うーん、なんか、非常におもしろいシリーズになっていますね。時代的に、「妖魔夜行」のほうは、2004年に出版ですが、ストーリーそのものは、1991年に出たものですから、いわば、90年代バブルな時代から、バブル崩壊、そして、インターネット時代、携帯電話の普及っていう、最近の、この激動の10年間をまたいでの作品ってことになりますか。その意味では、「百鬼夜翔」は、21世紀に入ってからってことになりますので、時代はすっかり新しくなった、ということになります。
グループSNK というゲーム関連クリエータ集団による、テーブルトークRPGの世界設定で、いろいろな作家さんが、短編を中心に書くというもの。世界設定は共通で、登場人物も共通ということもあって、同じ土俵で、いろいろな作家さんのそれぞれのテイストが楽しめるというのもおもしろいですね。オタク関係とか、トンデモ本関係でも有名なSF作家の山本弘氏などが、かなり積極的に多数の作品を出されています。
ってことで、私は、最初に、「百鬼夜翔」の一番最後に出た「水色の髪のチャイカ」からスタート。結局、「夜翔」のほうを、なんとなくだんだんさかのぼる感じで、全部読んだあと、秋葉原あたりで、まず、「夜行」のほうを、数冊、そのあと、引っ越して、引っ越し先の大きな本屋で、全部あったので、持っていないのを全部買って、がんがん読みました。おもしろいです。
では、まあ、適当にレビューから行きますか。
妖怪とは、人の強い「想い」から生まれる。ってことで、多くの人が、「そういうのがいるかもしれない」と思うと、そういう妖怪が実際に存在してしまう。で、最初のうちは、「人がそう思っている」通りの行動をとるような形で存在するが、しばらくすると、自覚をもって、独立した行動がとれるようになる、というのがまず妖怪の定義です。 このシリーズに登場する妖怪たちは、それこそ伝承、伝説の中に登場する、非常に古い時代からの妖怪もいれば、電子ネットワーク時代にふさわしい非常に新しい妖怪も登場します。じゃあ、神様、仏様の類は?っていうのは、最後に答えとして与えられています。
非常におかしな珍妙な妖怪が多数登場します。で、今の時代、人がたくさんいて、妖怪たちも、人々との間で、いろいろ関わりをもつことになるので、妖怪たちは、ネットワークをつくって、お寺や、バー、骨董品店などを拠点に、互いに交流し、また、妖怪たちが、人間に悪さをしたりするようなことがあれば、人間の警察などとも協力して、そういう妖怪に絡む事件を解決したり、ということもやる。
「妖魔夜行」では、主に渋谷にある「うさぎの穴」というバーを拠点にする妖怪たちを主人公にしていて、その他、神戸とか、世界各地とか、いろいろなところにも話を飛ばして、なかなかおもしろい構成になっています。
ってわけで、一冊ずつ。
最初っから、やっぱりこれはおもしろいと思わせる作品で、良かったです。これが妖怪か、というような。以降、摩耶はとっても重要なキャラクターになって、最後も活躍しますから、この作品は読んでおくべきでしょう。
なんかこういう話こそが、いかにも、現代の妖怪って感じがする。
結局、妖怪の設定、人の想いが妖怪を生む、っていうことなら、神様、仏様はどうなんだろうっていうと、それも、人の信仰心から神様はいるし、天使もいるし、同じように悪魔もみんないる、ってことで、さらに、UFO も「いるんじゃないかな」と思う人々の想いによって、登場しちゃって、それが、いろいろなものとからんで、話は、ついに、うさぎの穴の崩壊へとつながる、、、。
うーん、霧香さん、死んじゃった。それに結構大好きだった、文子ちゃんも死んじゃった。マスターも死んだし、、、。悲しい限りです。
まあ、山本弘作品は、それなりに一貫して、このエンディングへ向かっていたように思います。で、登場人物たちの活躍はなかなかすばらしい。アリッサもかわいいし、摩耶ちゃんも世界を飛び回って大活躍。
