栃ノ木沢








7月13日(土) 曇り

今年の沢はじめ。天気も不安定なので、近場の栃ノ木沢へ出かけた。

鳳来湖から栃ノ木沢沿いの林道に入ると道幅が更に狭くなり、釣り人
と思われる路肩駐車も目立つ。下山に使う登山道の入り口の駐車場に
停める。

駐車場の脇から入渓する。早速ナメ歩きから始まり、適度な水量の中
を快適に歩く。春山からほとんど運動をしていないので、やや息が上
がりがち。

滝が出てくる。小さな滝を2回、ショルダーで越え、無理なのは巻い
てこなしていき、1時間半弱で大きな滝に出る。前回登った滝を今回
は設楽さんにリードしてもらおうと思っていたのだが、7年前の記憶
が曖昧で、もうちょっと開けた場所だった気がして、何か違うな、と
思い、巻いてしまった。しかし巻きながら、こんな高巻きをした記憶
はないからやっぱあの滝だったか…と思ったが後の祭り。どちらにし
ても水量が多かったので、今回はやめて正解だったろうけど。

丁度いい具合に滝の落ち口の辺りに出ると、また穏やかな渓相になる。
20分くらい歩いて二俣。明神山のピークに行くので、左俣を進む。
右俣を行くと下山の登山道に当たり、早く切り上げられそうだ。

水量の少なくなっていく沢を詰めて30分ほど。そろそろ登山道では
と言っていたら、目の前に登山道が横切っていた。遡行終了。2時間
半弱。ちょっと物足りない。

沢装備を解き始めると、突然、「ひやぁーーーー!!!」と今まで聞
いたことのない設楽さんの悲鳴と、叫びながらその場を走り回るよう
な、これまた見たことのないくらい慌てている設楽さんの姿。

ヒルが3匹、設楽さんの右足に付いていた。1匹は血を吸っている。
塩を持っていないので、ライターであぶり、石で擦り落とす。自分も
点検してみたが、取り敢えず、付いていないみたい。ヒルの忌避剤
(ジョニー)は持っていたが、どのみち沢に入ったら落ちてしまうと
思ってスプレーしていなかった。

ここから登山道なので、厳重にスプレーする。大分前に買ったジョニ
ーなので、効果に疑問あり、設楽さんから落ちたヒルが平たい石の上
で立って踊っていたので、試しにジョニーをかけてみた。塩ほどの即
効性はなかったが、効果はあった。

明神山まで急登の登山道。自分が先に歩くが、しばらくすると設楽さ
んが後ろから「ヒルがいた!」「またヒル!」と言っているが、自分
の足元をみても分からない。先頭がヒルを起こし、二番手以降が危な
いというのは本当みたい。先頭交代するか聞いてみるけど、いいと言
うので、そのまま。

1時間弱で明神山に到着。展望台に登って休憩後、ジョニーをスプレー
し直して下山にかかる。来た道を戻り、沢の終了地点へ。そこから更
に続く登山道を下り、鬼岩の分岐を過ぎるとやや道が荒れてきたよう
な…。進んで行くと、岩場でルートが不明瞭に。GPSを確認すると、
地形図の登山道よりだいぶ下の方を通っている。フィックスロープな
どもあったので実際の登山道はこっちなんだろうと思い、方向は合っ
ているので、何となくの踏み跡を下りて行くと、明瞭な登山道につな
がった。栃ノ木沢に架かる橋を渡って駐車場へ。

そこで再び設楽さんの悲鳴が響く。ズボンの裾や靴に、小さなヒルが
多数ついていた。今度は設楽さんも怯えながらもジョニーで自ら処理
する余裕が出ていた。それを横目に、自分も濡れたズボンを脱いだと
ころ、タイツの上に大きめのヒルが一匹…!驚いて、わぁっ!と声が
出た。地面に落としてジョニーをかけておいた。

これまで何回か奥三河の沢には来ているが、こんなにヒルがいたのは
初めてだった。気温はそれほど高くなかったが、高い湿度に誘われて
ヒルが活性化したのだろうか。設楽さんにとっては、ヒルの衝撃が沢
の印象を凌駕してしまったようだった。


(タイム)
6:47 駐車場、すぐ入渓〜8:05 大滝〜9:12 遡行終了(登山道)〜
10:31 明神山〜12:30 駐車場