n-ro131 散歩していたら,松の枝にカラスが一羽とまっていました。

解説
散歩していたら: kiam mi promenis, dum mia promenado, promenante。kiam mi promenis は kiam mi estis promenanta とすることもできます。ただ esti -anta を多用すると文章が重くなるなるので注意しましょう。英語では過去形と過去進行形とを区別して使いますが, エスペラントでは多くの場合,過去形で代用します。進行形を持たない言語もあるくらいですから,この区別の存在は言語の必須条件ではありません。dum mia promenado の dum は en でいうこともできますが,mia promenado の mia を抜かさないようにしましょう。日本語で「ポケットから」,「かばんの中に」,「旅行中に」などというとき,エスペラントでは主語が mi なら,el mia pos^o,en mia teko,dum mia vojag^o などのように mia を付けていいます。
mia を付けない dum promenado でも通じるでしょうが,例えば日本語では「(わたしは)散歩中に」というのが普通で,「わたしはわたしの散歩中に」と聞けば,意味は分かりますが変な感じを伴いますね。エスペラントでは dum mia promenado というのが普通なので,dum promenado と聞くとやはり変な感じを受けるでしょう。

松の枝に: sur branc^o de pino。ここでは特定の松や枝を指しているのではないので,branc^o や pino に冠詞を付けるのは誤りです。

参考:
branc^o de pino(不特定の松の不特定の枝)
branc^o de la pino(特定の松の不特定の枝)
la branc^o de pino(不特定の松の特定の枝)
la branc^o de la pino(特定の松の特定の枝)

ここでいう「特定の」は聞き手にとって「既に知っている,すぐそれと分かる」という意味で,「不特定の」というのは聞き手にとって初めての情報を指します。英語を学んだときに There is a book on the table.(テーブルの上に本が一冊があります)という文に出会ったことがありますね。そのとき table になぜ the が付いているのかについて,先生の説明があったかどうか知りませんが, 今はもうお分かりですね。聞き手の見えるところにあるテーブルだからです。エスペラントでも同じことを Sur la tablo kus^as libro. といいますが,もしテーブルのない部屋で「テーブルの上に本があると思ってください」というのなら,冠詞の付かない tablo を使って Imagu al vi ke libro kus^as sur tablo. というでしょう。これは「どんなテーブルでもよいのですが,テーブルの上に,どんな本でもよいのですが,本があると想像してみてください」という意味です。本がのっていないテーブルを前にして「テーブルの上に本があると思ってください」というときは,冠詞の付いた tablo を使って Imagu al vi ke libro kus^as sur la tablo. となります。

カラスが一羽: unu korvo。unu は付けなくても構いません。la korvo というと聞き手の知っている「カラス」を指すことになるので,ここでは無冠詞でいいましょう。korniko も「カラス」ですが,日本で見かける「カラス」はkorvo です。

とまっていました: sidis を使っていえばよいでしょう。
korvon の後に付けて korvon sidantan (sur branc^o de pino)(松の枝にとまっているカラスを)ということもできますし,(vidis) korvon sidanta (sur branc^o de pino)(松の枝にカラスがとまっているのを見ました)のようにいうこともできます。vidis korvon sidanta ... は vidis ke korvo sidas ... と同じ意味です。

訳例
Dum mia promenado mi vidis korvon sidanta sur branc^o de pino.


n-ro132 けさ家の前に松の枝が落ちていました。

解説
けさ: hodiau~ matene, c^i-matene。

家の前に: antau~ mia domo。mia の代わりに la を使うのは,よくありません。mia,via,lia ... などの代わりに la を使うことができるのは,体の一部や身に付けている衣服などに限ると覚えておきましょう。antau~ domo は mia を付けて antau~ mia domo としましょう。

松の枝: branc^o de pino。branc^o も pino も無冠詞にします。

落ちていました: falinta を使った訳が多く寄せられましたが, ここでは「落下していた」という意味ではないので,この語を使っていうと,不自然な表現になります。例えば,道を歩いていて何か見つけたときにいう「あそこに何か落ちているよ」は Tie io estas falinta ではなく,Tie kus^as io のようにいうのが普通です。「〜が落ちている」→ 「落ちる」→ fali → falinta という発想ではなく,文を読んで浮かんだ場景をエスペラントで表現する,という訓練をしましょう。
ここでは kus^is, kus^anta を使っていうこともできますし,単に「(家の前で)松の枝を見つけた」というだけでも十分です。

