「栄華無常」

全地上を覆うがごとき
この繁栄を
その栄華の剰余としての
この悲劇を
すべて剥ぎ取って
見つめてみるのだ
文明は永遠なのか
明日の命ははかないのに
ふり向くのだ
まだ力あるうちに
ふり向くのだ
栄華を極めたものの
最期のむなしさを
我ら民族は
語り継いできたのではないか
あの昔から
諸行無常の物語を
語り続けてきたのではなかったか
目を覚ませ同胞よ
無常の原理を忘れたものよ
明日は散るかと

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