ニコラ・テスラの機関が実は妖怪化していて、過冷却状態で、神様が登場とか、妙な物理的な話もからみあっていたり、UFO の中では、IBM のパソコンを使っているとか、おもしろい話もいっぱい。山本弘色の強い作品ですね。
まあ、エンディングがああなるのはしょーがないでしょうか。で、この作品で、妖魔夜行の話は完全に終了してしまいました。
うさぎの穴のメンバーの生き残りの一部は、その名もバロウズという組織をつくっていて、外国語学校などをしつつ、妖怪たちが人間にとけ込めるように教育をする妖怪向け教育機関となっていて、そこの卒業生たちが、スーリエ・ルージュの支配人とか、経理とか、そういう仕事をしている、という設定。妖怪も国際化して、インド系とか、インドネシア系とか、ヨーロッパ系の魔女とか、いろいろ。かなりの国際化と、それから、インターネット時代を象徴するような、ネットワークの妖怪なども登場で、だいぶ妖魔夜行とは違う雰囲気の作品になっています。
まあ、まだ5冊しか出ていないので、それに長編もないし、ってことで今後どうなるか、楽しみですが。いまんところ、私の感覚としては、妖魔夜行ほどのパワーがちょっと感じられない気がします。
妖魔夜行最後の「戦慄のミレニアム」の結果として起こった第二次関東大震災と、それによって、妖怪が出現しやすくなった時代っていうことで、なにやら、もうすごいです。
やっぱり、山本弘作品が好きなのかな。
全部書くつもりはありませんが、富士見ミステリー文庫が出て、ちょっとのころから、数としてはそんなに多くはないけれど、ミステリー倶楽部なるものが出ていて、アンソロジーもの、長編ものなどもあるし、また、乙一作品などもあって、おもしろいです。一応、いままで出た分は全部読んでいますが、いまんところお気に入りは、「氷菓」と、「愚者のエンドロール」でしょうか。どっちにせよ、殺人事件もなにもない。ただし、「氷菓」のほうは、それなりに深刻なストーリーなのかも。とはいえ、この主人公と、「千反田える」あたりが、もうどうにも妙でおもしろい。回数読んでもなかなか、って感じで。他に、矢崎存美の幽霊シリーズもあります。もうおわっちゃったけど。
富士見ミステリーと、内容的にはかぶるし、一部作家さんも一緒だったりしますが、内容としては、よりハードにホラーになっているかも、、。結構いけているんじゃあないかと思います。
どうかなー、と思ってとりあえず読んでみたら、案外おもしろいので、2巻が出たところで、さらに買って、これまたおもしろいので、おもしろいと思います。ハードボイルドアクションなのか、それとも、、、。
設定そのものは、ようするに、韓国と北朝鮮が、戦争して、そこに、日本やアメリカも中国も巻き込まれて、で、日本の戦後、、っていうのが、21世紀。で、主人公の少女たちは、全員が、戦災孤児で、施設で育ったっていうあたり。その時代の日本では、警察以上に、賞金稼ぎという商売が、治安を維持していたのだ、っていうことで、高校生の三人娘が、賞金稼ぎとして、活躍する、そういうお話です。
まあ、その、戦後十年ちょいで、戦災孤児の女の子たちが、いかにも今時のルーソはいている女子高生な雰囲気なのは、どうしてか、それはさておき、女子高生三人組が、ピストルがんがんぶっぱなして、悪いやつらを懲らしめる、、みたいなところはなかなかアクション的に楽しめて、しかも、物語そのものが、なかなかよくできているので、おもしろいです。
裏社会から、表社会まで、それを、世の中なめきっているような女の子三人。なんか、読んでいて、すーっと気持ちよくなるそういうお話。まあ、設定そのものいろいろ無理はありますが。 今後の展開がおもしろそう。
いやあ、この作品、どうかなー、おもしろいかなーと前から思っていましたが、よみだしたら、3巻まで、一気に読んでしまい、そして、最近、4巻が出たので、ここに登場させました。