訳例
C^i-matene mi trovis branc^on de pino kus^anta antau~ mia domo.


n-ro133 きのう帰り道で財布が落ちているのを見つけました。

解説
きのう帰り道で:「帰り道で」と聞けば,普通は「(職場からの)帰宅の途中で」の意味に取る人が多いでしょうが,エスペラントでその意味を表わそうとすれば,hejmen か al mia hejmo を入れなければなりません。revenvoje とか sur mia revena vojo だけでは,もし会社での話とすれば,得意先を回るために会社を出て,また会社に戻ってくる途中のことについて話していると理解されるでしょう。
sur revena vojo は mia か la を入れて sur mia(la) revena vojo としましょう。これは課題文n-ro131の dum mia promenado と同じです。ここでは mia の代わりに la を使うことができますが,これは la revena vojo の後に al la oficejo または al mia hejmo が省略されているという,話してと聞き手の間に暗黙の了解があって,それが revena vojo を限定しているからです。なお,al mia hejmo か hejmen を付ければ,la revena vojo とせずに,単に la vojo だけで十分です。
「帰宅する」は自宅でいうときは reveni hejmen,そうでないときは iri hejmen ということも覚えておきましょう。職場で「(家に)帰ります」というつもりで Mi revenos というと,聞いた人は話し手がまた職場に戻ってくると理解します。

財布が落ちているのを見つけました: mi trovis monujon kus^anta sur la tero。kus^anta を kus^antan とすると,「落ちている財布を」という意味になります。kus^anta sur la tero を付けずに mi trovis monujon というだけでもよいでしょう。

訳例
Hierau~ sur la vojo hejmen mi trovis monujon kus^anta sur la tero.


n-ro134 あなたがなくした鍵は,このあたりには落ちていませんでした。

解説
あなたがなくした鍵: la s^losilo(,) kiun vi perdis または via perdita s^losilo。via perdinta s^losilo の perdinta は perdita としなければなりません。これは「彼が愛している妹」を lia amanta fratino ではなく,lia amata fratino というのと同じで,エスペラントでは修飾される語から見て受け身であれば -ata または -ita の形の動詞に修飾されます。de vi perdita s^losilo は冠詞が必要なので la de vi perdita s^losilo か la s^losilo de vi perdita または la s^losilo perdita de vi としましょう。la s^losilon c^iraku~ tie, kiun vi perdis は kiun を s^losilon の直後に置いて la s^losilon, kiun vi perdis としたほうが分かりやすいですね。la s^losilon kiu vi perdis の kiu は perdis の目的語ですから,kiun としなければなりません。la s^losilon, kion vi perdis の kion は kiun としなければなりません。kio は tio, io, c^io, nenio の後に使われ,普通名詞の後には kiu が使われます。そのほか,直前の節の内容全部を受けるときも kio が使われます。

落ちていませんでした: mi ne trovis。鍵を主語にして ne trovig^is, ne kus^is, ne estis。「地面に」を付け加えたいときは sur la tero を付けていいます。trovig^is, kus^is とすると,「(わたしが探したときは)見当たらなかった」ということを暗示します。

このあたりには: c^irkau~ c^i tie, c^ikau~ c^i tiu loko。

訳例
La s^losilo, kiun vi perdis, ne trovig^as c^irkau~ c^i tie.
Mi ne trovis c^irkau~ c^i tiu loko la s^losilon kiun vi perdis.


n-ro135 最近ここは傘の忘れ物が多い。

解説
最近: lastatempe がよいでしょう。nuntemte は「現在は」という意味なので,ここでは不適当です。

傘の忘れ物: これは直訳しないで,「置き忘れられた傘, 人が置き忘れた傘」というように意訳して postlasitaj ombreloj または ombreloj(,) kiujn oni postlasis のようにいうのがよいでしょう。forgesitaj ombreloj または ombreloj(,) kiujn oni forgesis のようにいってもよいでしょう。postlasi の代わりに perdi を使った訳が寄せられましたが,perdi は「紛失する」という意味なので,「置き忘れる」という意味を表すときは,postlasi または forgesi のほうがよいでしょう。例えば,「家に書類を置き忘れてきた」というのは Mi forgesis dosieron hejme といえますが,これを Mi perdis ... といえば「家で紛失してしまった(どこにあるか分からない,もしかすると古新聞といっしょに処分したかもしれない)」ということになってしまいますね。perdaj^oj de ombreloj のような言い方はよくありません。 perdaj^o は「遺失物」のことですが, perdaj^o de Petro(Petro の遺失物,Petro が紛失したもの)が示すように, perdaj^o de の後には,その「遺失物の所有者」が置かれるのです。「わたしの遺失物」,「あなたの遺失物」などの場合は mia perdaj^o, via perdaj^o などのようにいいます。

