AIR雑感


AIRをプレイして思ったコト等、日記から抜粋してみました。

オープニング
このゲームは…オープニングが良い。
海岸〜青空のPanから"The 1000th summer──"の辺り、凄く良い感じだと思う。
…。
凄いのは…AIRの総てがココに収まっていること。
そしてそれは…コンプした者にしか解らない…
クリアすると別物になる…終焉をも内包した…良いオープニングだ。
まぁ…細部は置いておくとして…

タイトルロゴの謎
AIRにおいて、時系列的に最も後ろに在るモノはなにか?
それは…AIR終了後に現れるタイトル画面。
遥か先に在るであろう「無限の終わり」で、やっと、追い着くことができた、彼と彼女の後ろ姿。
それはすなわち…タイトルロゴ。
我々は…ゲームを始める以前から、「最後」を見ている訳だ。
観鈴シナリオ終了
観鈴シナリオに入り、トントンと進んでエンディング…そしてエピローグ………じゃないな、なんだ?コレ?(汗)
これで…終わり?
え?もしかしてBad?
不安に駆られてフラグ潰しにかかる。
…あ、Badってエンディングすら無いのか…
あ…そう言えば往人が最後に…「もう一度やり直せたなら」…とか言ってたな…
…って、まさか始めからやり直せってコト?(汗)

美凪シナリオ終了
姉妹…か。
く…また…こんな…(汗)
これは…麻枝版あゆ+佐悠理シナリオか?(オ
…すると佳乃シナリオは栞?(マテ
…チョット…というか、かなり違うか。(汗)

麻枝さんの創るお話には…「家族」と「欠落」と「孤独」に対する、妙なこだわりを感じる。
主要な登場人物はみな…家族になんらかの欠落があり…そして孤独だ。
…。
しかし…この構成は見事だよなぁ…
8月に入っても延々と続く夢…一体、いつ果てるのか…
コレは…読者側が焦燥する造りだ。


佳乃シナリオ
姉妹…か。
…。
誰かが悪い訳ではない。
誰かが居れば良い訳でも…ましてや…
誰かが居なくなれば良い訳でも、ない。
羽根…か…

SUMMER終了
…。
くぁ…そうか、そう来るか…
歴史の裏…遠い約束…因果…
好きな要素満載の上…なんて僕好みなサイズのフロシキ…
この"世界"は…とても良い。
しかも…八百比丘尼…知徳法師…(汗)
巧い…なぁ…
…。
"対象に想いを寄せた(寄せられた)者を殺す呪い"…
…。
「忘れても良い」…か。きっと…一千年の間…ずっと言われ続けてきた言葉なんだろうな…
…って、何だこの尋常じゃない構成力は…(汗)

AIR終了直後
「もう、いいよね」

え…そんな…嘘…ダメ…なのか?
確かに…"叶わなかった願い"は解放されてはいないけど…
症状も…往人の母親が言った通りに進行していくけど…
…。
良いのか?ソレでっ!?
コレが…ゴールだってのかっ!?
…。
ハッピーエンドは物語の死だと言って憚からなかった僕が…そう、思った。
…。
もちろん…世界は…「かくあるべきモノ」ではなく、ただ、「かくあるモノ」だけど…
最後まで幸せでいることが…"誰も辿り着けなかったゴール"…なのか?
神奈の魂が癒されるってことなのか?
…。
ハッピーエンドの不在…
遂に…やってしまったか…
コレは…一つの転回点となり得る事件であり…一つの転回点となり得る作品だ。
…と、思う。

ヘンな子
初対面の、どこの誰とも解らない男に声を掛けるという美鈴の行動は…普通、「変なヤツ」としか認識されないだろう…
そうでなくとも…パソゲーヒロイン独特の…都合の良い性格…
…。
コレは、そう思ってしまったコトを…後悔させりる造りだ。
真意を…後で…第三者視点で語るのは…反則だよ…

