NOAH
Autumun Navigate ’06
2006 10・29 Nippon Budokan
君達も「聖戦」と呼ばれる戦いの領域を目指すのか!?
今年6度目の武道館!
前回の武道館大会で秋山に挑戦した丸藤がまさかの勝利でGHC奪取。
小橋不在の状況が招いたのであろう、新世代の波が一気にNOAHにやってきた。
今宵は丸藤の2度目のGHC防衛戦。
だが、初防衛戦は海外で行われた為、実質的には初防衛戦に等しい。
そんな中、挑戦者として王者が指名したのはKENTA。
記憶に新しい、今年1月の武道館での熱戦再びか!
舞台をヘビー級タイトル戦に変え、再びこの両者が激突する!
試合開始時刻となり、オープニングセレモニーが開始。
ぶっちゃけ、今日の武道館はメイン以外のカードが酷い。
テーマ性が全く感じられないようなタッグマッチばかり。
メイン一本で勝負してるのが丸分かりな武道館大会。
軽く思い出すと、こんなのはメインが三沢小橋戦だった頃
まで遡るんじゃないかってくらいアンダーカードが弱い。
逆に言えば、それだけNOAHが丸藤KENTA戦への信頼感と期待を持っている裏返しか。
ファンとしてはもうちょっと努力してアンダーもいいカード組めよ。ってのが本音・・・
スコーピオ。噂では今後はNOAHから離れWWE−ECWマットに参戦するらしい。
日本で勇姿を見るのは当分サヨナラかもしれない。
今回初来日、噂の新外国人選手、アーレス。
小橋がドイツ遠征に行った時にシングルマッチをした選手ですね。
入場はスーツ、試合の時もワイシャツにネクタイ姿のまま戦っていました。
コミカルな動きもあり、なかなか面白い選手でした。
フィニッシュのタイガードライバーもビシッと決めてくれました。
中略して、一気にメイン。
メインイベント GHCヘビー級選手権試合
王者 丸藤 VS KENTA 挑戦者
ついにこの両者が武道館、しかもGHCヘビーのメインで激突する日が来た。
思ったよりもかなり(数年)早くこの日が来たな、というのが正直な感想。
Jr同士の選手によるGHCヘビー級のタイトル戦。賛否両論はかなりある。
その上、何故今KENTAが挑戦できる?とそのタイミングにも対しても賛否両論だ。
自分も、KENTAがここで挑戦するのは実績不足だと懐疑的。
だが、戦前のKENTAのコメントで、本人もその点について感じている事と、
「三冠ヘビーからの流れも受け継ぐGHCのタイトルには、
華麗な技だけじゃなく激しさが必要不可欠。それを丸藤さんは全然出せてないし、出せないと思う。」
この発言を聞いて自分はKENTAを認める気持ちにスイッチした感じ。
これだけの心構えがあるなら、挑戦者としての資質に文句は付けたくない。
両選手に見せてもらおう、そのGHCの重みをどれだけ理解し、戦うのかを・・・!
両選手が入場!
いきなり睨み合い!
そして、選手コールの後、試合開始!!
序盤は静かな展開。
ロープワークから腕の取り合いの攻防。
試合は中盤。
丸藤が鉄柵外に居るKENTAへ向かって決死のケブラーダを敢行!
リングに戻りコーナーから追撃を狙う丸藤を止めるKENTA。
鼻から流血が見られるが、闘志は衰えない。
場外花道での攻防。
ブレーンバスターを切り返したKENTAが断崖ジャーマンを狙い、後方へ投げるも丸藤が着地。
そして場外での不知火を逆に狙うもこれをKENTAも回避。高度な攻防。
試合は終盤。コーナーで雪崩式不知火を巡っての攻防。
これを制したKENTAがなんとここから雪崩式タイガースープレックス!!!
丸藤、これを辛うじてカウント2.9でクリア。
KENTAがラッシュ!GO 2 SLEEPを完璧に決めて見せた!
しかし、丸藤が巧みにロープ際まで吹っ飛び、カウント2.9でロープブレイク。
KENTAのミドルキック、ハイキックをかわして丸藤がトラースキック。
的確に即頭部にこれをヒットさせる。さらにトラースキックを連発。
KENTAの動きを止める。
そして、雪崩式裏不知火!
パーフェクトに決まった一撃だったが、これもKENTAはカウント2.9でクリア!
ならばと丸藤、アピールをして・・・予告していた新技を投入!
腕をクラッチしての変形ファルコンアローでKENTAを垂直にマットに突き刺した!
カウント3。粘るKENTAを振り切り、丸藤が2度目の王座防衛に成功した。
まさに死闘。Jrらしい高速な展開の攻防あり、
四天王プロレスのテイストあり、GHC戦線で紡がれてきた攻防があり。
この二人、偉大なる先輩たちのプロレスをちゃんと受け継いでいる。
大歓声の場内。声援に応える丸藤。
丸藤が退場し、最後にバズーカから紙テープが乱舞し、大会は終了。
大会の総括、まとめ。
正直、メインまでは前述した通り、武道館のカードとしては弱いものばかり。
メインに向けて徐々に沸騰して行くいつもの武道館ではないのが少し寂しい感じでした。
もちろん、選手達はそんな中、好ファイトを繰り広げていましたが。
ただ、ねぇ・・・もうちょっと何とかならなかったんですかね、このアンダーカード。
それなりには楽しめましたけど。
セミ前第6試合では、
いいかげん橋が秋山と組んで森嶋ヨネに挑んで、すごい頑張ったけど、
最後は橋が負けちゃった、惜しかったね!
って試合。数年前から何も変わってない、こんな試合見せられても
もう飽き飽きだし、
セミファイナルでは6人タッグ(武道館のセミが何の変哲も無い6メンとか・・・)
もちろん三沢と高山の絡みなど、見所はありましたが・・・イマイチ盛り上がらず。
結局、メインの凄まじい試合で武道館大会を締めた、
逆に言えば、若い二人が期待に応えてメインの重責を果たしたという事なのでしょう。
さて、本当にメインの試合は素晴らしいの一言。今年のベストバウト最有力。
(丸藤は今年のプロレス大賞MVPとベストバウトの2冠を取るかもしれませんね。)
1月の両者の対戦よりも、さらに進化、激化し、
ヘビー級のタイトルマッチの戦いの「重さ」も空間を存分に生かし、
GHC戦ならではのエプロン断崖際での攻防を織り交ぜて見事に表現していたように思えます。
試合後の丸藤のインタビューでの印象的な一言。
「(Jrの)俺たち二人のヘビー級のメイン。何か文句がありますか?」
全くもってありません。この試合の後にそう言われたら返す言葉は無いです。
丸藤への注文があるとすれば、森嶋や力皇ともこのレベルの試合をして見せてくれ!って事くらい。
それが現実となった時、NOAHは完全に新世代の選手が台頭し、引っ張って行く時代になる筈です。