(傘の忘れ物)が多い: trovig^as multaj (postlasitaj ombreloj), oni trovas multe da (ombreloj forgesitaj), estas multe da (forgesitaj ombreloj)など。oni trovis とすると過去の話になるので,ここでは現在形の trovas を使いましょう。trovi は点動詞で1回きりの行為を表わすときは -is の形を取りますが,反復される行為を表わすときは -as の形を取ることができます。
この課題文は訳例の2番目に挙げた訳のようにいうこともできます。この multaj は「多くの人(multaj homoj)」の意味で,ombrelon が単数になってるのは,それぞれの人が1本ずつ持っているからです。

訳例
Lastatempe c^i tie trovig^as multaj ombreloj postlasitaj.
Lastatempe multaj forgesas sian ombrelon c^i tie.


n-ro136 お降りの際は,お忘れ物のないようご注意ください。

解説
お降りの際は: c^e via elvagonig^o, okaze de via elvagonig^o, kiam vi elvagonig^os, kiam vi eliros el la vagono。これらの表現は,いずれも列車の車両から降りる場合に使う表現ですが,もしバスの場合なら elbusig^o, elbus^ig^os, el la buso を使います。どんな乗り物でも使える表現としては elveturilig^o, el la veturilo がありますが,実際の車内放送の場合は,そのような一般的な表現でなく,その乗り物に合わせた表現が使われるでしょう。聞き手が乗っている乗り物を指していうのですから,la vagono,la buso の冠詞は必要です。elvagonig^as でなく elvagonig^os といいます。Kiam mi elvagonig^as, mi c^iam certigas al mi ke mi kunportas c^ion.(わたしは降りるときはいつも忘れ物がないことを確認します)というような繰り返される行為のときは -as を使いますが,車内放送はこれから行われる行為についていうのですから,-os の形を使っていいます。
「降りる」に malsupreniri を使うことはお勧めできません。民族語の影響でこの語を使う人もいますが,現在の列車の車両はプラットフォームと同じ高さで,「下に降りる」という感じはしませんね。シベリア鉄道などは今でも何段かのステップを降りるようですから,そういう場合は malsupreniri も不自然ではありませんが...。いずれにしても elvagonig^i, elbusig^i, eliri el la vagono(buso) は,どんな場合にでも使える表現です。
elvagonig^o のような名詞形を使うときは via を付けるのを忘れないようにしましょう。ここでは via の代わりに la を付けても通じますが,いつもどちらでもよい,という訳ではありません。例えば,Mi renkontis s-ron A dum la promenado というと,「わたしの散歩中にAさんに会った」のか,それとも「散歩中のAさんに会った」のか分かりません。これを dum mia promenado とすれば,散歩していたのは「わたし」であり,dum lia promenado とすれば,散歩していたのは「Aさん」であることが分かります。このように動詞の名詞形は,その行為者を mia, lia, s^ia, sia などで明示するのがよいでしょう。

お忘れ物のないようご注意ください: atentu(,) ke vi ne forgesu viajn kunportaj^ojn などのようにいうことができます。havaj^o は「所有物,財産」の意味ですから,ここでは不適当です。la vajn だけでも何となく分かりますが,やはり viajn kunportaj^ojn などのようにいうのがよいでしょう。なお,atenti は atentu ne postlasi のような形でなく,atentu(,) ke vi ne postlasu のようにいうのが普通です。atentu, ke vi ne postlasu ion は「何かを置き忘れないように気を付けてください」という意味なので,「何も置き忘れないように」という意味の vi nenion postlasu のようにいうのがよいでしょう。

訳例
C^e via elvagonig^o, atentu, ke vi nenion postlasu.
Nenion forgesu, kiam vi eliros el la vagono.


n-ro137 きのう,あなたはいつもの時間に会社を出たのですか。

解説
きのう: hierau~ でよいのですが,日本語の「きのう,」にひかれて Hierau~, とコンマを付けるのはよくありません。日本語では「きのうあなたは」と書くと仮名が続いて読みにくいので,読点やコンマを入れて書くこともありますが,エスペラントでは hierau~ や hodiau~, morgau~ などのあとにコンマを入れることはありません。これらの語が文末に置かれたときもコンマで区切ることはありません。また,疑問文は c^u で始めるのが普通ですから,Hierau~ c^u vi ... という語順は一般的ではありません。会話のとき,つい Hierau~... といいかけて,c^u vi ... と続けることはありますが...

