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 私、村上がメーカー、排気量、新旧など車種にこだわらず一般の人よりたくさんのバイクに乗れる立場を利用して、私なりの試乗インプレッシヨンを、語らせていただきます。皆さんのバイク選びの御役に立てればうれしいです。

 今回は、PIAGGIO ZIP50です。ヨーロッパでは大ヒット作のZIPですが、日本での人気は正直今一歩というところで、ついにラインナップから消えてしまいました。しかし、ヨーロッパの50ccバイクに対する考え方は、他の物と大筋では変わらないと思います。今回は、今年入荷予定の、ピアジオNRG、ジレラランナー50、アプリリアSR50などの、大まかな印象をつかんで頂くという意味で、レポートしてみたいと思います。


PIAGGIO ZIP50
2サイクル空冷50cc
\170,000




シート下のスペースはヘルメット一個分。ヒンジ部を調節し、シート高を3段階に調節できます。当然ながら、写真のように一番高くした方が、クイックな操縦性が楽しめます。
フロントのグローブボックスとコンビニフックで、総収容能力は国産と同レベル。




ピアジオお得意のポップでかわいらしいデザインのメーター周り。伝統の”提灯ライト”も健在。

乗ってみたときの第一印象は、ダッシュが頼りなく、重ったるい感じです。お決まりの固めのサスもゴツゴツ感が強く、乗り心地も良いとは言えないかもしれません。しかし、40キロから上のスピード域になると様子が一変。安定感抜群で、スピードがどこまで上がっていっても車体が音を上げることなく、サスもスムーズに動くようになります。バンク角も十分で、ちょっとしたコーナーでスタンドを擦るようなこともありません。このような味付けはヨーロッパのバイクには多く見られる特性で、このZIPをはじめとして、SR125や、ランナー180、アトランティック200、果てはTMAX500でも基本的な考え方は同じところから発生しているようです。もっとも、TMAXはヤマハのバイクですが、私の中ではれっきとした”ヨーロッパ製”です。台湾のキムコスーパー9なども、この範疇に入ります。


このZIPの元オーナー石川氏。氏の職業は国立医療機関の研究員。博士号とミドルネームを持つ科学者ながら、なぜか仏滅が気になる36歳二児のパパ。
ZIP購入で潜在意識に火がつき、自動二輪免許取得と同時にランナーを購入。今では立派なイタスク乗り。

仮に、このバイクに人格があったとすると、ZIP本人は、自分を「原付だから」とか、「所詮50ccだから」などとは、まったく考えていないでしょう。おそらく「俺だってれっきとしたオートマチックスポーツバイクです」と胸を張って大見得を切るに違いありません。排気量、絶対スピード、ボディの大きさなどに「括り」が無く、乗って楽しめることが一番という考え方です。
今年の春頃に日本に入ってくる予定の各社新型50ccは、水冷エンジン搭載車が多く、お値段も25万円前後と見られています。車格は上級排気量車と同じ物で、キムコスーパー9のライバル出現です。選択肢が増えて楽しくなりそうですね。



ちょこっとチューンしてみました
そのままでも充分楽しめますが、ヨーロッパ車を「チューニングして遊ぶ」という手もあります。2段階右折とスピード違反を避けるために、ボアアップして黄色ナンバーに変更しました。各社からチューニングキットが多数発売されておりますが、今回はマロッシの68ccシリンダーキットとキャブセッティングのみ変更です。


一番のスタンダードタイプ「鉄シリンダーキット」です。カーボンリードバルブ付き。
デロルトの17,5mmキャブはセッティング変更のみ。ランナー用の20,5mmも取り付けてみましたが、エアクリーナーを取り外し、チャンバーを変えないと、音の割りに効果が期待できそうもなかったので、今回、キャブ本体はそのままです。




パワーアップして70〜80km/h付近を多用するようになって、初めてその性能特性が理解できたフロントブレーキ。低速ではコントロールしにくく、ロックしそうです。

さて、その結果ですが、一言で言ってしまえば、実に快適です。トルクが大幅に太り、立ち上がり加速は国産の原付と同じか、少し速いくらい。もちろん、中速以降は原チャリ軍団をブッチギリです。注目の最高速は平なところで80km/hちょい、ちょっと下っていれば90km/h以上出るようになりました。全体でノーマルから10km/hプラスアルファといった感じです。レインボーブリッジの品川方面、ループ状の下り全開でも、硬めの足回りが、バシッとラインを決めてくれるので、まったく不安がありません。

今回はここまでで、見た目はまったくのフルノーマル。ゴキゲンな通勤快速&お使いバイクの出来上がりです。プーリーキットを変えてもいいかもしれませんが、「どこまでで留めるか」が大きな悩みです。