小蓮華尾根


L:坂野、佐々木、久保田J、大山







3月19日(土) 雨

金曜日の夜、浜松出発から雨。出発前からモチベーションは上がらない。仮眠予定の
道の駅「白馬」には駐車する車も多く雨も降っており、車の中で仮眠する。

朝、猿倉へ向かう林道に進み、ゲート脇のスペースに駐車して出発。雨は小雨程度で
恐れたほどの降りにはならなかった。ゲートを入るとすぐに路面には積雪があった。
最初はつぼ足で歩くが歩きにくく、20分も行かないうちにワカンを着ける。

猿倉まで3ピッチ。そこから更に雪深い林道を歩く。




1ピッチ強で、リーダー&佐々木さんが、正月に尾根に取り付く際に1mジャンプしたと
いう渡渉。それは絶対無理!と思っていたが、幸い、沢は雪で埋まっていた。




それでもすぐ下流では流れが出ていたし、上流でも沢の流れはあったので、真ん中付
近の通過は気持ち悪い。

尾根に取付く際も、どかんと雪が落ちてきたら怖いような急斜面に取付き、上部にカモ
シカがいるのに歓声を上げたのも束の間、奴が起こしたと思われる小規模な雪崩の流
れる小さな谷地形を横切り尾根末端に取り付く。

尾根に取付いて急斜面を登ること1ピッチ強で1750m付近の台地に上がり、再び傾
斜がきつくなる手前で初日の行動終了。


(タイム)
7:46 ゲート〜10:48 猿倉〜 12:45 沢に下りる〜14:53 テント場




3月20日(日) 晴れ

朝、テント周辺はガスが濃かったが、出だしの急斜面を登りきるとガスが切れて白馬岳
が見えた。2000mより上は晴れているようだ。





基本は尾根上を進むところ、雪庇などで行けないところは西側を巻く。尾根上にも大きく
穴が開いている段差を越えたり、短い雪壁があったり、雪が腐ってくる下りのことを心配
しながら登る。2200m付近でライチョウ発見。近づこうとすると逃げるので、近くでは撮
れなかった。


精一杯のズームで撮影


尾根上を3ピッチ登り、稜線に向けての4ピッチ目。




稜線の少し下に短い岩場があり、そこでJさんが体調不良となる。脱水によるものか、
手に力が入らないと言う。水分補給をしてしばらく様子をみるが、結局そこで待機と
なる。

岩場を回り込んで急な雪壁を登るとあとは広い斜面を登って稜線に抜ける。




稜線

白馬大池方面


稜線に出て白馬岳方面に向きを変える。すぐ先にあるピークを越えるとさらにその先に
まだピークがある。




小蓮華山の山頂部分は雪がなく、風が強い地帯なのかなと思う。


白馬岳方面


来た道を戻り、稜線下の急斜面を慎重に下る。Jさんと合流して下山。白馬主稜のライ
ンが美しいが、ガスが上がってきて下の方は見えなくなっている。




下りは、上りの足跡を追うだけのはずだが…ちょっと上りとはラインを変えて下りやす
い斜面を下っている模様。途中、上りのアイゼンの跡を確認する。しかしその後、上り
で出てきた悪場が出てこないままどんどん標高を下げ、先頭が止まった。

ここで佐々木さんのGPSが登場し、現在地を確認したところ、本来のルートから西に
ずれていることが判明し、斜面をトラバースして行く。途中、佐々木さんのプチ滑落も
あったが無事にルートを回復。結局、上りの1ピッチ目まで戻っており、上りで悪かっ
た所は全部巻いたかたちとなった。

上部は雪面も固くて、アイゼンの歯の跡くらいしか残らない場所もあり、より注意が
必要だった。後ろを行く者も、疑問を感じたらコンパスを出す必要があった。トラバー
スした所は幸い、雪崩を除けば危険な個所もなくルート回復できた。

ルート回復後はガスの中に入って視界も悪いなか、慎重にトレースを辿る。途中から
自分たちのトレースに混じった大きな動物の足跡が邪魔をする。待てよ、この大きさ
は熊では!?と話したとき、突然佐々木さんが大きな声を出して仰天する。何事かと
思ったら、すぐ近くで唸り声がしたとか言うし、完全にビビッて、笛を吹き鳴らしながら
下る。オスプレーのザックのチェストベルトの笛が最近役に立つ。

間もなくテントにも無事帰還。


(タイム)
5:55 テント場〜10:47 Jさん待機〜11:11 稜線〜 11:31 小蓮華岳〜12:12 Jさん合流
〜14:50 テント場




3月21日(月) 曇り

夜に雪が降った模様だが、トレースが埋まるほどではなかった。ガスで真っ白な中を
下山開始。




1ピッチで沢まで下り、林道を3ピッチでゲートに戻る。温泉は近くの「倉下の湯」へ。
佐々木さんのスマホで開店時間を調べてもらい、ぴったりの時間に行くことができた。

佐々木さんのハイテク(表現が旧い?^-^;)登山には感心した。


(タイム)

6:32 テント場〜8:02 猿倉〜9:30 ゲート