の上の鉄球と、鉄板の上のゴムマリ。

 地面の上の鉄球は、上から踏むと、鉄球が地面にめり込む。

 鉄板の上のゴムマリは、上から踏むと、ゴムマリが潰れる。

2.地面の上の鉄球と、ゴム面の上の鉄球。

 地面の上の鉄球は、上から踏むと、鉄球が地面にめり込む。足をのけてもそのまま。

 ゴム面の上の鉄球は、上から踏むと、いったん鉄球が地面にめり込むが、足をのけると元にもどる。

3.鉄板の上のゴムマリと、鉄板の上のまんじゅう。

 鉄板の上のゴムマリは、上から踏むと、ゴムマリが潰れるが、足をのけると元にもどる。

 鉄板の上のまんじゅうは、上から踏むと、まんじゅうが潰れる。足をのけてもそのまま。

 堅いもの、柔らかいもの、弾力性のあるもの、もろいもの。


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