このような作品は、まあ、その、ティーンズ用のライトノベルだからこそ可能な設定であり、たとえば、一般の大人向けの小説として書かれたら、当然、主人公は普通のっていうか、せいぜい「今の政治に不満をもつ人」になってしまい、あるいは、奇抜さをねらって、そこらのOLがとか、そういう話になりそうなんですが、ティーンズノベルだからこそ、主人公を中学生なんていうとんでもない設定にできるし、それを総理大臣に据えることも可能。もちろん、魔法を使って、ってことなんだけれど。
当然のことながら、設定は無理だらけでして、その最初の破綻が、もう1巻「彼女がもってる核ボタン」でしょう。あり得ませんし、即座につぶされるような中学生の総理大臣なんですが、まあ、そこで、中学生らしいっていうか、子供的発想で、なにやら、いろいろとんでもない法律を作ったりして、がんがん押し進める。大人が主人公じゃあ、こういう奇想天外な話はつくれませんね。そもそも、OLさんが主人公で総理大臣を目指すとかいうと、これは、あり得る話だし、大人であれば、それなりの分別も要求されてしまうから、あほな法律をがんがん出せば、それだけで、へんな話になってしまう。
いやもちろん、中学生が主人公で、総理大臣になるってこと事態変だから、破綻しているんですが、でも、そういう状態が、2巻「恋する国家権力」とかになると、それなりに定着してくる。ストーリーがどうこうではなくて、なんか、中学生が総理大臣やってみても、いけるのかもしれない、と思わせるだけの、ベースができてきますね。
でもって、3巻「乙女の怒りは最終兵器」。まあ、ついにでました、っていうか、あのアメリカの同時多発テロを本気で題材にしちゃった作品。あれだけのインパクトのあった事件なのに、その後、それの影響をもろに受けた作品はそれほどないんですが、このシリーズでは、もろに扱って、時の日本の総理大臣にのえるを据えてしまう。うーん、同時にアメリカ批判もやっちゃう。フィクションだというけれど、かなりすごいですね。これも、もし、大人向けの小説で、ヒットしちゃったら問題小説になるけれど、そもそもの原点に、中学生ののえるが日本の総理大臣っていうファンタジーの設定があるからこそ許されるってところがあるんでしょう。
4巻「撃破!日本消滅計画」に至って、3巻で、総理大臣ではなくなってしまったのえるが、魔法の助けを借りずに総理大臣に返り咲くというのをやってしまった。そこまでにいたるのが、なんで、自転車での長距離走破なのかわかりませんが、それにしても、ぐいぐいとひっぱる作品です。
総論として、めちゃくちゃだし、設定も破綻しているし、個々のそれぞれのエピソードをみれば、こんなのあり?とか、こんな扱いしていいの?とか、いろいろ問題があるんですが、でも、最後には、なんか、のえるに声援を送りたくなるようなそういう作品ですね。
これからどうなるのか、わかりませんが、こういう作品があるからこそ、やっぱり、日本のティーンズ向け小説はすばらしいのだ、といえるんじゃあないでしょうか。
えっと、はい。「サジはなげられた」。はい。どうやら、作家がサジを投げたようです。「さい」ではなくて「さじ」。あとがきにあるのはかなり真実に近そうです。なぜ第1巻が「彼女の持ってる核ボタン」なのか、あたりも。たしかに、とってつけたような話です。うーん。今回は、×。もっとマジに書きなさい!せっかくいままでよかったのに。
「お嫁さんがいっぱい」ですか。はい。そろそろ総理大臣としての自覚がなくなってきて、話が破綻しかけています。しかも、「サジ」の部分をなにやらひっぱっていて、作品としてぐちゃぐちゃになってきました。なんか、たくさんのキャラたちがちょっとうまく整合していないっていうか、うーん、もうすこしなんとかならないかな。読む分にはおもしろくよめるんですが。
