越百山











4月20日(土) 晴れ

春山に向けてのトレーニング

道の駅大桑で1時間程度仮眠し、伊奈川ダムの駐車場へ向かう。しかし林道は
もみじ荘(廃墟)の先の橋で通行止めだった。以前もここで通行止めだったこ
とがあり、その時は橋に小さな穴が空いているだけだった。今回も大げさな通
行止めだろうと思いながら歩いて行くと、伊奈川ダムから先のケサ沢沿いの林
道が大変なことになっていた。

登山者用駐車場に看板があって、去年8月の豪雨による被害だと分かった。福
トチ沢沿いにあった越百の登山口への道も削られたようになくなっていた。こ
の辺り、フキノトウ畑になっていたのに、今年は何もなかった。

手前の涸沢を少し登って巻き道が作られており、登山道に合流する。

しばらくは雪のない登山道を登るが、「下のコル」で尾根に乗ると雪が出て来
た。氷になって登山道を覆っている箇所もあり、今シーズン導入のチェーンス
パイクを着ける。雪が増えて傾斜が出てくると前爪のあるアイゼンの方が登り
やすいので付け替える。

樹間に隣の南駒ヶ岳の尾根が見えてくる。明日が日曜出勤でなければ柴田チー
ムの1泊2日南駒計画に入るはずだったのに…と思いながら尾根に目を凝らす。

さらに登ると雪が増え、トレースもワカンのものに変わる。気温が高くて緩ん
だ雪で踏み抜くようになるが、ワカンは車に置いてきてしまった。今年は雪が
少ないと思って油断した。1カ月前の将棋ノ頭山の失敗を繰り返してしまった。
越百小屋手前のピークからの下りも深く踏み抜きながら下り、越百小屋に着い
て12時近くだった。そしてトレースはここまでだった。

13時をリミットに考えていたので、どうしようか迷ったが、トレーニングで
もあるし、出掛ける前に見てきた「みんなで筋肉体操」の講師の「筋肉を追い
込め!」のフレーズが頭に響き、先へ進む。

樹林帯にはうっすらとトレースの跡が残る。そんなに深い沈みこみはないが、
ここまでで結構足にきており、3回くらい足がつって痛みが去るまで悶絶した。
積雪期にこのルートからの越百は、過去に登頂2回、敗退3回の実績であり、
つった足をさすりながらもやはり登頂したいと思う。

樹林を抜けると視界が開け、雪の表面も多少固くなり歩きやすくなる。13時
を過ぎたが、春山トレーニングなのに雪稜を前にして引き返す選択肢はなく、
何度も来ているルートであるので、帰りがヘッデンになっても登頂を優先する。

ケサ沢側への滑落に注意し、反対側の雪庇にも注意を払いながらルートを選び、
無事に3回目の登頂を果たす。山頂からは南アルプスの眺めがよかった。

帰りは滑落に注意しながら雪稜を歩き、樹林帯は雪が更に緩んで歩きにくかっ
た。越百小屋まで戻ると単独の男性が登ってきたところだった。ワカンを着け
ていた。越百小屋からの登り返しは想像したとおりにきつかった。その後の下
りも、踏み抜き祭り。もう一人、単独の男性が登ってくるのとすれ違い(この
人もワカン着けてた…)、何とか暗くなる前に車に戻ることができた。


(タイム)
5:40 駐車場〜7:03 登山口〜11:42越百小屋〜13:41 越百山〜14:34 越百小屋〜
17:26 登山口〜18:35 駐車場