日本では、8471人(男性1570人、女性6901人)
平均寿命は男性、77才、女性、83才・・・・となっています。
この数値は、乳幼児の死亡率が低いために平均数値が上がっているからとも判断できますが、医学の進歩や国民保険制度の確立のおかげであるとも言えます。
一方、アメリカでは、100才以上の人口は61000人。
アメリカと日本の人口比率は2:1ですから、この比率で計算すると、100才以上の人口は、日本では約3万人ほどいても良いはずです。しかし実際には8471人しかいません。
この原因には、いくつか考えられすが、その一つに、1977年にジョージ・マクガバンを委員長とするアメリカ上院の栄養問題特別委員会がおこなった、調査報告があります。
この報告書は通称「マクガバンレポート」と言われます。
このレポートのおかげで国民の間に食品(栄養素)と健康の関係が強く認識されるようになったことにもよると思います。
このマクガバンレポートの調査では日本にも来ております。
その当時の日本ではまだ成人病(生活習慣病)の罹病率も低く、食事内容は低脂肪・高繊維食であり、当時のアメリカで目標とする食事の目標値にきわめて近いもので、「日本型食生活」が見直されるきっかけとなったのです。
それから、約20年、現在の日本では欧米型の高脂肪、高コレステロールの食事が多くなりその結果地域によっては、お年寄りのほうが元気で長生きという「逆さ仏現象」が見られるようになっております。
さらに重要なことに、「身土不二」と「経済的独立の強さ」があると思います。
「身土不二」は昔の中国の言葉で、身体と土壌は切ってもきれない関係にあるという意味です。
ほうれん草の例では、アメリカの土壌で生産されたものは、日本のものより、カルシウムの含有量は約5〜6倍も多いそうです。
カルシウムだけが多いのではなく、おのずと他のミネラルやビタミンも多いと想像できます。
これはもちろん、医食同源という言葉にも関係してきます。
日本の野菜の種をアメリカに植えたとしますと、アメリカサイズの大きなものが収穫できるといわれています。
これは土壌の違いがまず考えられます。
このような栄養豊かな作物を食べてきたアメリカ人の体格と日本人の体格には明らかな違いがあります。
遺伝的要素もあり、全て食べ物が原因とは言いませんが、かなりの割合で食物の影響は無視できないと思います。
近年の日本人の体格もほとんどアメリカサイズになってきています。
もし遺伝だけが要因であれば、ここ50年ほどで体格がこんなに変わってしまうとは考えられないと思います。
50〜60年前まではアメリカでも100才以上の人口は3800人ほどしかいませんでした。
つまりアメリカ人はここ半世紀で100才以上の人口は約20倍になっていることになります。
このまま推移したとしますと、100才以上の人口は2020年には21万4千人になっていると予想されています。
このとき長寿国(?)日本では人口比から言えば、100才以上の人口は10万人以上になってもいい計算になりますが...?
2001年9月の統計では、全国で100歳以上の人口は1万5475人となっています。
6年間で約7000名の増加、率にして1.83倍です。
この伸び率でいくとすれば、2020年頃には、100才以上の人口は約6万5千人程度になる計算です。
もう一つの原因、それは「経済的独立の強さ」であると言えます。
アメリカでは老後の環境が整っていて、65才以降でも趣味やスポーツに楽しみを見いだせやすいという事実があります。
日本ではどうでしょうか?
「金もないのに長生きしても仕方がない。」という話を聞いたこともあります。
老人ホームで余生を送るにしても大金がいるのが現状です。
このところ急激に進む少子化の問題、これはかなり深刻な問題です。
現在働き盛りの人達が老後を迎えたとき、老後を見る世代(今の若者やその子供たち)が極端に少ないのです。
人口が減少すれば、それだけ経済状態も悪くなります。
ビルや交通機関を整備してもそれを利用する人がいなくては話になりません。