なんか、一時、そうしょっちゅう秋葉原とかに行くわけにもいかず、近所(当時は川崎市内在住)の駅(新百合ヶ丘)前スーパーマーケット内にある本屋などで、もっぱら買っていたときに、そろそろいままで読んできたシリーズものも読み尽くしたし、ということで、手を出したのがきっかけ、かな。
どうも、絵柄が、なんか無責任そうで、いーかげん、な感じがしたので、とりあえず、「深く静かに掘り返せ」を読んだところ、よくわかんないけど、まあおもしろいのかも、と想い、次に、「無理は承知で私立探偵」にいって、シリーズを読み始めましたが、うーん、微妙に、インパクトはないのですが、なんとも、いいかげん、てきとー、でたらめ、なところがいいですね。「たんてーさん」と呼ぶ秘書っていうか探偵助手さんの描き方もなんともいい。なんつうか、あの、高校時代の本来の上下関係も恋愛関係も会社の同僚っていう関係もないけど、なんかつながっている男女の姿みたいなところを微妙に描き出しているようなところが、、。でもまあ、ストーリーはふわふわってところで、この麻生作品は独特におもしろいです。で、「出たとこ勝負の探偵稼業」と「運が良ければ事件解決」、そして、「レイズ The 宝船」が出たので、一応読みました。とくべっつにどきどきするでもなく、なんだかわかんないけど、時間つぶして、それなりにふわーっと感想を持ちたくなる、そういうときには、この麻生作品のスニーカーもの、いいかもしれません。
乙一という人については、最初に、「失踪 HOLIDAY」を読んで、すごいと思ったんですが、それから、「きみにしか聞こえない」も読んで、さらに、スニーカー文庫じゃないけど、ハードカバー単行本の「GOTH」を読んで、これはすごいと思いました。
どれもみな短編集となっているわけですが、「失踪 HOLIDAY」 においては、「しあわせは子猫のかたち」というのと、「失踪 HOLIDAY」の二つで、しあわせ、のほうは、死んでしまったのに、死んだことに気がつかない女性と、その女性の飼っていた猫の物語っていうか、若干の幽霊系ミステリーですね。ほわっとした感じ。で、この乙一作品の一つの特徴は、事件とか殺人とかそういうものが、最終的に刑事事件としては解決しないというのがありまして、この作品でもそういう形になっています。「失踪 HOLIDAY」のほうは、誘拐事件を演出していた少女が実は本当に誘拐されていたのだ、という話ですが、これまたおもしろい。なんというジャンルの作品なのか、不思議なミステリーものです。これは、幽霊系ではありません。次に、「きみにしか聞こえない」には、Calling You という作品、傷という作品、そして、華歌というのの、三つが収録されています。いずれも、多少超常現象を含むものですが、その扱いはなんとも切ないというか、うーん、独特。私的には、こちらよりは、最初の一冊の、「失踪 HOLIDAY」のほうが、なんかしっくりきました。
で、次に、ハードカバーの単行本「GOTH」は、すごい作品です。主人公とクラスメートの少女とが、猟奇殺人事件に関わる、というもの。二人とも、殺人とか猟奇が大好きで、主人公のほうは、比較的だれとでも反射神経的に気さくにつきあうことができるが、本当は人ととくに関わっているわけではない。少女のほう(森野)は、人とほとんどつきあうことのない性格。表情もほとんどなくて、という設定。まあ、途中でどんでんがえしがあるんですが、それはさておき、最初の作品は、森野が、猟奇殺人の現場を詳しく書いた手帳を拾ってくるところから始まり、それはどうやら犯人が書いたらしい。その手帳にある三つの事件のうち、二つは、すでに遺体が発見されていて猟奇事件として、知られていたが、三つ目はまだなので、その犯人の手記にそって、死体を探しに行く、というところで、やがて、、、という作品。それから、犬と少女の話や、森野自身の子供時代の話、そしてクラスメートの話、などなどといろいろな短編があって、それぞれで、特殊な主人公と森野との関わり合いが出てくるというもの。うーん、とにかく、言葉ではいえないようななんともいえない作品なので、是非読んでください。