いつもの時間に: je via kutima horo というのが標準的な言い方です。ここでは via の代わりに la を使ってもよいでしょう。via も la も付けない je kutima horo はよくありません。もちろん主語が男性なら lia を,女性なら s^ia を,自分のことなら mia を付けます。ここでいう「時間」は「時刻」のことですから,tempo ではなく horo を使います。日本語の「時間」は,しばしば「時刻」という意味で使われますが,エスペラントでは tempo と horo は厳密に区別して使われます。ただし horo は「時間」と訳されこともあるし,,「時刻」と訳されることもあるので,日本語の訳語で考えると正確に理解できません。tempo(時,時間)の流れの中のある一瞬を horo(時刻)と呼び,ある時刻(horo)と他の時刻との間を表わす長さも horo(時間)と呼びます。

比較:
Li venis je la fiksita horo.
彼は決められた時間(時刻)にやって来ました。
Li finis la laboron en du horoj.
彼はその仕事を2時間で終わりました。
(en du horoj の en は「あることをするのに必要な時間の長さ」を示します)

je の代わりに en を使うのはよくありません。en は上の比較の例文に見られるように,長さのある時間を示すときに使われますが,「いつもの時間(時刻)」というのは,長さのない一瞬の時間をいうので,je を使っていいます。kiel を使うのもよくありません。

会社を出た: forlasis vian oficejon, eliris el via oficejo など。「会社」には laborejo なども使えますが,kompanio はよくありません。 kompanio は「営利行為を目的とする組織体」のことであって, 場所を表す語ではありません。(「会社」の訳語は,課題文2と課題文3で取り上げましたので,「バックナンバー」でお読みください。)
eliri, foriri は自動詞なので,foriris vian laborejon, eliris la laborejon の形でなく,foriris el(au~ de) via laborejo, eliris el la laborejo としましょう。

訳例
C^u vi forlasis vian laborejon je la kutima horo hierau~?


n-ro138 ここから彼の会社まで車で20分です。

解説
ここから彼の会社まで: de c^i tie g^is lia oficejo(laborejo)。「〜から---まで」は,時間,空間とも de 〜 g^is --- の形を使っていうのが普通です。g^is の代わりに al を使っても通じますが,「到達を示す前置詞は g^is」と覚えておくのがよいでしょう。

車で20分です: これは「車で行けば20分かかります」という意味ですから,vi povas iri en dudek minutoj per au~to, または vi bezonas dudek minutojn por iri per au~to, necesas dudek minutoj por iri per au~to といえばよいでしょう。vi の代わりに ni または oni を使うこともできます。この por iri を抜かした訳が多かったのは,日本語の「ここから彼の会社まで車で20分」という表現を直訳したためでしょう。De c^i tie g^is lia oficejo oni bezonas 20 minutojn per au~to は会話では十分通じる表現ですが,きちんとした文としては Por iri de c^i tie g^is lia oficejo oni bezonas 20 minutojn per au~to というべきでしょう。1回きりの行為についていうときは bezonos を使ってもよいのですが,時に関係なく,いつでもその距離は車なら20分で行ける,という意味の bezonas を使っていうのが普通です。necesas を使うときは Necesas 20 minutoj por iri per au~to de c^i tie g^is lia laborejo のような形が自然でしょう。per au~to は文頭,por の前,文末のいずれにでも置くことができます。necesas を使っていうときは, 20 minutojn でなく 20 minutoj であることに注意してください。20 minutoj は 目的語ではなく主語です。dudek は 20 と書いても同じですが,数字が文頭にくるときは Dudek minutoj necesas ... のように dudek と書くのがよいでしょう。
Bezonas dudek minutojn veturi de c^i tiu loko g^is lia oficejo per au~to は形の上では veturi が主語になりますが,veturi bezonas ... のようには普通いわないので,veturi を名詞形にして Veturo per au~to de c^i tiu loko g^is lia oficejo bezonas dudek minutojn の形にするのがよいでしょう。
iri の代わりに atingi を使って atingi lian laborejon(oficejon) のようにいうこともできますが,atingi はしばしば「たどり着く」というニュアンスを伴うことも知っておきましょう。

