今年の夏は参議院議員選挙である。また選挙か、という人もいれば、なんだ参議院議員選挙か、という人もいるだろう。さあ、参議院議員選挙だ、と強く思う人は、立候補者かその関係者、あるいは選挙が仕事の人たちだけではないか。総選挙(衆議院議員選挙)はともかく参議院議員選挙はどうも盛り上がりに欠けるような気がする。
総選挙、つまり衆議院議員選挙は国の政治を決める選挙である。衆議院議員選挙は勝者の政党が政権を担い、これからの日本の方向を決定する。参議院議員選挙はどうだろう。参議院議員選挙はその勝者が国の政権を担うわけではない。もちろん参議院議員選挙の結果は政権の枠組みや政党間の連合など国政に直接影響を与える。それがなければそれこそ選挙をする意味がない。
参議院は二院制において衆議院をチェックする役割を持っている。衆議院は解散があり、その時の世論の一方的な偏りにより一時的に非常に強力な政権党を生む危険がある。この衆議院の暴走を止めるためチェック機関としての参議院がある。このため参議院議員は衆議院議員と違い解散もなく6年間議員の身分が保証されているのだ。本来議員個人の見識が求められる場であり、その選挙も政党を選ぶのではなく、個人を選ぶ場である。それが今や第二の(第一ではない)衆議院議員選挙のようである。今、参議院に意義があるとすれば、議員定数の配分が結果として地方に厚いため、地方の声が届きやすいことくらいであろう。この方法が正しいかは別として。
そこで提案だが、参議院議員は選挙によって選ぶのではなく、全国の都道府県知事が兼務したらどうだろう。本来の参議院の存在意義を取り戻し、且つ地方分権を確固たるものにするには非常によいではないか。それに選挙が一つ減るのもよい。
現在、地方優遇のもと衆議院議員選挙においても地方の定数を多くしている。この結果はなはだしい一票の格差がでており、いかに司法当局が結論をあいまいにしようと明らかに憲法違反であろう。有権者の意志を反映し国政を担うという衆議院の本来の役割からすれば、その議員選出選挙において一票に格差があるのは許されるものではない。
衆議院は一票の格差をなくす。そして常に国民の声を国政に反映するため任期も短くする。今の4年を3年、2年といわずいっそ1年にし、毎年の選挙の日を祝日にすればよい。そうすれば投票率も高まるだろう。さらに衆議院は一年中開催し、各委員会で予算や決算、その他の法案や国政に関することを徹底的に討論審議する。そして知事の集まりである参議院は、チェック機関として、また全国的な観点から、委員会制度を持たず、本会議だけで衆議院の結果を確認、採決する。これでどうだろう。
知事が年中東京に集まっていては、地方行政がおざなりになる、というかもしれない。通信の発達した今の時代、わざわざ東京に出向かなくても知事参議院は可能ではないか。知事の意見、考え方も有権者にはっきり分かるし、都道府県議会も知事のチェック機関として存在感を増す。なによりも有権者に選択の余地を与えない、今の政党相乗り無風知事選挙が減るだろうし、参議院議員の歳費を含む経費がカットできる。
現在の政治制度ができ50年が過ぎている。制度疲労を起こしあらゆることに対応できなくなりつつある現在の政治制度にはこれくらいの思い切った改革が必要ではないか。