2015.10.10 K.Kotani>
「こんなものが欲しい」3.ちゃんと写るミニチュア風トイデジ
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「こんなものが欲しい」3.ちゃんと写るミニチュア風トイデジ
トイデジというものがあって、おもちゃのデジタルカメラである。大きさはマッチ箱位から普通のコンパクトデジカメ位のものまである。価格は数百円から1万円くらいまでで、たいていは固定焦点の安物のレンズがついている。
写真の左のカメラが、トイデジのDSC-mini(ケンコートキナー製)。131万画素、F2.8の3.2mmのレンズがついている。
右はガシャポンの「キャノンF1」であるが、ガシャポンであるから、「カメラの形をしたアクセサリー」であって、当然撮影はできない。
価格は、DSC-miniがAMAZONで2580円。「キャノンF1」は、300円である。
この「キャノンF1」、ミニチュアとして中々良く出来ていて、本物の同様、レンズとペンタプリズム部が取り外せる他、巻き上げレバー・セルフタイマーのレバーも可動になっている。プラスチック一体整形で塗装もしていないのだが、質感も悪くない。
さて、この「キャノンF1」と、「DSC-mini」を写真のように並べてみると、ごらんのように大きさはほとんど変わらない。ならば、「キャノンF1」の中に、「DSC-mini」の中身を入れれば、「キャノンF1の格好をしたトイデジ」が出来上がるはずだ。
実際に、この「キャノンF1」と「DSC-mini」の中身の基板(この基板だけで一応撮影は出来る)を並べて見ると、大きさはかつかつで入るかもしれないが、「DSC-mini」の中身はレンズがやや右に寄っていて、無理のようである。
問題はもう一つあって、「写り」である。「DSC-mini」とほぼ同じスペックの「PICK」というカメラがある。画素数は200万とあるが、両方とも、CCDの総画素数200万・有効画素数131万という事だろう。
下はPICKで撮った写真。左中央は、PICK。右は屋外の遠景。コントラストが乏しく、細部が潰れていて油絵のようである。ピントが固定焦点で、おそらく10cmから20cm位でピントを合わせてあり、超単焦点レンズの被写界深度で無理矢理カバーさせているために遠景がどろーんとした写りになる原因があるのだろう。
1000万画素当たり前の時代に、131万画素ではこんなもの、と思われるかもしれない。しかし、昔持っていた「Finepix1500」というデジカメは、150万画素で実に良く写った。
左は1/4の縮小の全体、右は等倍の写真中心部。
今でも普通に使える画質だが、残念ながら、電池の持ちが悪くなって退役した。
レンズはF2.6/6.6mmの単焦点だが、ちゃんとコーティングされたレンズがついていて、ピントは固定焦点でなく一応オートフォーカス、マクロモードもあった。
トイデジも、レンズだけでもこのクラスのものを使ってくれればちゃんとした写真が撮れる筈だ。オートフォーカスでなくても、目測式・1m位を常焦点にしてクリックで止まるようにしておいて、無限遠から10cmくらいまで合わせられるようなレンズなら、そうお金はかからないと思う。
「PICK」のレンズ部。8mm角の台座の上にダイヤルのようなレンズが乗っていて、汎用のCCD・レンズ一体型ユニットのようだ。レンズを回せばピントの調整が出来るような感じだが、回らない。組み立て時に接着されている様子である。ちなみに、「DSC-mini」にも、同じユニットがついていた。
理屈から言うと、ここだけを、ちゃんとしたレンズにすれば、「普通の写真のとれるトイデジ」が作れる筈だ。
「中身」の図を描いてみる。銀塩カメラの外形にするので、レンズは当然中央部になる。パソコンとの接続端子だが、「DSC-mini」のマイクロUSB(メス)か、「PICK」のUSB(オス)かの選択になる。USBメモリーライクにそのままパソコンに差し込める「PICK」のUSB(オス)を支持する向きもあるようだが、本体の幅が広くなる事を考えると、「DSC-mini」のマイクロUSB(メス)の採用となるだろう。そうしょっちゅう抜き差しするわけでもなく、必要であれば
変換コネクター