えっと、さらにさらに乙一作品読みました。まずは、デビュー作となったのが、「夏と花火と私の死体」。論評で小野不由美氏が絶賛していますが、たしかに16歳にして、こんな作品を書くとは、驚きでしょうね。殺人において、殺された死体の立場でものを書く、っていうのはたしかにあるんですが、その場合、多少オカルト系入っていて、最後にその死体の意志が事件を解決に導くとか、そういうのがありそうに思います。私はころされた、で、やがて復活して、復讐する、とかですね。そういうのはあるんだけれど、このストーリー最後まで殺された五月ちゃんは復活もしないし、彼女の意志が事件を解決に導くわけでもなく、ただたんに、死体として、その死体の置かれた場所、その運び出される様子、などがたんたんと綴られて、最後は事件はなにも解決せず、犯人の望んだ以上の結果に、、という筋書きの中で、犯人が子供であるというあたりも怖いのですが。すごかったです。
で、「優子」。この作品からは、乙一氏のどんでん返し系の萌芽がみられるっていうかですね。あいつは狂っていると思っているほうが狂っていて、あいつのほうがまとも、、、。それで起こる悲劇?かな。人間が取り替えられるような妙な感じ。
で、次に「A MASKED BALL」ですね。いわゆる電子掲示板のような、落書きの話。匿名性のある掲示板システムは、インターネットなんてもの以前から存在していて、私の高校時代とかに、喫茶店でノートがあって、なんか意味もなく書き込む、とか。で、これは落書きの話。そして、それが事件と関わる落書きで、やがて、、、。でも、犯人いったいだれなんでしょう?
それから、「天帝妖狐」ですか。次第次第に人間でなくなっていく人の話、っていうのでしょうか。不老不死ではあっても、だんだんと人間でなくなっていく人の悲劇なのか。いやあ悲劇じゃあないんでしょう。ただ、この作品はインパクト今一でした。
それから、「死にぞこないの青」。いやあ、この先生と生徒の関係、本当にあったら、すごく怖いです。でも、世の中、こういうことがありそうな気がする。先生の態度の変化、そして、洗脳のような様子も含めて、ありそうで怖い。非常に怖い話で、最後の結末もまた、なかなかですが、まあ、殺し合いは起こったけど、でも、死人が出なくてよかったと思いました。この作品も、まさに、乙一ダークワールドっていうか、そういう感じ。そして、この作品、長編なんですね。一応、一冊に一話。
で、次の、「暗いところで待ち合わせ」ですが、いや、不自然な話ですよ。人の気配って結構すごいものがあるから、もっと早くにわかりそうに思うし、わかったときは、わめきちらして、大変、って感じがするけれど、でもね、うーん、最後はそういう話でしたか。でも、これはハッピーエンドっていうんでしょうね。乙一作品としては、大変珍しいですが。
でもって、スニーカー文庫のミステリーアンソロジーIIに入っている、「SEVEN ROOMS」。これはまた怖い作品でした。一種のファンタジー世界だと思いますけどね。こんなことが普通に行われるとは思えないけど、でも、もしかしたら、、、。
ってことで、乙一作品。基本的に、学校の話が多くて、しかも、主人公は、周囲の友達と、「表面上うまくやっている」か「しんそこうまくいっていない」かどっちかで、そして、その悩みが、「解決する」か「新たな同類の出現」で立場が変化するか、そういうような感じの話が多いです。で、そこにちりばめられたホラー的要素は、大変恐ろしいものだとおもいました。
それにしても、才能あるんだなーと思います。いいなぁ。
