RONALD ISLEY

HERE I AM 〜ISLEY meets Bacharch


 このコーナーも今回で100回を迎える事ができました。その記念すべき回に、とても素敵なアルバムを紹介できるなんて、 なんて嬉しい事なのでしょうか。そのアルバムが、アイズレイ・ブラザーズのロナルド・アイズレイがバート・バカラックの曲を歌った <ヒア・アイ・アム〜アイズレイ・ミーツ・バカラック>です。
 3月の初めに、ブルーノート東京での公演を終えたアイズレイ・ブラザーズ。 今はギター担当のアニーと二人きりになってしまったのですが、兄弟や親戚を入れたりして、 アイズレイ・ブラザーズとしての活動は、45年にもなろうとしています。ナンバーワンヒットこそないものの、 1959年の<シャウト>をはじめとして、昨年、2003年には<What would you do?>をヒットさせるなど、 ベスト50に入った曲も多く、その人気は何度目かの黄金期にあるといっても過言ではないでしょう。 今回は、ヴォーカル担当のロナルド・アイズレイがバカラックの曲を、バカラックのプロデュース、アレンジ、 指揮で歌うという大変豪華なものなのです。しかも、新曲が2曲入っていて、バカラック健在をもアピールしているのです。
 そのバカラックは、もうご存知の通り、ハル・デイヴィッドとのコンビ、そして、 ディオンヌ・ワーウィックの歌で大ヒット曲を連発し、その後もキャロル・ベイヤーセイガーとのコンビでアカデミー賞まで獲得、 最近では、エルビス・コステロとの競演で話題をまいたばかりですが、このアルバムの発表で更に話題になる事でしょう。 それでは、この素晴らしいアルバムを紹介していきましょう。

 夜明けを想わせるストリングスの響きを聴いただけで、もうこのアルバムの虜になってしまう#1。 始めからロナルドの声にとろけそうですね。オリジナルの面影が全くなく、しみじみと語りかける#2。 人生を感じますね。ロナルドとディオンヌとの思い出の曲#3。感情の込め方も違いますね。 一度はレコーディングの機会があったにも拘らず、バカラックとのトラブルで当時録音出来なかった#4。 ピアノを弾いているバカラックの胸にも、当時の思い出が甦ってきているのでしょうか。 何時もこの詩を読むとじ〜んとしてきてしまう#5。ちょっと女々いけど、気持ちは痛いほど解りますよね。 今も続く007シリーズ。その主題歌だった#6。軽いボサノヴァタッチの編曲が心地よいですね。 新曲のひとつ#7。あなたにも<自分を呼んでほしい人>いませんか?バーで同じような場面に出くわした事がある人も多いはずです。 そんな気持ちを歌っている#8。う〜む、分かる分かると頷く人も多いでしょう。 未だに人気が衰えないカーペンターズの最初の大ヒット曲として知られている#9。 湖に浮かべた船の揺れで居眠りしてしまう、そんな感じです。ふられた時の何故?という疑問。 これは誰でもが経験する事。そんな気持ちを良く伝えている#10。#11は二つ目の新曲。 今の世の中にある全ての争いに対する批判を、優しい言葉で表した、とても素晴らしい曲ですね。 アルバムのタイトルにもなっている#12。ロナルドの居場所は、きっと歌の世界なのでしょうね。 優しい歌声の中にもしっかりとしたメッセージを受け取る事が出来ますね。バカラックがピアノの弾き語りで始める#13。 このアルバム最後の曲です。#11同様に、今の世界に対するメッセージが聞こえてきます。

 如何でしたか?え〜、もう終わり?って思うほど二人の世界に浸ってしまいました。 大変素晴らしいアルバムだと思いませんか? アルバムの番号は、UICW1046でドリームワークス・レコーズ(ユニヴァーサル)から出ています。 ソウル、リズム&ブルースのコーナーに行ってみて下さい。