を使用すれば良い。電源はこの手の激安デジタル携帯機器によくあるリチウムポリマー電池になるだろうが、けっこうすぐダメになるので、簡単に交換できるようにコネクター付きにしたい。(交換時にプラスマイナスを間違えないためでもある。)
レンズの上の「でっぱり」は、外側の説明時に説明する。
外観の原型となる、銀塩カメラ達。「外側」は、中身の基板が共通なので、ほぼ同じ大きさにならざるを得ない。XAも一眼レフもな同じ幅かと言われると、「そうだ」という事になる。
右は銀塩カメラの内部。左がパトローネを入れる所、中心がレンズで、右が撮影済みのフィルムを巻き取る部分。ここは、ハーフサイズを除き、どんな銀塩カメラでもほぼ同じデザイン・レイアウトである。(まれに、左右逆レイアウトのカメラもある。)
よって、基本設計としては、この部分に入るようなサイズの基板カメラを作り、それに合わせて外側を作って中身をはめ込めばいいわけである。
35mm距離計連動型タイプの外側のデザイン図。基板を前後から本体で挟み込み、ピントリングより先のレンズ部分のの外側を前から差し込む。基板側レンズの上側の出っ張りとレンズ部分の内側の切り欠きは合わせられるようになっている。このレンズ部分の外側を回せば、基板のレンズが回転して「目測式」でピントが合わせられる仕組みだ。
「ファインダー」については、「PICK」には、そもそもファインダーはついていないので、「腰だめ」の撮影となるが、「DSC-mini」にはぼんやりと見えるファインダーもどきがついており、30cm位離れて見ると、「ファインダー」の中心部に見えているものが大体画面の中心になっている。出来れば、「写るんです」クラスの精度は欲しいものだ。
外部に鏡筒の出ていない、写るんです・カメラくん・XA・オートハーフ等の場合は、基板レンズにダイヤルをはめこんでカメラの底部から回すようにする。(固定焦点のカメラも、目測式になるのか? そうだ!)
一眼レフタイプは、ファインダーはどないすんねん、という話になる。かって、シャランというメーカーの作ったニコンFのミニチュアがあった。このカメラは、ミノックスタイプのフィルムを使用する銀塩カメラであるが、内部にはミラーやペンタプリズムはない。しかし、格納式のファインダーがペンタ部の中に隠されていて、撮影時にはペンタ部を起こすとファインダーが出てくる。笑える仕組みである。これはいいぞ。(ちなみに、ペンFタイプのファインダーはポップアップ式。このペンFは銀塩カメラには珍しくレンズが右に寄っている。)
この外側、何種類か揃えて、カメラ本体を「着せ替え」て持ち出す人もあるだろうし、「がシャポン」みたいに、ミニチュアとしてコレクションする方もいるだろうから、ミニチュアとして展示するための、「ダミーの本体」も付けておきたい。
さて、「一眼レフタイプはレンズ交換は出来ないのか」という話になるだろう。このカメラ、レンズは基板部分に固定なので、レンズ自体の交換は出来ない仕様となっている。
もちろん、レンズ交換が出来るように作る事もできるだろうが、おそらくコストがかかって、本体の値段がどんと上がってしまい、値段が「おもちゃ」の範囲を超えてしまうだろう。
ここで、レンズ部の前玉部分が「素通し」である事を良い事に、この前玉部分の「テレコン」付き、「ワイコン」付きを作って、交換すれば「望遠レンズ風」「広角レンズ風」の撮影が可能になる。(テレコン、ワイコンは2倍・二分の一がせいぜいなので、300mm望遠、というのは無理だが・・・)
(キャノンF1風のボディーに憧れのFD300mmF2.8(実際は二倍テレコン)を付けたトイデジの姿はこうなると思われる。)
この他の機能として、本体基板部分に、一応「ビデオ出力端子」と、「X接点端子」は付けておいてもらうと、好き者の方が「外付けストロボ」や、「外部モニター」をつないで遊べるというものだ。
このミニチュア風トイデジ、本体基板が9800円位、外側のボディが980円位ならば、結構売れると思うのだが・・・・(それ位の値段なら買います、というお話です。)
ちなみに、PICKの基板に合わせた、外側の見本をプラバンで作ってみました。あまり、カメラっぽくないですが。
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