<2007.09.17 K.Kotani>「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 28


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月刊近メ像インターネット


2007年09月17日

「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 28





「何でもコマ撮り・身近な素材でアニメを作る」


 アニメーションの素材

 アニメーションの素材として専門に用いられるものは以下のものがある。
1.平面アニメ 紙(動画用紙直書き)、セル(最近ではほとんどデジタル化されている) 切り紙(厚紙)など
2.立体アニメ 粘土 人形(アニメ用に作られて関節を持ったもの) ガラスなど(成形されたものを置き換えてアニメにする)  針金(人形の骨格に用いられたりそのままアニメの素材として用いる。)
3.その他 砂(平面に展開して影絵のように用いる。砂遊びのように用いる場合は粘土に準じる。) 黒板など(書いては消す)

 アニメの素材としての条件として、自由に形が変えられる(描画できる) 変わった形をそのまま固定できる、という点が上げられる。例えばスプリングの様なものは自由に形が変えられるが、手を離すと元に戻ってしまう。粘土では自由に形を変えられるが、あまり細いものを作ると重力に耐えられず変形してしまう。人形の場合は重心がとれないと倒れてしまうので足を釘で固定したり、糸で吊ってバランスをとらせるなどの工夫が必要になる。

 アニメーション専用でない素材

1.アマチュアによる試み

 「食材」を利用する。8mmフィルム時代には「いも」を多数用意して置き換える事でアニメ化した作家がいた。また、「かっぱえびせん」のように大体同じような感じのものを置き換える事でアニメ化を試みた人もいた。
(「かっぱえびせん」については、生産過程が改善され、形が均一化したため、昔のような面白い感じは出にくくなってきている。)
 IKIFは「アニメ百科」でレモンをスライスしてコマ撮りしてみせた。
 また、コンパス、三脚など、少しずつ動くものが用いられた。

2.プロによる試み

 人間のアニメ化。ノーマン・マクラレンが「隣人」で大々的に成功した。特に「飛び上がった瞬間」をコマ撮りして、あたかも空中に浮揚したような感じを出す手法はアマチュアによって大々的に採用され、一時代をなした。ただし8mmカメラの時代と異なり、現在のデジタルカメラ・ビデオカメラはレリーズボタンを押してからシャッターが切れるまでかなり時間がかかるため、現在ではほとんど姿を消している。
 食材の利用 シュバンクマイエルが「対話の可能性」でぐしゃぐしゃにした食材を砂アニメの様に用いた。
 その他 クエイ兄弟が「ストリート・オブ・クロコダイル」で「ネジ」を少しずつ回転させてコマ撮りした。また、イシュ・パテルは「ビーズ」を並べて線を作り、アニメ化した。(「ビーズ・ゲーム」)日本のアマチュアで米粒を並べて線を作り、「ライス・ゲーム」という作品にした人がいる。この作品は8mmフィルムでアニメ化されたが、広島の国際フェスに出品するため強引にビデオ化された。この過程で「テストパターン・カラーバー」が要る、というので、画用紙に描いたカラーバーを8mmフィルムで撮影してテレシネする、という事が本気で検討されたそうだ。

 そのへんの素材の利用について


 少しずつ違った形のものをたくさん用意する。または形を自由にかえられるものを探す、という事が考えられる。

 少しずつ違った形のもの

 まず、工業製品では、最近では特に品質の均一化がすすんでおり、難しい。安くで大量、という事になると、砕石や玉砂利などは形が少しずつ違う。ホームセンターなどで「袋に大量に入っていて安い」ものを漁る事をお勧めする。宝石類は基本的に一個ずつ手作りであるため、少しずつ形が違うと思うが金が足りないため確認できない。また、量販店の「靴」などは5mmずつサイズの違う同じデザインのものがあり、置き換えると靴が大きくなったり小さくなったりすると思われるが、これも予算が足りないため確認していない。「同じデザインのサイズ違い」ではネジ、釘などは面白いかもしれない。
 食材では、「煮干し」などは面白いと思われる。また、「えび満月」は一個ごとにえびの形が違うため可能性がある。「ポテトチップス」はジャガイモをスライスして揚げたものは形が全部違う。「さきいか」は形が全部違うが、「チーズたら」は比較的均一な感じである。このあたりスーパーの食品売り場で「袋に大量に入っていて安い」ものを漁る事をお勧めする。ただし生鮮食品は購入後すぐ撮影しないとしなびたり腐ったりする。野菜を並べておいてインターバル撮影して徐々にしなびていく過程をコマ撮りするというのも面白いかもしれない。(腐っていく、というのは、止めはしないがオススメしない。田舎の一軒家とかでないと難しいと思う)

 形を自由に変えられるもの

 ポータブルテレビのアンテナとかは方向と長さが自由に変えられてコマ撮りの向いているようだ。コード類を買うとついている「ビニタイ」も針金の類いなので形を変えやすい。シャープペンシルを1ノックずつ押してコマ撮りすると芯が伸びてくるところが撮れる。「556」のコマーシャルではファスナーを動かしていた。
 クエイ兄弟風に「ネジ」という事になると、スクリューキャップ、電球等をまわしてコマ撮りすることもできる。
 「粘土」の様な食材としては「モチ」や「ペースト」様のものが上げられるが、モチは形が変えにくいし「ペースト」は形が崩れやすいような気がする。少しずつ減らしていってコマ撮りする、というのがやりやすいと思う。
 パソコンのマウスをすこしずつ動かしてコマ撮りすると、ケーブルが追従するのでそれらしい動きになる。画面と平行して撮影すると「無人パソコン」のような画面になる。
 基本的に「動かないものが動く」という点にアニメーションの「驚き」がある。「こんなものが動くはずがない」というものを動かして見せるところに面白さが生まれてくるので、身の回りにあるものを改めて見直してみるといろいろと出てくると思う。



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