伏線
さらりと読み流していた一文が…とても重要なコトで…
でもそれは…登場人物同様…読者にも、その時には解らなくて…
「小さな影たちは、歩きはじめた。」
「どこまでも遠く、おわりのない道を歩きはじめた。」
「その先にあるものを怖がらずに、前に進んでいく。」
「それはきっと、ぼくが持っていないものだ。」
「そら」シナリオ冒頭のこの言葉が…まさか…あんな…
7/17に総ては…始めた時には既に、終わっているなんて…

「観鈴はうちの娘やあらへん」
「だから、行くんやないか」
…本当のお母さんじゃないから。
そう、だから、本当の母親になるために…

シャボン玉
春風氏のページのトップ絵で、はっと気付く。
そうか…だから…みちるは…シャボン玉なのか…
作者の野口雨情が…生れることの無かった我子に向けて書いた歌…
『シャボン玉消えた…飛ばずに消えた…生まれてすぐに…壊れて消えた』

物語の結末
でもね、"死"は"悪"じゃない。
ハッピーエンドは物語を"殺す"モノじゃない。
ハッピーエンドは…物語を"終わらせる"モノだ。
"ソレ以上"を語らないためのモノだ。
もし、その後に続くモノが在るとするなら…ソレは、"また別の物語"…だろう。
…。
バッドエンドは…物語が"死ぬことを許さない"。
そして"生"が常に"善"であるとは…限らない。
…。
悲劇と喜劇は等価だと…信じていたんだがなぁ…

みすずの言葉
「やった…」
「やっと…たどりついた」
「ずっと探してたばしょ…」
「幸せなばしょ…」
「ずっと、幸せなばしょ…」

ああ、そうか…そういうことか…

「母上の元まで余を案内せよ」

あの日、この言葉から始まった旅が…千年…千年かけて、ようやく…
祭り…海…家族…母親の腕の中…みな、神奈が求めたささやかな…それでも決して辿りつけなかった願い…

「ぜんぶ、した」
「なにもかも、やりとげた」
本当に…そう思ってるんだ…晴子を気遣ってるんじゃなく…ほんとうに…
「わたし…がんばって、よかった」
…って。
そう…か、やっと…終わったんだ…
そういう意味では…これは死であり…僕は考えを改めなければならない。
「物語はハッピーエンドでなくとも死に得る」ということを、認めなければならない…

夢・記憶・翼(羽)
この3つは等価なのではないだろうか?
翼人は…その翼で夢(記憶)を継ぐのではないだろうか?
受け継ぐべき器官の無い者に夢(記憶)が流れ込む時…"無い翼が痛む"のではないだろうか?
…。
星の記憶は…一人の人間が負うには大き過ぎる。
翼が在ろうと、無かろうと。

Ornithopter
"鳥のような機械"…空を飛ぶ為に作られたのに…どんなに空を望んで羽ばたこうとも…決して飛べない存在…

二周目の恐怖
恐怖すら覚えた…異常なまでの伏線…符号…暗示…
ホントのAIRは…二周目以降なのかもしれん…
打ち返し弾が…厳しいんだよなぁ…

AIRな歌
きさらサソが発見(?)したAIRソング、「Beyond the Time」に対抗し得る歌を捜そうと、ケーキ屋氏と一緒に記憶とCDを検索。
検索結果は…ゴーグED…サザンクロスED…約束はいらない…
ふむ…どれも…心情的には近いけど…状況的に完璧な「Beyond the Time」には及ばんなぁ…
う〜ん…あ、アレなんかどうかな…ガンダムの劇場版の…
「Yes my sweet...」…って歌詞のアレ。
なんて言ったっけ…
そう、「めぐりあい」、それそれ…って、他はどんな歌詞だっけ?
…。
「Believe…人は哀しみ重ねて大人になる…」

