「夜海雷轟-YOMIRAIGOU」

海の面から
何百万、何千万という魚たちが
空に舞い上がろうとしているかのごとくに
海の面がぴちぴちと、白く白く跳ね上がる
波は私を空まで持ち上げ
地獄に向かって突き落とす
海の黒と空の黒が一つに入り混じる
この嵐にもまれるには
この嵐を乗り切るには
私の船はあまりにも
小さすぎる
私がどんなに叫んでも
風の耳には届かない
轟々とした
混沌の中で

でも私はあきらめない
でも私はなきはしない
どんなに遠く思えても
夜明けは必ず、来るから

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