9月20日(日) 晴れ 夏山で行けなかった伊藤新道に、松野さんとリベンジする計画に杉浦さんを誘うが、松野さん が仕事で行けなくなり、坂野氏を誘って3人で出掛けた。 今回は高瀬ダムまでタクシーで上がろうと目論み、タクシー会社に問い合わせると、七倉駐車 場は満車だから七倉ダムの駐車場に停めるよう言われる。しかし帰った車もあるかも知れない と七倉駐車場まで行ってみるがやはり満車。七倉ダムまで戻るも、特に何の表示もなく分かり にくかった。 タクシーは特に予約しなくても6時くらいからやって来て、乗り合わせも上手く4人集めて高瀬 ダムまで運んでくれる。七倉ダムからだと3000円。 高瀬ダムのダム湖脇の林道を歩きながら、夏山の時よりは水が少ないなと思う。晴嵐荘には 夏山の時よりたくさんテントが張られていた。夏山ではここに泊まったが、テント代と別に500 円払うと、翌朝まで小屋の温泉に入り放題だった(自分は3回入った)。今回は通過し、先へ 進む。 春山の時には片側が落ちていた吊り橋は、夏山の時には既に直っていた。その吊り橋を渡り、 噴湯丘の所で沢靴を履く。最初の渡渉から結構水流がきつい。それでも夏山で近づけなかった 噴湯丘の傍に行き、最初のミッション達成♪
なんて浮かれていたのは最初だけで、やはり水量が多い。9月は雨が多かったが、ここ数日 天気が良かったので水は引いているかと期待したが、山の保水力は侮れない。それともこれが 平水なのだろうか…。
渡渉困難な箇所では坂野氏にサポートしてもらって渡る。
杉浦さんとスクラム渡渉をしてみたり、水流に負けて流され坂野氏に拾ってもらったり、びしょ 濡れ。想像以上に厳しい。日向は暖かいが、日陰に入ると寒い。
坂野氏のアグレッシブな突破に続き、ロープを着けて流されること前提でジャンプしたり(この 突破法は『登山時報』の記録で「流され渡渉法」と名づけられていた)、杉浦さんはストックを 川に「奉納」してしまったり苦労して、何とかワリモ沢出合。
この後、水量が減ることを期待するが、そんなことはなく、この先、伊藤新道の取付きがある はずなのだが、崩壊した斜面ばかり。1か所、ステンレス製のような何かの残骸が対岸にあっ たが、わざわざ渡渉して確認しに行く余裕がなかった。後から写真や時間、地形などを検証 すると、その辺りが取付きだったのかもしれない。
平坦に広くなってきた河原を歩いていると、テントが張られていた。外にいた人に、どこまで 行くつもりか聞かれ、赤沢出合の辺りと答えると、前方の谷を指してあれが赤沢だと言われ た。自分たちもここで行動終了することにして、少し上の平らな所にテントを張る。斜面に近く、 落石が転がっていて、100%安全な場所ではなかったので、夜は神経が高ぶってよく寝られ なかった。水は近くの滝から真水が取れた(試飲してないが、本流の水は酸性度が高いらしい)。
(タイム) 6:25 高瀬ダム〜8:52 湯俣〜11:20 第一吊橋跡〜14:24 ワリモ沢出合〜15:50 テント場 9月21日(月) 晴れ 3時に起床。朝イチ、濡れた沢靴を履いてスタート。湯俣川を渡って赤沢左岸の斜面に取りつく。 足元の悪い斜面を上がると今度は笹の藪漕ぎ。
振り向けば硫黄尾根が姿を現してきた。
20分も登ると踏み跡に出た。伊藤新道に合流できたようだ。藪から解放されてホッとする。踏み 跡を追い、残置ロープのある足場の悪い斜面を赤沢に下りる。赤沢を渡り、反対側の斜面取付 の目印である青いホースのある所で沢靴から登山靴に履き替えながら休憩していると、昨日の 終盤に自分たちを追い越して行った男女5人組が赤沢を登ってきた。 それを見た坂野氏がぼそりと「赤沢を登った方がラクだったかもしれませんね…」と呟く。向こうは ルートがよく分からず取り敢えず赤沢を登ってきたとのことだったが。 ここからは登山道と言っていいくらいの明瞭な踏み跡を登る。最初は急登で高度を稼ぐ。硫黄尾 根の向こうに槍ヶ岳が姿を現した。
高度を上げると紅葉が見られるようになり、三俣山荘へのトラバースの辺りがきれいだった。
いろいろ考えて、本日は三俣山荘で行動終了。まだお昼なのにテント場にはすごい数のテントが あって、小屋は2枚の布団に5人とか。午後にかけてまだ増えそうだが、取り敢えず落石の心配の ない安全地帯で昼寝などしてまったりとした午後の時間を過ごした。ちなみに三俣山荘ではビー ルもジュースも売切れだった。
(タイム) 5:20 テント場〜6:43 赤沢〜10:15「庭園」〜11:33 三俣山荘 9月22日(火) 晴れ テントの受付の時に、朝はトイレが混むと言われたので2時起床、4時前に小屋のトイレに行くと 既に行列ができていた。30分待った。 予定より30分遅れて出発。今日は長丁場なのでこの遅れは痛いが焦らずに進む。鷲羽岳への 急登をヘッドライトの灯りを頼りに登る。途中で日の出を迎える。
ここから水晶小屋までは自分は初めて歩くので楽しみだったが、殺風景でそんなに楽しい縦走 路でもなかった。烏帽子小屋にもう1泊するなら水晶岳も行けるが、本日下山予定なのでパス。 水晶小屋から岩々した登山道を東沢乗越へと下る。伊藤新道の渡渉で打ちのめされていながら も、東沢への思いが再燃する。 天気が良くて、槍ヶ岳、硫黄尾根、東沢、五郎池…見たいものが全て見える。紅葉もきれい。
竹村新道分岐を見送り(夏山でここを登り、わりとアップダウンがあって下山には使いたくない と思ったので、今回は展望のいい稜線を歩いてブナ立尾根を下りることにした)、野口五郎岳 に登る。少し下った所にある野口五郎小屋でジュースでも買いたいと思うも、売り切れて牛乳 しかないとのこと。牛乳はちょっと違うと思い、烏帽子小屋に期待する。
三ツ岳を巻くと眼下に高瀬ダムのダム湖が見えた。烏帽子岳のテント場は閑散としていて、 連休終盤を思わせた。烏帽子小屋ではトロピカーナを買うことができた。2ピッチでブナ立尾根 を下り、高瀬ダムまでのんびりと戻った。 (タイム) 4:30 三俣山荘〜5:37 鷲羽岳〜7:35 水晶小屋〜10:28 野口五郎岳〜13:29 烏帽子小屋〜 16:53 高瀬ダム |