…。
うわ、心情的には完璧だ。(汗)
特に…
「愛しい人よ、もう一度…」

…のトコで「ただ、さいごに一度だけ…このつたない体で、みすずを…俺はぼやける意識の中で…腕をのばした。」の絵が被ったら…
うぅ…相当…強烈…(涙)

「誰も一人では、生きられない…」

観鈴の母親の死因
作中では一切語られていないモノの…やっぱり「呪い」のせいなんだろうなぁ…(汗)
うへ〜…酷ぇ〜
その先が仮説で…"橘の旦那は、呪いのコトを知っていた"というモノ。
観鈴と距離を置いたのも…晴子が観鈴を神尾の家に迎えたと言い出した時、急いで引き取りに来たのも…「翼人が心を寄せる者を殺す呪い」の存在を知っていたからではないか…というのだ。
…。
ふむ…つじつまは…合う。(汗)
辛辣な言葉を使うのも…それだけ必死だったからか…
…って、チョイト穿ち過ぎ…では?(汗)
あるAIR評
僕は基本的に「肯定」から入る。
つまり、「起きている事実」には疑問を抱かず、ソレが矛盾なく繋がっていくように、「解釈」の方を構築するタイプだ。
要するに、「この世には、不思議なコトなど何も無い」…というスタンス。
それに対して金艮サソは…基本的に「否定」から入り、その「否定」を崩してくれることを、「作品」の方に期待するタイプ。
要するに、「この世には、不思議でないコトなど何も無い」…というスタンス…なのか?(オ
その差が…進行するにしたがって…大きくなっていったんだな…

ふむ…強大な「読解妄想力」(?)か、「補完しあえる仲間」の存在が不可欠…
そうでないと…「なんだこりゃ?」で終わってしまう…か。
そういう風に考えたことはなかったなぁ…僕には幸い…ドッチもあったし…

しかし…なんでまた、そんな否定的になれるのだろう…
「起きている」以上、ソレは「必然」だと思うがなぁ…
ま、起きているかどうか解らない造りにゃなってるケド…


ヘンなジュース
その名も…食物せんいの桃ゼリー
おもむろにひっくり返す。
…気泡が上がってこない。(汗)
あ、上がってきた…妙にノロノロと…ハッ!
こ、これはもしや…どろり濃厚?(汗)
…買う。
…飲む。
う…このどろりとした触感…濃厚な桃味…これは…まごうことなき…(汗)
今度ストローで飲んでみよう。
ChipEサソが、その隣にあったウォーターゼリーなるモノを買っていた。
む…逆さにしても…落ちてこない…(汗)
「飲み方」を読むと…手で押し出せですと?(汗)
こ、これはまさに…ゲルルンジュース!(オ
う〜む…共時性とは恐ろしいモノよ…(チゲ

推測
観鈴が弱ってゆくのと「呪い」には、直接の関係は無い。
「呪い」は、単純に「翼人に心を寄せる(寄せられた)者を弱らせ、死に至らしめる」という効力しか持たない。
観鈴が弱ってゆくのは、「夢」を介しての「翼人の記憶の流入」による魂のオーバーフローによって引き起こされる機能障害であろう。
「人の魂」に「翼人の記憶」を収めることは出来ない、「翼人の記憶」を収めるには記憶媒体である「翼(羽)」が必要だからだ。
「翼人」として転生する以上、「人間」である転生体は…必ず早死にする。
例えて言うなら…"そら"というサーバーに在る、"神奈の魂"という1G超のファイルを、"人の身体"という1.4Mフロッピーに転送しようとしている…といった所か。
ほんの一部がフロッピーを満たし…大部分は元の場所にそのまま残り…結局、転送は失敗して…元ファイルは"そら"のサーバーから動けない。
そして…"神奈の魂"を総て転送できる容量を持つモノは…この世には存在しない。
…。
そんな「繰り返し」を終わらせる為には、「翼人の役目」を終わらせる必要がある。
その為には、「星の記憶を担う最後の子には、どうか幸せな記憶を」という条件をクリアしなくてはならない。
その為には、「解呪」が必要最低条件である。
たった一人で、幸せなど、手に入るはずが、無い。

