JOSE FELICIANO

SENOR BOLERO〜セニョール・ボレロ


 ホセ・フェリシアーノ。どこかで聞いた事がある、と思った方も多いのではないでしょうか? 音楽好きで、TVのグラミー賞の放送を毎年見ている方は、数年前に、リッキー・マーチンと並んで、 ラテン・ポップ部門にノミネートされた事を思い出していただけると思います。また、 TVのコマーシャルで彼の歌声を耳にした方も沢山いらっしゃると思います。 このページをよく読んでいただいている方は、No.68の長谷川きよしのCD紹介文章の中に彼の名前を見つけてくれるはずです。 そのホセが、大変素晴らしいアルバムを届けてくれました。と言っても、もう6年も前の事なんですが。 何時か紹介しようと思いながら延び延びになっていましたが、やっとここに紹介出来る事となりました。 それが、<セニョール・ボレロ>です。

 ホセ・フェリシアーノについて知らない方のために、少し彼を紹介しましょう。
 1945年にプエルトリコで生まれた彼は、生まれながらの盲目でしたが、幼い時から楽器の演奏に興味を持ちます。 5歳でニューヨークに家族とともに移住した彼は、レコードを聴いてコンチェルティーナという楽器を練習していたのです。 時はラテンブームで、巷にはラテン音楽があらゆる所に流れていました。やがてギターに転向したかれは、 やはりレコードを聴いて、腕を磨いていたのです。17歳のとき、家計を助けるために働いたカフェで、 彼のギターと歌を聴いた観客は大きな衝撃を受けたのでした。その後、その噂がレコード会社の耳に入り、 RCAと契約。<ハートに火をつけて>や<雨のささやき>などヒット曲をだして、世界中の人に知られる存在となったのです。 そして、デビュー当時に戻ってボレロのアルバムを作りたいと考えた彼がこのアルバムを発表し、 未だにその人気を不動のものとしているのです。それでは、紹介していきましょう。

 映画音楽のような前奏から入る#1。直ぐに彼の声の虜になってしまいそうです。 人に恋心を抱いた時の気持ちが良く表れている#2。ダンスフロアーに降りて踊りたくなってしまう#3。 往年の名曲ですね。歌詞を読んでいると涙が出てくる人も多い筈の#4。とても美しい作品です。 タイトルにもなっているホセ自身の作品#5。気持ちの大きな広がりを感じますね。 ちょっと70年代を想い出させるアレンジの#6。心が踊ります。メキシコの大作曲家、 アルマンド・マンサネーロの作品#7は、哀愁漂うホセの歌声が最高です。 お決まりのストリングスやサックスも大きな効果を上げています。最初のギターでノックアウトされてしまう#8。 外国語だと、こういう歌詞の表現もいやらしく感じない#9。50代の方には懐かしい#10。 トリオ・ロス・パンチョスを想い出した方も多いでしょう。ボレロを歌う歌手がこぞって取り上げる名曲#11。 とても悲しくてジーンときますね。ホセが作った新しいボレロ#12。とてもメランコリックですが、 何か救われる気がしませんか?アルバム最後、#13は、失恋の時に誰もが思う悔しさが伝わってくる曲ですね。 ラテン民族特有のパ〜ッと明るいと言う のではなく、気持ちを抑えているのが良くわかります。

 如何でしたか?とても素敵なアルバムでした。一年中聴いていても飽きない様な気がしませんか? 私だったら、冬に行く南の島の夕日を眺めながら聴いていたい、そんな気持ちがします。 アルバムの番号は、POCP7431(国内盤)で、ポリドールから出ています。ラテンか、 ポップ・ロックのコーナーに行ってみて下さい。