五藤光学 8cmセミアポ鏡筒F15

1970年代、タカハシのセミアポに続いて各メーカーからも様々なタイプの高性能鏡筒が販売された。これは、既にアマチュア用の望遠鏡の製造をやめてしまった五藤光学のセミアポタイプの鏡筒。F15という長焦点鏡であるため、昨今の短焦点アポに匹敵するあるいはそれを上回ると思えるような見え味を示す高性能鏡筒だ。

当時の五藤はセミアポとアポそれぞれにF15, F12, F6.25だったか?(詳細失念)3種類の鏡筒を用意していた。また、アポは標準の2枚玉とスパーアポと称する3枚玉のモノがあったように記憶しているが、こちらはそれぞれに異なったF値のものが存在したかどうかは覚えていない。何れにしても、このシリーズのアポはいったいどれ程の性能だったか、いちど見てみたいものだ。それほど、このセミアポも驚くべき優れた結像性能を示す。

リゲル,カストル,琴座εダブルダブルは当然ながら余裕で分離。春先の良好なシーイング条件下では,口径cmあたり40倍に迫るTMB SuperMono 4mm 300倍で見るカストルは素晴らしい分離状態で,明瞭なエアリーディスクとその周囲の淡い12本のジフラクションリングが重なり合う姿は素晴らしく,まるで月刊天文の二重星の図を見るようだ。また,木星のうねうねとした縞模様や土星の輪のカッシーニが全周にわたってくっきりと黒い切れ込みが見える。ただ,8cmの限界も当然あり,良いシーイングの時には大口径の望遠鏡には到底及ばない。また,倍率を上げるとどうしても暗くなるが,シーイングに左右され難いのは8cmの美点か?

Last Update: 2004/08

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