カートン(Carton) GEN 28mm

GEN10.5mm16.8mmはたいへん優秀な光学性能であっが,28mmはやや設計思想が異なるようで像質もやや落ちるが、基本的には10.5mm16.8mmと共通する像質である。視野は56度で他のGENよりも狭いが、アメリカンサイズとしては限界の広さである。その像質は、惑星や輝星には盛大なゴーストが発生してあまり気持ちの良いものではない。レンズ面を見ると双眼鏡のレンズに施されているルビーコートのようなコーティング面が存在する(もう少し反射は少ないが・・・)。そのためか?視野に着色があってやや暖色に傾く。アクロマート屈折では青の色収差が目立たない利点もあるが、何を狙ったのか設計思想がまったく不明だ。また,アイレンズのコーティングが弱く,特に強くクリーニングしたわけではないが,すぐに傷がついてしまった。そうはいっても,いろいろ注文はあるものの,この28mmでさえも一般的なプローセルやケルナー,あるいはエルフレのレベルは十分に超えており,コーティングの質以外は、像面の平坦さ,歪曲,星像の乱れなど何れも焦点距離28mm準広角(56)アイピースとしては十分に及第点を与えることが出来る。当時の定価(17000円?)に相応する性能であるかどうかは微妙なところ。

このアイピースはいちど手放したが,やはりこのスリムさと28mm56度というスペック,またゴーストさえ除けばその他は十分に高性能なので,某望遠鏡店のデッドストックを破格の値段で購入した経緯がある。カートンがアマチュア用望遠鏡製造で,まだ元気があった頃のアイピースのGENシリーズは私のお気に入りだ。                        (2004/08

しかしながら,オリンパスの顕微鏡用のアイピース(25mm相当)との比較では,こちらが焦点距離が長いにもかかわらず,視野が暗い(透過率が低い)という事実が判明して,結局のところ手放すことに。GENは都合3本購入したが,いずれももう手元にない。       (2005/02)

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