ってことで、またまた「寂しさの周波数」なる作品がスニーカーから出ましたが、なんか、いつ自殺しちゃうんだろう、って思うほど乙一氏、おいつめられている、って感じがしますね。あとがきにもあるけれど。すこーしテイストを変化させる必要もありそうな感じがしてきた、今日このごろではないでしょうか。でもまあすごいけど。
2003年末までに、できるかぎりの乙一作品は読んでおりますが、スニーカーのものはでていませんね。あと、再編集版みたいなのもでているようです。平面いぬとかおもしろかったですね。ZOOはまだちょっとしか読んでいません。暗黒童話も買いました。
いや、その無視していたわけじゃあないんですが、続編がぜんぜん出ないような感じがして、とくに、おもしろいのは、MSなんですが、MSがまだ2冊だけでして、まあいいのですが、、、。
どっちかっていうと、神坂作品の中では、「スレイヤーズすぺしゃる」と同じ系統の、馬鹿作品なのが、MSで、ロストユニバースの焼き直しっぽいのが、SSでしょうか。私的には、MSがいいです。最初の始まりのところからして。でも、なんか、メニィの裏に潜むちょっとかわいそうな設定とかになると、必ずしも肯定的じゃあないですね。もっとあっけらかんで、てきとーな作品にしておいてくれたほうが、、、。 だってさ、たとえば、「スレイヤーズすぺしゃる」で、実はナーガが背負っているとっても悲しい過去なんてものが暴かれたとしたら、おもしろくないじゃん。まあそんなところ。人造人間の悲哀とかそういうのと無関係なMSが読みたいですね。
ってことで、MSの三作目が登場。早速読みました。短編二編ですが、一つめは、くだらない系。ちょっと笑いの要素が今一な感じではありますが、まあ、スレイヤーズすぺしゃる以来のノリっていうか、神坂氏のらしい作品っていうところ。二作めは、っていうと、これ、人造人間の悲哀みたいなものを、あつかっちゃってさー、うーん、まあいいですけど、それは、SSにお任せじゃあだめかな。せっかく、登場からしてノー天気なメニィなんだから、最後までそのノー天気でいってほしいと思うんですけど。なんか、扱っている話題が、人間ジュラシックパークみたいな感じじゃないですか。
神坂作品、実は、クロスなんちゃらも一応読んでいるんですが、それから、最近のスレイヤーズすぺしゃるもですが、なんかパワーが今一たりないですね。20世紀末のころの作品がすごかったのに。年齢的には私と似たような感じでしょうか、なんか大人になっちゃったのかな、とか思うです。日帰りクェストも読んでますが、あっちはあっちでおもしろい。やっぱり時代なのかな。
さて、シェリフスターズ、MSとSSで別れていますが、どうも、MSは、終わってしまったようですね。MSの5が最終とのこと。SSの5巻はでないのかな。まあ、無難な終わり方だったかと思います。これ以上続けてもねぇ。もっとも、神坂一氏の作品ってば、いきなり終わるパターンがありますね。ロストユニバースの場合は、なんか、アニメに合わせたのか、いきなり最後は終わってしまいました。うーん。まあ、この作品、普通にそれなりに面白かったけど、細部はどうも、っていう感じでした。
えっと、それなりに気に入っています。神坂作品としては、標準的でしょうか。おもしろいし、それなりにちょっとほろってところもあるし、常識をちょっと変化させたような。もっとも、挿し絵がもうすこしあらいずみな雰囲気のほうが似合っていますかね。最後まで読みました。
昔から気になっていた作品ではあるんですが、読んでみると、なんだか中途半端な感じがして、どこまでSFでどこまでが、みたいな。なんともいえない作品ですが、話題作なんですよね。さらにあっちこっちの文庫やコミックで発展しているのかな。うーん、大塚作品。なんともいえません。ちょいとぐろいけど、私の趣味的にはそれなりに。 二冊とも読みました。
