12月30日(雪) 当初の計画は木曽駒ケ岳から空木岳までの縦走だったが、出発数日前にバスの時刻を調べようと したところ思いがけない情報が入る。12月に入っての大雪でロープウェイの通信設備が壊れて運休、 バスも街の外れで折り返しとのこと。計画を空木岳ピストンに変えて出発する。 天気予報は芳しくなく、雪も多そう。年越し山行のつもりだったけど年内で下りてくるかも?と思いな がらスキー場の駐車場へ。支度をしているとスキー場の係員から日帰りでなければロープウェイの 駐車場へ止めるよう指示される。 踏んだり蹴ったりと思いながら、荷物を置いて菅ノ台の駐車場へ車を置きに行く。まぁ駐車場から 歩いても10分くらいだったけど。 雪の降る中、樹林帯を登る。前方に男女二人組あり。トレースは先に入山した人のものがある。その 二人組を追い越した後、下ってくる年配男性のグループもあって格段に歩きやすくなる。 トレースは池山を巻かずに登っている。前方に4人組を確認。休憩している間に、すごい勢いで単独 男性が通過して行った。池山山頂で4人組に追いつくが、その先、先ほど通過した男性が行っている はずなのに風の強いところでは既にトレースが消えていた。 池山小屋の辺りは風が強く、雪が横殴りに吹き付けてくる。小屋の中に4人組がいるのを確認したが、 中には入らず先に進む。 |
小屋の周辺はトレースが消えていたが、少し行くと左に行くトレースがあった。しかし思っている進行 方向と違うため、1920ピークに直登系で交替でラッセルを始める。途中に所どころテープもあり、 1時間くらいラッセルしたところで、上の方を下っている人を発見した。その歩き方がどうもトレースを 歩いているような歩き方で…。 「トレースあるみたいだよ」と少し脱力しながら、最後は松野さんのラッセルでトレースに合流する。 さっきのトレースを左に行けばラッセルの必要はなかったのかも。 ラッセルした方が冬山らしくていいよと強がりながらトレースを辿り、平らになった樹林の中にテントを 張る。 |
(タイム) 8:36 スキー場 〜 10:05 林道終点 〜 11:46 池山 〜 12:35 池山小屋 〜 14:00 テント場(1900m付近) 12月31日(晴れ/曇り) 元日は荒れる予報なのでチャンスは今日一日。テントはデポして日帰り装備で行けるところまでの予定。 ヘッドライトを点けて支度しているとテントの少し上を登って行く人がいた。昨日の4人組だろうか。 昨日のトレースはすっかり埋まっていたので、朝いちから樹林帯をラッセルし、先ほどの人たちより前に 尾根に出た。人数が3人になっている。昨日遅れていた1人を、小屋にデポしてきたのだろうか。 そこからは後になり先になりでラッセルしながら進む。2080ピークを下ったところでアイゼンに履き替え る。登った先の鎖場の辺りでアイゼンに履き替えている3人組を追い越し、懸案のルンゼに出た。 2282ピークを左に巻くのか、右側のルンゼを直登するのか考えていたが、現場に着くと春でも悪かった 巻道は一瞬で選択肢から消えた。一方のルンゼには冬ルートの目印にピンクテープも付いている。トレー スはなかったのでロープを着けて登る。 |
そんな不安定な雪には思えなかったが、やはり流心にあたる所は避けたい気分。しかし流心部分が 登りやすいので結局そこを登ることになる。雪が深くラッセルがあまり速くできなくて抜けるのに20分 くらいかかった。 ロープを回収している間に松野さんがその先のトラバースを進み、ヨナ沢の頭のコルに抜ける。春だっ たらここまで1日なんだけどなぁ… その先で輪かんに履き替えるときに3人組と一緒になり、お互い、登頂はムリだからどこまで行動する かという話になりこちらは13時で時間を切ると伝える。11時40分くらいに3人組が行動を終了。こち らも帰りの時間を考えたら13時では少し遅いかもということで、展望が開けたら終わりにしようと先に 進む。 やがて2528ピークを遠くに望む細い尾根に出て、ここでキリにする。 |
トレースを引き返し、ヨナ沢の頭のコルからのトラバースでロープを出し、ルンゼでは感じの悪い学生 風の4人組が登ってくるのを避けて懸垂下降する。2080ピークのコルに下りるところで再び懸垂。 2080ピークのちょっとした登り返しがきつくて、早めにキリしてよかったと思う。 テント周辺には新しいトレースができていて明日の下山に利用できると思った。 (タイム) 6:19 テント場 〜 8:45 ルンゼ取付 〜 11:55 終了(2420付近) 〜 15:20 テント場 1月1日(雪) お正月らしく朝はお餅を煮る。テント撤収時、雪はそれほどひどくなく、大荒れの予報はどこへやらと いう気分だったが、高度計を見ると昨日より70mくらい標高が上がっている。気圧は下がっているよ うだ。 トレースはまだ残っていて、初日に自分たちが直登系で付けたトレースも、そのあと利用した人がい たらしくしっかり残っていた。池山小屋から先も、朝に下山した人のトレースを辿って下山する。 駐車場周辺も一面真っ白。元日で温泉が心配だったが、こまくさの湯が正月から開いていて温まっ て帰路に着くことができた。 (タイム) 7:37 テント場 〜 8:40 池山 〜 9:54 登山口 〜 10:09 菅ノ台駐車場 |
帰りの駒ヶ岳SAでは、お昼ごはんの間に停めた1時間くらいで数cmの雪が積もり、フロントガラスが 白く埋まってしまうくらいだった。 |