女性の目 海外事情     

 

 

第2回 高まる体型への関心 

 

●ロシア

 ロシアに住んでいると、この世のものとは思えないほどの美男・美女に出会うこともまれではありません。

 そのスタイルの良さもだいたい二十五歳をピークにして、崩れていくことが多いよです。冬の野菜不足、油分・糖分の摂取過多、運動不足が主な原因のようです。

 太ったロシア人のおばさんの昔の写真を見ると、モデルのような美人だった、ということもよくあります。

ロシア人の若い女性たちが集まると、必ずダイエットの話が出ます。体形に関心を寄せる人が増えているのでしょう。

そんなハバロフスクでいま最もポピュラーなダイエット法はシェイピングと呼ばれるエアロビクスと、負荷をかけての筋肉トレーニングです。ハバロフスク市内だけでも数十もの教室があります。

 

 

 工業大学内にあるシェイピング教室には現在、50人以上が月に百ルーブル約五百七十円を支払い、月曜日から金曜日の都合の良い日に計十回通っています。途中で入会する人も多く、そのたびに先生が初めから教えてくれるわけではありません。各自、見よう見まねで覚えていきます。前半50分のエアロビクス(有酸素運動)だけでもかなりの運動量ですが、後半40分の筋肉トレー二ングで全身の筋肉をくまなく使います。

 プログラムは生徒が飽きないように、毎回少しずつ変えるので、振りを覚えるのに最低1ヵ月はかかります。工業大の学生であれば、体育の授業は免除という特典付きです。

 長年シェイピングを教えているというガリーナ先生(写真中央)は、45歳を過ぎた今でも、ミ二スカートがよくにあいます。

   1998年12月 ハバロフスクにて

 (サンクトペテルブルグ在住―古千谷本町出身 友谷 洋子)

 

 

 第1回 ロシア事情

 足立区民も海外で生活する人が増えてきました。その一人が古千谷本町出身で今は、ロシアの人と結婚し、サンクトペテルブルグ(かつてレニングラード)に在住の友谷洋子さん(26歳)です。

彼女は日刊「赤旗」にときどき「女性の目アラカルト」という記事を書いています。

 今回、東京に久しぶりに帰られ、私のホームページでロシア事情を紹介してくれることになりました。30回くらいの連載にしたいと思います。

 

 ロシア人がよく酒を飲み、よく食べ、そしてよく歌うことは誇張ではありません。

 しかし、ロシア人の甘い物好きと、飲み物はウオッカだけではなく、紅茶(ロシア語ではチャイ)も生活に欠かせないということは、留学するまで知りませんでした。

 ロシア人の友人宅へいくと、かならずといっていいほど、チャイが出てきます。そして、オープンサンド、自家製のジャム、クッキー、あめ、砂糖菓子、ケーキなどが続いて登場します。

もちろん砂糖も忘れません。そして、あれよあれよという間にチャイに砂糖を2〜3杯入れて、甘いお菓子とともにおいしそうに"お茶する"ことになります。

 

 

このように、ロシア人のいう"お茶とは、日本人が香りの良い紅茶自体を味わうというのとは、大きくかけ離れています。紅茶は甘いお菓子とセットになっています。

  しかし、ロシア人が紅茶を飲むというのは、甘いものを食べるためだけではありません。

 「お茶を飲みながらおしゃべりすると、その人の本当の顔が見える」といいます。ですから、お客さんと飲むお茶の量は通常の数倍になります。ロシアの冬の寒さと長さも密接にかかわっているようです。

 先日、寒い日に口シア人のうちでお茶をごちそうになりました。明け方まで話しこみ、二人で結局四リットル以上のお茶を飲んでいました。

 甘い物をとらない私も、紅茶といっしょにいただく友人の母親お手製のピローグ (パイ)だけは、唯一の例外として、喜んでロシア人の仲間に加わっています。

 1998年10月 ハバロフスクにて

 (サンクトペテルブルグ在住―古千谷本町出身 友谷 洋子)

 

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