TMAX長期レポート

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今回、新発売のヤマハTMAX500を試乗車として御用意しました。せっかくですので、お客様に乗っていただいた感想などを交えて、いろいろな場面での使い勝手など、重箱の隅をつつきながらレポートをお伝えしたいと思っております。
ご意見質問等直接頂いても結構ですori2@mx6.nisiq.net  
ヤマハ純正ワイズギアオプションページhttp://www.ysgear.co.jp/mc/special/tmax/index.html

8月1日 TMAX国内仕様発売開始、ほぼ同時期に入荷した新車を登録。いよいよ試乗開始です。
まず第一印象は色が黄色ということも手伝って、「デカイ!」です。実際の寸法は250のマジェと比べて95mm長、逆に、幅はマジェの方5mm長と、ほとんど違わないのですが、数値以上の違いが感じられます。車重は40kg増の198kgでさすがに押したり引いたりはちょっと重め。乗ってみてまず感じたのは良く曲がることです。交差点などではアゴを向けただけでスーッとまがってくれます。オートマチックのバイクであることを忘れてしまいます。パワーはまだならし中ということもあって正直言ってあまり感じません。只、信号ダッシュで250のスクーターと張り合ってしまうと、アッというまにミラーの中で点になっているので速いんだなあと感じます。

 
ヨーロッパ仕様からあえて変更しなかったシート高は、幅の広さも手伝って足つき性を犠牲にしてます。「このシートゆえのハンドリング性能を発揮しています。」とはヤマハの技術の人の弁。因みに写真の清水氏は身長175cmで普段の足はブロス650。乗ってみた感想は「250と比べると速いが、足つき性の悪さにちょっとびっくり。」
トランクスペースはフルフェイス1個プラスちょっと位。一度イトーヨーカドーに買い物に行ったときは5kgの米2袋とスーパーの大きな袋が1個分入りました。タンデムシートは極楽だそうですが運転している方もさすがに500ccのトルクで余裕です。 

  
メーターはスピード、水温、燃料に加えて、意外とあると便利な時計、ベルト、オイル交換時期などの各種インジケーターランプと、割とシンプル。
燃料はハイオク仕様の14Lタンクが旧マジェと同じシート前部にあります。
キーはごく普通の形。もうちょっとデザインして欲しかった。

8月13日 お盆の帰省に使ってみました。
 慣らし運転がてら、群馬の田舎まで帰って見ることにしました。群馬県多野郡上野村まで片道役150km、夏休み初日の12日の朝9時に出発。特に急いでもいないので、関越の練馬インターまで下道。高速にのったらいきなり渋滞、次の所沢で下り、入間を抜けて国道299号を北上。
 くねくね曲がった田舎道を走って感じたのは「おや?これはもしかしたら結構いけるんじゃない?」でした。秩父の手前で、今は、下にトンネルができ、最近ではあまり使われなくなった正丸峠に突入。かなりタイトな荒れた路面の山道ですが、「まじですか。」ののりでコイツは楽しい。驚いた。1人だったので相対的なスピードは判りませんが、いくら寝かせてもどこも擦らない。そして、ギアチェンジが必要ないのでオーバーペースで突っ込みすぎても、慌ててシフトダウンし、回転をあわせながらクラッチをつなぎ、コーナー出口に向かってラインを変える、といった一連の作業のうちのほとんどが必要なく、ただ、出口にバイクを向けたら右手をひねるだけでOK。まるで、テレビゲームの「イージーモード」。これならリッタースポーツバイクのツーリングに充分ついて行けます。

  
左写真タイヤ ここまでタイヤを使ってもどこも擦らない。限界がどこまでなのか判らず逆の意味で怖くなります。小径タイヤのせいだと思われる独特の切れ込みはあるものの、きわめて高い水準のコーナーリング性能を持っています。レーサーレプリカに現在乗っている人でもTMAXの方が速く走れる人がすくなからずいるとおもいます。

中写真ネギ 都会ではかっこいいと評判のTMAXも母心の前には抵抗するすべも無し。特性、ネギとジャガイモの「シーシーバー」装着。フラットなタンデムシートとアシストグリップのおかげもあり、シート下のトランクとあわせるとかなりの積載能力。

右写真メーター 燃料メーターの針がEの太線の下にくるまで粘って見ました。入ったガスは13リットルと残り1リットルでした。山奥ではスリル満点です。因みにこれまでの燃費は街中で15km/L、今回の遠出で20km/L。

