| | エ ス ペ ラ ン ト を 学 ん で み ま せ ん か 阪 - 直 --国際語という言葉を聞くと英語を思い浮かべる人が多いでしょう。それが間違いであると否定できないのは、英語が「国際語」として機能していることは現実の一面であるからです。--パソコンを使っていて何かトラブルが起きたとき、画面に英語の指示が出ることがあります。英語をまったく知らなければ、こんなときには途方にくれてしまうでしょう。日本で買った日本製のパソコンで日本語を使って仕事をしているのになんと不便なことなのでしょう! --母語のほかに言葉をおぼえて外国の本や雑誌を読んだり、外国の人と話したり手紙や電子メールで文通したりすることは楽しいことですし、また見聞をひろめるのに役立ちますが、英語という言葉ひとつだけでも、それが使えるようになるには相当な努力と時間とお金をかけなければなりません。 --さらにいえば、そのように時間とお金をかけても英語を母語とする人たちと対等に会話をするのは難しいですし、まして何かの問題について高度な内容の議論を対等にできるレベルまで達するのは並大抵のことではありません。これは明らかに不平等なことなのですが、これもまた現実の一面なのです。このような不平等をなくすために創案されたのがエスペラントです。 --エスペラントは諸民族が平和に、自由にコミュニケーションできるようにとの願いを込めて、1887年にポーランド(当時はロシア領)の眼科医L.L.ザメンホフによって創案された国際語です。 --「世界一規則的な言葉」としてギネスブックも公認しているように、文法は明快で不規則や例外がなく、覚えなければならないことが少なくても、それを何倍にも使える仕組みを持っているので、英語などよりはるかに少ない学習で会話や読み書きができるようになります。 --人工的に作られた言葉ですが、味気ない記号の体系ではなく、ヨーロッパの主な言語から語彙を採用し、不規則な文法を整理して作られているので、表現力豊かな、人間的な言葉です。わたしは5月の連休中に東京で開かれた日本エスペラント学会主催の全国合宿(学習会)と国際語教育協議会主催の「インターネット時代の国際語セミナー」に参加してきましたが、そこではいろんな国の人がエスペラントを使って自由に歓談したり討論したりしていました。 --あまり知られていないようですが、日本のいくつかの大学ではエスペラント講座が開かれていますし、神奈川県立新羽高等学校では外国語選択授業としてエスペラントの授業が行われています。中学校でも必修クラブや課外クラブ活動としてエスペラントが学ばれている学校があります。 --これから世界はますます狭くなって、外国人と接する機会が多くなるでしょうから、日本語のほかに使える言葉を身につけておきたいものですが、それにはエスペラントがもっともふさわしい言葉です。 --エスペラントは民族語にとって代わろうとするものではなく、異なる母語を話す人たちの間の「橋渡し言語」なのです。興味を持たれた方は下記までお問い合わせください。 --(財団法人)日本エスペラント学会 ----162-0042東京都新宿区早稲田町12-3 ----ホームページ http://www.jei.or.jp/eldono/eldono0.htm (チャリティ雑誌「ぶな」1999年5月号掲載, 改題) トップページへ戻る。 入門講座の目次へ。 |
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