蝶ケ岳(途中撤退)









12月30日 雪

沢渡の駐車場で6時半にタクシーを予約。雪が降っていた。

釜トンネルから歩き始め。雪の降る中を上高地バスターミナルへ。人気のない
河童橋を見ながら明神へ向かう。湿ったみぞれのような雪でジャケットもザッ
クも濡れ、寒さが際立つ感じがする。

明神から先、徳本峠への分岐を入り、途中からワカン装着。深くなってくる雪
を交替でラッセルして徳本峠を目指す。釜トンネル入口で、今年は雪が少ない
と聞いていたけど結構深い。しかも湿った重い雪でラッセルが重い。夏道通り
に進んだが、徳本峠到着はちょっと遅くなった。峠を吹き抜ける風が強く、風
をよけてテントを設営する。

(タイム)
7:07 釜トンネル〜9:26 上高地BT〜10:42 明神〜16:19 徳本峠



12月31日 雪/晴れ

朝からワカン装着して出発。

出足から雪が深い。そして重い。本日は冬型が強まり大荒れの予報だったが、
樹林帯はほとんど影響なく、淡々と交替しながらラッセルをする。昨日、張り
切ってラッセルした北原さんが最後の方でちょっと弱ってしまったため、本日
のテーマは「頑張りすぎないラッセル」。こまめに交替しながら進む。

夏道のある登山道なので、ルートを逸れるとヤブっぽくなるのですぐに気づく。
とは言っても登山道は雪に埋まっており、登山道が尾根を巻いて下っているよ
うなところでテープもなくルートを失い、GPSと地形図を見比べながら尾根
上の藪の中をラッセルしてルート回復するような場面もあった。

尾根上には1キロごとに大滝槍見台までの標識があり、大体、1キロ進むのに
2〜2.5時間かかった。途中から、蝶に抜けるのは無理だなぁと思い始める。
進めるだけ進んで風の当たりの少なそうなところで行動終了する。

(タイム)
7:53 徳本峠〜14:53 テント場



1月1日 晴れ/雪

本日は、テント撤収してテント装備はデポ。日帰り装備で大滝槍見台を目指す。
朝から天気が良く、樹間から差し込む御来光を浴びて出発。

ほとんどラッセルトレーニングで、ひたすらにラッセル。2回くらい登山道を
見失うが、無事に回復。4時間ラッセルして大滝槍見台に到着。立派なヤグラ
が建てられているが、雪が降り始めており、登ってみるが展望はなし。

残念だけど仕方ない。帰りは自分たちのトレースを辿り、思ったより早くテン
ト場に着いた。雪が強くなってきて、テントを撤収してなかったらここでもう
1泊…となったかもしれないが、撤収してあったので、装備を回収してもう少
し戻っておく。「明神見晴らし」の登り返しを今日のうちにこなしておけば明
日が少しはラクになるだろうとの判断。

結果的には1ピッチ分稼いだだけだったが、そこより先は風が強くなりそうだっ
たので、静かなところで行動終了。

(タイム)
7:25 テント場〜11:20 大滝槍見台〜12:37 テント場(装備回収)〜14:00 テント場



1月2日 晴れ

本日は下山だが早めに行動開始。2日前のトレースはほぼ残っていたが、風が
強く当たるところでは埋まっており、ラッセルとなる。徳本峠は他に人が入っ
た形跡はなく、日当たりは良いが強風が吹き抜ける。ウェストンが見た穂高は
ガスの中で展望なし。徳本峠より下のトレースはほとんど埋まっていたが、軽
い新雪が積もっていたため、特に苦労もなく進む。途中、明神の北側のガスが
晴れたが、イマイチ山がよく分からない。前穂北尾根八峰か屏風の頭か?

明神まで下ると明神岳が姿を現す。あとは上高地BT、大正池と林道を淡々を
歩き、大正池でタクシーの運転手さんに連絡を入れ、釜トンネルからタクシー
で沢渡に戻った。

(タイム)
6:54 テント場〜8:42 徳本峠〜11:38 明神〜13:37 大正池〜14:41 釜トンネル



【感想】
今回のメンバーのうち、北原さんは、12月の雪上訓練で雪山デビューし、今
回は初めての冬山となったわけだが、登頂なし、展望なし、終始ラッセルとい
う泥くさい冬山デビューとなってしまった。鈴木さんは去年、聖岳東尾根から
聖岳に登頂しているので、やはり日程の割りにぱっとしない2回目の冬山の印
象だったと思うが、自分的には十分に充実感があった。

今山行で一番驚いたのが、北原さんに荷物の重さだった。2日目の行動終了後
に、ザックを動かそうと持ったとき、えぇ!?こんなの背負って登ってたの!?
とびっくりした。ザックの中からは普通より大きなモバイルバッテリーが出て
きたり、初めての冬山だから心配で80リットルのザックに色々と詰めてきた
らしいけど…軽量化したら恐るべき機動力を発揮するのでは!?と思った。