Jean-Yves Thibaudet
"Conversations with bill evans"


ぎらぎら輝く太陽の下、風が横切って行くのはとても気持の良いものです 。今回はそんな時ピッタリのCDを紹介します。

ジャン=イヴ・ティボーデの〃ビル・エヴァンスに捧ぐ〃です。 ティボーデといえば今クラッシック音楽界では1、2を争う人気の ピアニストですが、これもジャズ界では大変な人気を誇ったピアニスト、 ビル・エヴァンスのレパートリーを録音するというので、当時大いに 話題になりました。(録音は1996年にニュー・ヨークで行われています)

このアルバムを聴いていると、よくクラッシク畑の声楽家が余興の域 を出ないで作っているポピュラーを歌った物との違いがはっきり分ります。
原題が〃ビル・エヴァンスとの対話〃となっているのでお分りかと思いま すが、ティボーデが、彼自身と、ピアノ、そしてビル・エヴァンスと対話 しているのです。

そのビルの作曲した#1はまさしく爽やかな風が自分の前を通り過ぎてい く感じです。#2はもう皆が知っている名曲。ちょっとジャズ的なセンス が覗く#3。この辺りで気持がそうとう落ち着いてきたんじゃありませんか?
ミシェル・ルグランの#4、デューク・エリントンの#5、 ジミー・ヴァン・ヒューゼンの#6、続いてスティーブ・スワローの#7 と対話が進行していきます。
<スパルタカス>の愛のテーマ#8。ビル・エヴァンス作曲の#9、10 、11で対話も佳境に入っていきます。最後を締めくくるのはジャンルを 問わずに活躍した、作曲家、指揮者でもあるレナード・バーンスタインの #12。これはビル・エヴァンスのアレンジを使っています。

如何でしょうか。一服の清涼剤になりましたか?こんな音楽を海、山の リゾートで聴いてみるのも大変似合いそうですね。ゆっくりした一時、 たまにはそんな時間の過ごし方もいいとは思いませんか?

尚、ティボーデは最近デューク・エリントン曲集のアルバムも発売してい ます。こちらの方も聴いてみて下さい。そして、10月にはクラッシック に戻り、〃ショパン・タッチ〃というアルバムも発売予定になっています 。こちらも楽しみです。




CDナンバーはPOCL-1726(日本盤)
DECCAの455 512ー2(輸入盤)
また、デューク・エリントンの曲を集めた〃プレリュード・トゥ・ア・キ ス〃のCDナンバーはPOCL-1879(日本盤)と DECCAの460 811ー2(輸入盤)です。