「りんりのくたんぶる」

7m上空
電線の上
びっしりとならんだ りんりのくたんぶる
目をつぶって、月を見る
犬の遠吠えに、波のように揺れながら
延々と続く一匹のりんりのくたんぶるの列

夜の夜中の暗闇で
街灯に照らされながら
ずるずると電柱をはいずり登る
りんりのくたんぶる
ソーセージじゃない
クリームチーズでもない
ましてや、うどん、そばのたぐいじゃない
一匹のりんりのくたんぶる
月は西にかたむいて
ケックク コウァ
ケックク コウァ
クヮッキ クヮンクォー
夜が白々しくも明けはじめる

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