狐の話

「氷部の長としては…許すわけにはいかないのだけれど…」
静氷は優しく諭すように、目の前の少女に告げた。
「人化の法は…あまりにも危険過ぎます…たとえ仙指整体の技を用いても、その反動はあなたを…」
少女はまっすぐな瞳を静氷に向け、言葉でない言葉で答えた。
<わかってます…その代償も含めて…>

静氷は思わず目を伏せた。
「人化したあなたは…その事を含めた、記憶の総てを失っているのですよ…」
<記憶は失われても…きっと…想いは残ります。その想いを道標にすれば…辿り着けると思うんです…>
「………」

静氷がこの言葉を聞くのは…これが初めてではない。
そして…最後にもならないだろう。
人と触れ合った彼等は常に…もう一度それを求める。
…総てを犠牲にして。

静氷が手を貸さなくとも…少女は行くだろう…不完全なままで。
それならば…

「そうね…それが…人の隣に棲み…人に焦がれる貴方達の性…」
静氷は哀しげに微笑んで続けた。
「あの子も…あなたくらい強ければ良かったのだけれど…」

 
  「隠れ里」と呼ばれる場所が在る。
そこは…この世ならぬ者、人ならぬ者が住むという…もう一つの世界。

運命と縁によって二つの世界が交わるとき…物語は回り始める…

 
  「やっと見つけた…」
 
 


解説など


いあ…別に深い意味は在りません。
なゆきとまゆきって、名前似てるな〜…とか、切られた木って、御神木みたいだな〜…とか、秋子さんって………とか、アノ世界観が凄く好き…ってだけです。(笑)
…すんごい、無理があるのは自分でも解ってますケド。(汗)
強いて言い訳するなら…人化の反動は、精神を人化前よりも後退させるってことで…
そう、ぬ〜べ〜の玉藻みたいに。(オ

静氷って誰?…って人は…恋姫をやれり。(笑)


予告


「あら?どうしたの静氷…やけに落ち込んでるじゃない」
「あ…秋子さん…」
静氷は秋子の姿を認めると、力無く微笑んだ。
「どうしたの?もしかして…また…まゆきちゃんが…?」
そんな静氷を見て、秋子はいぶかしげに尋ねる。
「いえ…最近はあの夢も見てないようですし…」
「…小十郎ちゃんの?あの時は凄かったわよね…」
秋子は悪戯っぽく微笑んだ。

「御神木の"分御霊"が切られてから…行き来が難しくなったわ…」

「それは…妖狐族の総意なの?」
<はい、静氷様>
「人化した者への干渉は皆無…と聞いていたのだけれど、一体どうして?」
<彼等は…我等の領域で結ばれ、祝言を挙げましたからな…なんの祝儀も出さぬ訳には参りますまい…>

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