ぶはっ!まあ、その、パトレーバー一味の人っていうことで、こういう作品になるんでしょうか。めちゃくちゃ。なめている、なんともはや。うーん、でも、結構気に入って、何度も読んだりしています。続いて欲しいのですが、作家さんの都合により、いろいろと。出ている分は外伝含めて全部持っているんですが。
ガルディーンと同じく、火浦功の短編集。これはおもしろい。なんか、ごっこ遊びみたいな作品が多数。
ぽわーんとしているようで、なかなかぐさっと来るようなところもあって、それでいて、やっぱりつかみ所のない作品でしょうか。「夢から、さめない」「終わらない夏休み」。もともと漫画家さんなのかな。らしいっていうか、描写がいいっていうか。乙女チックな作品っていう感じもしますが、それはそれで。
一応、「月と炎の戦記」、そして、シリーズとしての「月と闇の戦記」が二冊ってところでしょうか。ちょっとこれからが気になる作品。神様と人間との関係みたいなものについてのちょっとだけ考えさせる部分もあるけれど、基本的にはどってことないアクションですかね。うーん。
えっと完結してしまったようですので、あらためて、、なんとも独特におもしろいです。で、最近、「神様はしらんぷり」がでたので、全部最初から読み直しました。
まず、出版された順番からすると、「月と炎の戦記」が最初で、めんどくさがりな、みょうな「ツクヨミ」と、生け贄にされるべく旅をしている狩人の少女「楓」とのなにやらよくわからない冒険の話です。古事記、日本書紀にでてくる天地創造の神であるイザナギが黄泉の国から戻ったあと生まれた三人といえば、アマテラス、スサノオ、ツクヨミなんですが、アマテラスは日神、スサノオは地(でいいのかな)、で、ツクヨミはそのまま月の神ですけど、このうち、ツクヨミについては、どちらの歴史書においても、あまりまともに物語りがなく、三人の中では一番影が薄いという印象があります。で、この物語は、いわば、そのツクヨミについて描くというのが基本のお話でしょうか。神話を神話らしく、かつおもしろく扱っているという意味ではおもしろい作品で、イザナミについても、最後のほうでなかなかおもしろい解釈をしているっていうか。
で、一応、話は現代にうつり、10代後半にして、退魔師である青年が、お祓いすることになったとあるアパートに、住人として住んでいる妙な兄妹ということで、前述のツクヨミと楓が登場するっていうことですね。で、肉食の兎っていうあたりもキュート。ストーリーは比較的妙な具合に進んでいって、っていうのが、「退魔師はがけっぷち。」で、その後、ツクヨミが神代において対立していた雷神たちが現代に復活っていうあたりで、「守護者はぶっちぎり」。で、最後に、実はかの青年隆生は、、っていうのが、「神様はしらんぷり」。最後の最後にどんでんがえし!っていうのもおもしろいです。
でぇ、思想的に、妖魔夜行でも、百鬼夜翔でも、あるいは、電撃の Missing でもそうなんですが、強い思い、あるいは信じられた物語から、闇のアヤカシが登場する、というような話がありまして、結局のところ、実存主義なのかなんなのか、あるいは量子力学なのかもしれませんが観測問題みたいなのとからんで、一つの体系をなしているように思います。実証的な実験を用いて精緻に組み合わさった科学が万能の時代において、そこにアヤカシとか、闇の魔物とか、そういうものが存在するとしたら、と考えると、ようはそれらは、「まだ信じる人たちがいるから存在する」という形で描くことになり、そこから、現実のほころびとかそういう話もうまれてくる。とすると、この発想によって、あるいみで、科学万能の現代においてすらも、闇の魔物が登場してもよい、あるいは幽霊が存在してもよいという可能性に対して基礎を与えるような気がします。番人にとって本気で客観的な科学的な事実があるのか、考古学的に得られた、あるいは文献的に得られた歴史は事実なのか、そうでないのか、そういうあたりもふくめて、今後、一つの新しい思想に発展していきそうなおもしろい分野だと思います。で、さらにいえば、ファンタジー的なストーリーで、かつ、日本や中国、あるいは西欧の歴史、神話、民話などのモチーフをベースにして、現代が舞台であるようなもの、って考えると、このようなものが、もっとも合理的でうけいれられやすい方法なのかもしれません。
