2008.11.18 K.Kotani>
「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 33
毎月読める日本で唯一の自主アニメ情報誌
月刊近メ像インターネット
2008年11月18日
「ピピアめふアニメーション教室」特別講座 34
「音楽とアニメーション」
音楽とアニメーション
音楽とアニメーションは、何れも「時間軸」を使用する芸術としての共通性がある。音楽はライブでかけられる事もあるし、録音・再生して楽しまれる事もある。一方、アニメーションは一般的にメディアに記録されて再生され、楽しまれる。
昔、映画がサイレントだった頃は、映画に合わせて楽団が生演奏し、音を付けるという事が行われた。今でも、昔の映画に関するイベントで例外的に行われる事はあるが、上映毎に生演奏を付けていたのでは金がかかりすぎるし、上映毎にタイミングの「ずれ」が起こる可能性もある。
映像に生で「音」を付けるという事は、現在ではパフォーマンスのひとつとなっているようだ。
「蒸気船ウィリー」でフィルム自体に録音したものを再生するという「トーキー」という技術が採用されてからは、フィルムに音も録音するという事が一般的になった。
アマチュアの領域においては、トーキーの採用はかなり遅れた。初期の8mm映画は、映像はフィルムに、音はテープに録音して、別々に再生するという方法で行われた。当然、映写が進むにつれて、テープとフィルムの速度のずれから、だんだん台詞と口の動きが合わなかったりする。これを克服する為、テープの速度とフィルムの速度を機械的に調整して合わせたり、テープに同調信号を記録して映写機をコントロールするような方法が開発された。
最終的に、フィルムに磁気帯を塗布し、そこに録音するという方法で、8mmフィルムのトーキー化は完成した。8mmフィルムの末期には、あらかじめ磁気帯を塗布したフィルムに、撮影と同時に録音する「同録カメラ」というものが発売されたが、ビデオカメラの台頭によって、短命に終わった。
8mm時代の音楽について
8mmフィルムでの映画作りがアマチュアのお遊びとされていたような時代だった。音楽はそのへんのレコードから勝手にコピーしたものや、テレビやラジオの音を録音したものをつけていたりした。
この時代の「名作」とされる自主制作8mmアニメーションが、現在あまり公開されていないのは、こういう音楽著作権をクリアーできていないという事にもよる。ただし、テレビでは、テレビ業界全体が録音された著作物についての著作権使用料を一括して支払っているので、放送は可能なものもある。
かなりの大きさのホールでの上映会などでも、こういう著作権無視の作品が大々的に上映されていたのだから、のどかな時代だった。
1985年に広島の国際フェスが始まり、音楽著作権がクリアされていない作品が応募できない事、8mmでは応募できない事が判明すると、一部の作品は曲を入れ替えて16mm化されたりした。また、以後の作品については音楽著作権をクリアした状態で発表される事が多くなった。
音楽と映像のマッチングについて
悲しい場面には悲しい音楽を、楽しい場面には楽しい音楽を付ける、というのが定番だが、そもそも、絵と音のタイミングが合わなければどうしようもない。
タイミングを合わせる方法として、
1.プレスコ(プレ・スコアリング)
2.アフレコ(アフター・レコーディング」
の2つの方法がある。
プレスコは、あらかじめ音を録音しておいて、どの曲は何分何秒から何分何秒まで、この音は何分何秒何何にでる、という事を全部記録しておき、その音に合わせて絵を作っていく方法である。フィルムの時代には、24コマが1秒だから、何秒目の何コマ目、という形でタイミングを決めた。
8mm時代には機材の速度が不安定なため、何回も録音をやりなおす事は普通だった。
アフレコは、絵を先行して作り、映像を見ながら音を作って録音していく方式である。洋画の吹き替えや、テレビアニメなどはほとんどこの方式である。プレスコよりも時間がかからないが、音の正確な同調には少々ずれが出る可能性があるし、台詞につまると最初からやり直しとなる。
現在のデジタル編集においては、映像と音をデータ化して切ったり貼ったりしてタイミングを合わせていくため、プレスコなのかアフレコなのか定かでない部分も有る。
音楽は何処から調達するか
著作権フリーの曲をダウンロードする。インターネット上のサイトに公開されている無料の曲を使用すれば問題はないが、曲数が限られているため、複数の作品で使用される可能性がある。
BGM集を買う。結構なお値段だが、いろいろなバリエーションがある。
知人に頼む。(いない人は探す)
自分で演奏する。(Wii Musicの曲は著作権上フリーの可能性大)
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