小さい頃からあこがれていた何かがあった。小学生のころ、道端に止めてあったSUZUKI GT380。
立ち止まって見とれてた。その次はCB400Four。さっきのとはエンジンの形が違うぞ。
これが集合管か。音もこっちの方がいい。
そして、Z2。エンジン、この形だ。条件:4サイクルであること・4気筒であること・集合管であること・シリンダーが垂直であること。
でも、チビな俺は、大人になったら本当にこんなバイクに乗れるのか? 大きくてステップにも足が届かないぞ。いや、乗ってみたい。とびきりでかいのに。そして操りたい…。
さらに、CBX400F。このタンクデザイン、これぞホンダ!
CB1000SF BIG−1。相棒には充分。と、言うよりでかすぎるか…。
まるで巨大な馬が、「乗れるものならのってみろ」と語りかけてくるようだ。
もっとアクセル開けろ。もっとねかせろ 。もっと理想の形に近づけろ…。こいつはホントいいバイクだ。
バイク?確かに危険、かなり。乗るやつによっては…。半端な気持ちで乗りたい奴には薦められない。
でも、早く気付いてこっち側に来いよ!
こんなに最高な、日頃かよってないところに血がかよう。五感よ目覚めろ!そして自分の身は自分で守れ。
革パン・革ジャン・革グローブ。夏でも革パン・長袖は絶対だ。
暑い?それが嫌なら乗るな!
年中エアコン効いたところで生活してんのに、毛穴が開いて汗がでて、アドレナリンが吹きでて、渋滞する車を横目に、こんな健康なことは他にはないぜ。
寒い?革ジャン着れて、スタイル決まって安全で、ちょうどいいじゃないの。
グローブをはめる。マシンに跨る。エンジンキーを回す瞬間。
アクセルを2・3回あおっておいて、TMRの加速ポンプから燃料を送り出しておく。そして、セルの回る音。
「キュルル!」
一発目のシリンダーから火が入る。
「ボボッン!ボッ、ボッ、ボッボッ♪」
振動が体をつたう。アクセルを絞る。クラッチをゆるめ、巨体が前に出る。そして足を路面から離す。
轟音と共に加速する鉄の馬。さらにコーナーに入る瞬間に緊張する俺。
生きてるって感じするよな。