参考:
Ili atingis la montosupron, konkerinte diversajn malfacilaj^ojn.
彼らは様々な困難を克服して,山頂にたどり着きました。

訳例
Por iri per au~to de c^i tie g^is lia oficejo oni bezonas 20 minutojn .
Necesas 20 minutoj per au~to por iri de c^i tie g^is lia laborejo .


n-ro139 このパソコンを修理するのに2時間かかりました。

解説
このパソコンを: 「パソコン」は persona komputilo といいますから,
c^i tiun personan komputilon ということができますが,目の前にあるパソコンを指していうときは,c^i tiun komputilon だけでも十分です。英語の PC をそのまま使って PC-on とすると何のことかわからないでしょう。personakomputilon とういう合成語はありません。合成語にすれば personkomputilon となるでしょうが,personan komputilon と2語でいうのが普通です。なお,日本人は komputilo の kompu- を kompreni の komp- と同じように「コンプティーロ」と発音しがちですが,kompreni(コンプレーニ)の komp-とはっきり区別して「コンプウティーロ」のように発音するとよいでしょう。

修理するのに2時間かかりました: mi bezonis du horojn por ripari または necesis du horoj por ripari といえばよいでしょう。necesis の主語は du horoj ですから,du horoj necesis por ... といってもよいのですが,necesi はたいてい上に書いたような語順になります。また,Ne necesas diri(いう必要はない)などのように 不定形の動詞とともに使われることもあります。Por ripari tiun c^i personan komputilon postulis du horojn は postuli の主語がないので,La riparo de tiu c^i persona komputilo postulis du horojn としましょう。Ripari la personan komputilon bezonis du horojn は ripari が主語の構文になっていますが,〜-i bezonis とは普通いわないので,La riparo de la persona komputilo bezonis du horojn とするのがよいでしょう。

訳例
Mi bezonis du horojn por ripari c^i tiun personan komputilon.
Necesis du horoj por ripari c^i tiun personan komputilon.


n-ro140 わたしは,あなたがそこに行く必要はない,と思います。

解説
わたしは〜と思います: mi pesas(,) ke 〜, mi opinias(,) ke 〜。pensi は「動機, 理由があってそう思う」,opinii は「主観的な判断に基づいて, そう考える」という意味上の違いがあります。また,opinii は opinii iun(ion) 〜-a(ある人, またはあることを〜だと考える)という形で使われますが,pensi はこの形では使われません。

あなたがそこに行く必要はない: vi ne bezonas iri tien, ne necesas por vi iri tien。 「あなたがそこに行く必要はない」は ne estas necese(,) ke vi iru tien, ne necesas(,) ke vi iru tien ということもできますが,この表現を mi pensas(,) ke の後に置くと,mi pensas(,) ke ne necesas(,) ke ...
と ke が続く形になります。ke が続いても文法上は問題ありませんが,文体の点からは,ほかの表現があれば避けたほうがよいといえるでしょう。なお,ke 〜 の形では動詞が -u になっていることに注意してください。また,ne estas necese(,) ke ... であって,ne estas necesa(,) ke ... でないことにも注意してください。vi ne necesas iri tien は誤りで,vi ne bezonas iri tien としなければなりません。
vi ne devos iri tien は,devi(しなければならない)の否定形 ne devi が論理的には「しなくてもよい」という意味になる筈ですが,民族語の影響で ne devi が「してはいけない,すべきでない」という意味で使われているので,「あなたは行くべきではない」という意味に取られるおそれがあります。ただし,最近は「〜すべきでない」というときは devi ne 〜 という形を使う人が増えているようです。なお,bezoni,necesi は,ここでは -as, -os のどちらの形も可能です。
iri tie の tie は tien としましょう。移動の目標を示すときは,場所,方位,位置を示す副詞に -n を表わします。

参考:
Venu c^i tien.(ここへ来てください)
Kien vi iras? (どこへ行くのですか)
Mi revenis hejmen je la sesa. (わたしは6時に帰宅しました)
Ili foriris malproksimen. (彼らは遠くへ去ってゆきました)

訳例
Mi pensas ke vi ne bezonas iri tien.
Mi opinias ke ne necesas por vi iri tien.