冴木忍作品は、あんまり読んだことがないのです。ファンタジーファンタジーしすぎていて、私の趣味ではないんですけれど、この作品は、いわば、現代もので、しかも妖怪もの。いいんじゃあないでしょうか。なんか、一つ胡椒がたりないような感じがして、もう一歩な感じもしますが。妖怪をあつめている妙なお寺の話。お寺でお坊さんがいるのに、巫女もいるってな妙な感じですが、ストーリー一つ一つは冴木さんなのかなーっていう感じ。
だいぶ前にちょこっと読んだので、忘れました。すいません。
アニメのほうは見てませんが、まだ、この作品ぜんぜん中途半端ですね。雰囲気は、「みんなの賞金稼ぎ」と近いところがあって、ようするに暴力系少女数名と、気弱な少年が、みたいな話です。それなりにおもしろいと思うんですが、アニメ版はどうなんでしょうか?
わからん。読み進めるのが、かなり困難な作品でした。内容もよくわかりません。サイバー時代の雰囲気もいまいちよくわからないし。
学園小説大賞だかの作品です。かなり妙ですが、かなりいいせんついているけれど、どっちかっていうと、やっぱり、電撃文庫系の作品でしょうか。絵が原口たけひとさんなので、なんとなく、富士見ファンタジアの秋口作品のような感じがしてしまうのですが、世の中なめまくっている少女っていうか、そのあたりなかなかいいです。
えっと、最新刊は、「滅せよこの想い、と彼女は哭いた」ですが、買ったけど、読んでいません。うーん、だんだんと話が発散してきて、一攫千金あたりでうーん、なんですけど、一応、全部読んでしまうつもりでいますが、、。
続編なんてあり得るのか?っていうか、妙な作品です。みょー。さらに主人公の少女がすごく変です。さらに、関西弁。ものすごく変で、しかもサイバーで、うーん、まあ、なんともいえない雰囲気ですね。でもって格闘系。スニーカーならでは、な作品でしょう。 2003年末段階で、二巻目がでています。船でゲームっていう作品です。まあ、独自の雰囲気はそのままで、二作目としては十分な感じがします。もう一ひねり!なんでしょうか。
いや、この作品はなんともいえないおもしろいっていうか、案外すごいっていうか、よかったです。好きですね。ミステリーの夢物語なのか、オカルトも入っているんですけど、高校生の友情みたいなものが案外きっちり描かれていて、私はこの作品読んだときに、作者の才能を感じました。
スニーカー大賞が久しぶりに、ということで、解説をよむと、すごい!っていう本で、ちょっと興味があったので、読んでみました。うーん、たしかにおもしろい。もう一歩っていう感じもしないでもないけど。ようするに、実は自分が世界の中心だった、という話ですが、同じ作家の電撃文庫の「学校を出よう!」も同じ系統で、おもしろかったです。
今後、ある意味で、この種の、ハルヒみたいな少女がはやる日が来るのだろうか。それとも、たんに、それは、tAtU だっけ、綴り、こういう好き勝手系ロシア少女の影響が出ただけなのか、うーん。
一応、このシリーズ、2003年末に、3つめがでましたが、一作目にくらべると、どんどんトーンダウンっていうべきでしょうか。だからどうした、っていう感じになりつつあります。なんか、設定そのものに発展性がとくにないので、結局、非日常的な日常を扱うだけになっていて、その意味では、電撃の学校を出よう!のほうが、まだいけているかもしれませんが、あっちもあんまり発展性なしですね。
おわり