「蒼鳥幻想」

不気味にほほ笑み
 鬼火のように
つめたくゆらめき
まんじゅしゃげついばむ
氷の鳥の影
皮膚を伝う
死の予感
 脳をむしばむ
 その炎の色
投げ捨てた過去の
 幻想が
鳥の瞳によみがえり
無声映画は物言わず
わが首絞めて止まぬなり

眠りのかなた
 不気味にほほえむ
遠い時間の
 確かな警告
まんじゅしゃげついばむ
氷の鳥の影

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