行きは正丸峠と志賀坂峠でその性能に驚き、帰りはまだ込み始める前の関越道でまたまたびっくり。最高速テストよろしく全開走行をしてみました。結果はなんと、160kmオーバー。ちょっとした下りだと、170kmを指します。高いスクリーンのせいかさすがに最高速付近ではさほど安定性がいいとはいえませんが、150位までなら余裕で巡航できます。ヨーロッパでの高い評価がうかがい知れます。

今回の使用で一番感じたのは、「このバイクは一体何者?」でした。峠も高速道路もスポーツバイクのようにこなし、スクーターのように荷物も積める。もちろん峠ではR-1に乗ったウマイ人のほうが速いし、スポーツバイクの楽しさは何者にも変えがたいものがあります。一方で250ccスクーターの都会での利便性には特筆すべき点が数多くあります。しかし、このTMAXという乗り物はその両方の良いところをかなり高い次元で合わせ持っていることは、疑う余地もありません。只の大きいマジェではないことだけは確実です。

9月16日 皆さんとツーリングに行ってきました。

今回のツーリングで皆さんに高速で試乗してもらいました。やはりスクーターオーナーの注目度は高く、高速での最高速と、安定感に高い評価を得ました。私は碓井峠のバイパスや首都高などの高速コーナーを試して見ましたが、正にスポーツバイクの感覚で、見事な安定感を示してくれました。

 
トランクが一杯のときはホルダーにつなげる付属のワイヤーでバナナ状態にできるヘルメット。



ツーリングの帰りに1000km到達でオイルランプ点灯、最初は1000km、次は6000kmごとにランプが光ります。独特の形のドレンボルトは先にOリング付き(何かわけがあると思われます、調べておきます)。オイル量は2,8Lとさすがに500ccツインエンジン。250ccクラスだと通常は約1L。

ここで、これまで乗ってきて不満点をいくつか上げて見ます。

1 パーキングブレーキが無い。前下がりの場所では留められない。どうにか工夫できないものかと現在考え中。

2 スピードを出すと頭を押される。 スピードを上げていくと上半身を前に押すように巻き込んできます。頭をちょっと下げるとまったく問題なしですが、スポーツバイクと考えればショートスクリーンの方が見た目もカッコいいです。

3 すり抜けが苦手。 街中を走るときは中々前に出られません。但し、マジェクラスとまったく同じ幅(厳密にはこちらの方が5mm狭い)なので皆さん思ったよりも苦労してるんだなぁと実感。

4 オイル交換してもうれしくない。 普通のバイクだとオイルを新しくすると、回転が軽やかになったり、ミッションやクラッチのタッチが良くなるものですが、オートマの場合はそれらをほとんど感じることが出来ません。

5 やっぱりR-1にはかなわない 当たり前ですがいくら走りが良くてもスポーツバイクには勝てません。今回のツーリングで碓井バイパスを走ってみると「かめさんチーム」をブッちぎることは出来てもそれ以上にペースを上げようとすると、「いつものTRX850できてればなぁ。」とつい思ってしまいました。事実TMAXを買ってスポーツ心を呼び起こされて、R-1に乗り換えた人がいるそうです。

以上が現時点で気づいた点ですがこのバイクをどう捕らえるかによって評価はまったく違ってくると思います。当店の常連さんたちは普段リッターバイクに乗っているのでTMAXに関しては「シート高が高い、ラゲッジスペースが狭い、」といった不満は聞かれず、タイヤをミシュランにしたい、とかブレーキをブレンボに変えようとか言います。しかし、普段マジェに乗ってる人が乗ればまったく逆の評価になると思われます。いろんな意味で面白いバイクです。

10月21日 なんと九州からご質問

このレポートをみた福岡のお客様からのご質問を頂きましたので、それに答えながら、第4回レポートです。 

質問の内容は、排気音、ポジション、シートの出来具合などでした。排気音はあっけない程静かで、マフラーを換えると音と加速とどちらも良くなります、これはお好み次第ということで、当店の場合、試乗車をなるべく素のままで乗っていただきたいのでノーマルのまましばらく乗るつもりです。ポジションはマジェほど上体が上を向かず、CB750やXJ1300のような普通のバイクっぽい感じです。一見硬めのシートは広さもたっぷりで、長時間乗っても尻が痛くなるようなことはありません。シートパッドも楽ちんです。

