夏の日
2002年7月末日 東シナ海に浮かぶ精霊の宿る小島にて
風は風・・・木陰を吹き抜ける潮風は、火照った肌を撫でるように包み込んでくれます。
南国の陽射しを一杯に浴びた一面の珊瑚礁の海は、魚達が色とりどりに群舞し、
潮のうねりに身を任せると、まるで母親の胎内にでもいるかのように、穏やかな安堵感を抱けます。
潮溜まりを覗くと、蟹や沢山の小魚たちがそこに取り残され、次の潮が満ちるのを待っているかのように、
忙しなく、少しまごつきながら温かくなった塩水の中で戯れています。
その風景は大いなる摂理となって、わたしが生まれるずっと以前から変らずにここに在りつづけていたのでしょう。
そしてキョウコは、誰しもの心のどこかに宿る、いつの間にかその原風景の中の一部になって、
余分な想念が溶けて行くのが分かります。
キョウコと連れ立った、南国への今回の旅は、東シナ海に浮かぶ小島でトム・ソーヤ宜しく、
無邪気にそして冒険心を漲らせて暫しの時を過せました。
忘れかけたオレンジ色の何かを探すかのように・・・・・・・・・・
子供の頃からあまり海を知らないキョウコにとっては目くるめき体験だったことでしょう。
1年間をかけ身体を鍛えさせ、泳ぎや魚と遊ぶ事を教え、
やっと自然に育ませた神秘的なほどの色鮮やかな世界に触れさせ、
スイスイ泳ぎ回る魚達には程遠いいものの、ウニやナマコぐらいには海と仲良く出来た気がします。
そして精霊の住むこの島の風に吹かれているだけで、
キョウコの内に、その様々な太古からそこに棲む精が入り込んでくるのが分かります。
こうした時間はきっと、わたしにもそしてキョウコにとっても新たな何か吹き込んでくれたことでしょう。
そして海の一部になり、風や光と戯れた束の間の日々は、やがていつか遠い記憶となり、静かな眠りつくのでしょう。
half-moon
夏の日 Part2 ここをクリック
--------------------------------------------------------------------------------
|
「ひびわれた夢」 |
|
|
|
なにも見えない
アオミドロの底 |
|
|
イク? |
|
|
行くってどこへ?
あなたはどこへ? |
|
そう
あそこ
あそこで逝くのね
|
泉はあぶくをねとつかせ、魚は口をあけて埋ります
魚のエラは滾々と沸きあがる水に絞められて
何時しかひびわれた夢を吐きます
流れをできそこないの井戸に溜め
切れかかった縄が軋むつるべに再びつながって。。。 |
|
あああ、はい
このトキを待っていました
いいんですね
|
|
なにもない穴は光に満たされて
舞いちった白い羽根があとに残ります |
kyoko |
更新日
01/03/30
half-moon@bb.wakwak.com
リンクの際は是非ご一報ください
このサイトの全ての画像、文書の無断転載を禁じます。
half-moon