<2007.11.20 K.Kotani>「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 29


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2007年11月20日

「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 29





「「初心者のための」人形アニメーション」


  人形アニメーション

 人形アニメーションとは、アニメーションの素材として人形を使い、少しずつ形を違えた人形をコマ撮りして製作したアニメーション。
 アニメーションの初期から用いられた手法で、ロシアからフランスに渡り昆虫アニメを製作したスタレヴィッチの作品は一部の怪奇映像マニアに深く愛されている。チェコのトルンカ、日本の川本喜八郎と続く正統派人形アニメ、商業作品としてヒットしたティム・バートンの「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」、「ロボットバルタ」(保田克史)などのNHKでの放送作品等現在でも多数が製作されている。
 CG全盛の現在においても、TVCMにおいて「人形アニメそっくり」に見せたCGアニメが使用される等、人形アニメの魅力は今でも多くの人を引きつけている。

 人形アニメを作る

 人形アニメの製作には、
1.背景となる舞台
2.演技をする人形
3.その他の動く素材
 が必要となる。

1.背景となる舞台
 小さな映画のセット、演劇の舞台のミニチュアのようなものであるが、そこに人形を静止して固定する必要がある事を忘れてはいけない。重心のとれていない状態で人形は立たないため、足をちいさな釘で固定する、細い糸でつる、などの方法が用いられる。

2.演技をする人形
 自由に動き固定される関節をもち、表情を表現できる顔を持つ。関節はアーマチュアと呼ばれる金属製のものや、針金などで作られる。「ロボットバルタ」の人形は「背骨くん」という展示用のパーツを転用した関節で作られている。表情は、動く顔を作って動かす、少しずつ違った顔をたくさん作って置き換える、などの方法で表現される。

3.その他動く素材
 自動車、たき火、水などいろいろある。たき火などは火の形に作ったものの置き換え、水は透明な樹脂の置き換えなどで作られる。

人形アニメの撮影

 かっては、普通のアニメと同じように映画のカメラでコマ撮りされていたが、現在ではほとんどの場合でデジカメで撮影した静止画をアニメーションソフトでムービー化しているようである。

初心者の直面する問題

 人形が関節をもたないので体を動かせない。既製品のぬいぐるみなどを用いると手足を動かす事が出来ない。まず骨格を作り、肉付けし、服を着せる。
 針金で作った骨格が何回か動かすと折れる。針金は何回か折り曲げを繰り返すと金属疲労で折れる。折れにくくするためには特定の箇所に折り曲げが集中しないように骨格の形を工夫する。
 アソプロックというおもちゃがあり、関節のある人形が作れる。大変便利であるが、あまり大きなものは作れない。

 人形が立たない。足の裏から重心が外れると人形は倒れる。これを防ぐためには足を釘で地面に固定するとか、鉄板をはりつけて磁石で止めるなどの方法がとれる。細い糸でつる、という方法もあるが糸を止める場所をどこにするかなどの問題が別に生じる。

 人形に表情がつけられない。「コープスブライド」などはねじまわしで微妙に表情を変えられる人形を作っていたが、アマチュアの手に負えるものではない。「能面方式」で照明で表情を変える事もできるが、非常に高度なテクニックである。代表的表情を何個か作っておき置き換えるというのが無難なようである。「目」をきちんと作ると意外とまともに見える。
 背景 「写る部分だけを作る」というのが省力化のコツである。カメラを先端とし、一番奥の幅を底辺とした三角形の中にものを並べれば良い。
 カメラに写らない山・家の背面等は作らなくても良い。

試作品製作

 今回の講座のための試作品を製作する。

1.人形「アソブロック」に服を着せる。今回は紙で作ったが、布の方が一般的には好まれる。ただし人形が小さいため、目の粗い布だといかにも人形が小さく見えてしまう。

2.背景 「書き割り」を使用する。奥に山、手前に木を何本か立てる。

3.大道具 大道具といっても小さいものだが、さすがに「書き割り」ではちゃんと見えないので、立体物に紙を貼って塗ったものを使用する。

4.小道具 土煙用として「綿」を用意した。

5.カメラ 「デジカメ」を使用する。ピント・露出がマニュアルで固定でき、ACアダプターが使え、リモコンが使えるもの。200万画素あれば十分である。

6.照明 ビデオ・デジカメなどの場合は蛍光灯で十分である。影が映り込まないように注意する。



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