  
シートを上げて裏をのぞくと立派な?車載工具がバンドで留めてあります。
工具を取ると10mm角のボルトが2本付いてます。このボルトでシートパッドが前後3段階に調整できます。

  
平均的な体系の日本人は一番前にセットする方が乗りやすいかもしれませんが、隙間が出来てしまうのがちょと…。因みに私村上は身長172cmですが、カッコ重視なので一番後ろに下げて取り付けています。

今回は、質問にお答えする形でレポートしてみました。ご質問や見てみたい部分などありましたらお伝えください。

11月10日 タンデムはとっても楽です。

 

 

 

 

 

11月8日木曜日、成田山まで2人乗りで行ってきました。往復140km、時間にして片道2時間ほど走ってきましたが、500ccの余裕のトルクと、大きなシート、しっかりした足回りで、運転手も後ろに乗っている女房も至極快適でした。高速が2人乗り解禁になるという噂もありますが、実現すれば立派に4輪の代わりを勤められると思います。

 

 

帰ってきてからタンデムバックレストを付けてみました。


ワイズギア純正のタンデムバックレストは\14,800也。アシストグリップをはずしてひっくり返すと、アクセサリー用のネジ穴が4個開いています。後ろの2個を使ってあっという間に装着完了。シートのようにスポンジを皮で覆ったものではなく一体成型の硬質スポンジにシート風の模様をつけたものです。スタイルはマジェ用の物のほうがきれいのような気がしますが部品の背中に大きく車名が書いてあるので流用はムリ。
当然のことながらウチのタンデムシート評論家はご満悦で、次はどこへ行こうかと、地図を見ながら次の目的地を物色中です。

11月18日皆さんとツーリングに行ってきました。その2

皆さんとツーリングに行ってきましたのでそのときの印象をお伝えします。
出てすぐに感じたのは寒くないでした。普段ツーリングに使っているTRX850に比べて大きなスクーリーンで、風防効果はバツグンです。姿勢が前傾してないので襟元から風が入ってくることもなく手にあたる風も整流されているのか、冬用の厚手のグローブを持っていったにもかかわらず、使う必要がありませんでした。エンジンに手を押し付けて暖めることはもちろん出来ませんが、これなら結構冬でもいけそうです。

 


 

 

伊豆スカイラインを走っている時にスタンドをこすりました。こすった瞬間びびって車体を起こしてしまいましたが、バックレストに体重を乗せ、ハンドルを引っ張るような感じの、いわゆる「後輪荷重」で乗ると良いようです。左右とも同じ所が削れます。これ以上いくと今度はアンダーカウルを擦るという話ですが柏秀樹氏とは腕が違うのでまだそこまではいけません。100km/h以上で曲がるような大きなコーナーではスパーンッと行ってしまいそうでちょっと恐いです。それでも今までのスクーターでは考えられないペースで走れることは確実です。

 

 

 

 

 

 

 


左 今回始めて使って見ましたグローブボックス。高速券やカードを入れておくのにとても便利。いちいちグローブをはずす必要がありません。但し、重い物を中に入れておくとギャップではねた時に開いてしまうとの噂あり。(シルバーウイングの話だったかも)
中 これも今回新発見の「スクリーン地図はさみの術」便利です。
右 土肥でお土産の干物を買いました。トランクの中に入れる勇気がありませんでした。因みに今回は走り屋を気取ってバックレストは外していきましたが、同行諸氏からは「カワンネーヨ」と冷たいお言葉。

7月15日ショートスクリーンにしてみました。
けがをして退院後、腕力が衰えてしまい。リフトに載せようとしたら、よろけて倒してしまいました。幸いにも被害はスクリーンだけで、「ああ良かった。」と思ってパーツリストを見たらビックリ。なんとお値段¥31,800。そのまま使えなくもないけど、カッコよくない。で、ショートスクリーンに交換することにしました。

いろいろカタログを探したら、MRAという海外のメーカーの物を発見。あまり見たことがないのでこれに決定。

 

 

 

 

 
スクリーンというよりはメーターバイザーくらいの高さ。クリアも有ります。お値段は¥9,800と、割とお買い得かも。
右は新発売のマジェC。(友情出演) 



横から見たところ。低くかまえて、スポーティになりました。

取り付けは、ノーマルと交換するだけの簡単作業。見た目もさることながら乗ってみるとその違いを実感。スクリーン越しとは違う視界の良さと。風の心地よさ。「おおバイクに乗ってるぞ。」の感覚です。冬以外はこれでいけそうです。