そして7/31の夜…千年分の「叶わぬ願い」と往人の力で…

呪いは、解かれた。

強さの理由
「人間が描けていない」という。
観鈴の「強さの理由」…ソレを得るまでの葛藤、等が描かれていないというのだ。
…本当にそうだろうか?
…我田引水というか…牽強付会というか…ま、つまるところコジツケの「僕的解釈」を述べさせてもらえば…

「強さのわけ」は、強固な「目的意識」ではないだろうか?
国崎の血筋が千年間、強い「目的意識」を持って捜し続け、失い続けてきたように、彼女(達)もまた、「悲しむのは私で最後にしないと」という、「強い目的意識」を持ち続けてきたはずだ。
往人の母親も…「優しくてとても強い子」に出会うと言っている。
恐らく、彼女も彼女の母親から、そう言われていたのだろう。
「転生」と「業」という前提を受け入れるならば、「現世の人格形成における前世の影響」を無視することは出来ない。
つまり彼女(達)は、望むと望まずに関わらず、潜在的に「強く生まれついてしまう」のだ。

もっとも…「強さ」とは常に、どんな場合でも美徳であるとは限らない。
「強さ」は悲しみを長引かせ…物語をよりいっそう、悲惨にするモノでもあるからだ。
ま、ソレすら乗り越えていくのもまた…「強さ」なんだけどね。(笑)


読み方 う〜む…僕やケーキ屋氏が、主に「作品世界の中の事」を話題にしていたのに対して…
sunlightサソは、「外から見たAIR」にこだわっているような感じがするなぁ…
個人的に…ひっかかるトコが無かったから…何故、気になるのかが…解らない…
まぁ…僕は…好きなものに関して、不都合なトコは見えない(気にしない)っていう傾向があるからなぁ…
観測された事実に対して疑問を抱かず、何故、そうなるのかについては、述べられていてさえ、勝手に妄想し納得してしまう…
…ある意味、都合の良い読者だな、僕って。(笑)
作品の価値
「文章」に価値を求める人がいる。
文章が、ある水準以上に達していなければ、読む価値すら無い…という。
確かに…上手な文章には、ただそれだけで価値があるけど…しかし、ソレだけが作品の価値の総てという訳では、決して無い筈だ。

作品自体の責任は作者に帰するが、作品世界というのは、作者と読者の共同構築物だと思う。 作者が材料と設計図を用意し、読者はソレを使って作品世界を組み立てる。
設計図を忠実に再現するも良し、参考程度に留めるも良し、あるいは一顧だにしなくたって良い。
そして…どんな建物になるかは、建ててみないと解らない。
作者にも、読者にも。
材料や設計図が気に入らないからといって見向きもしないのは…非常に、もったいない事だと思う。
作品の価値と言うモノは、完成した建物に在ると思うから…
…。
ただ…気に入らない文章を読まされるっていうのは…耐え難い苦痛であるのも事実なんだよなぁ…(笑)
観鈴の羽根
そのイラストの観鈴には…「羽根」がはえて…いた。
それを見た僕は…承服し難い違和感を覚えた。
…。
観鈴のお話は…「羽根の無いわたし」と、「羽根のあるもう一人のわたし」の物語だ。
ならば、「願望」として、観鈴に羽根を与えることは不自然ではない…とも、思える。
…。
しかし、この物語における「羽根」は…哀しみの象徴であり(かならずしもソレだけではないが)、背負う者にとっての「重荷」として描かれている。
…。
やっと…千年かかってやっと…「翼人の役目」が終わり、「羽根を忘れることが許された」というのに…何故あえて…羽根を?
…。
「羽根」の意味…考えたコト、ないのか?
「あゆ」とは違うってコト、解ってないのか?


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