「灰都会」

街は生気を失い
明日の運命は誰も知らず
ただ
のり移られた死躯のごとく
うごめく

都市は
美学を形成するまもなく
増殖を重ね

人は
自分の足音のみ聞きつつ
生存を拒み

取り残された都市の自我は
音波以前の何かで叫ぶ

(そんな時も僕の手元では
タバコの火が
意思の無いかげろふを造り続けている)

たぶん
この太陽の美しさは
いつの日か切実でなくなり
この都市の人々は
いつの間にか誠実でなくなる

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