オリジナル・サウンド・トラック

五線譜のラブレター/De-Lovely


 映画やミュージカルの作曲を数多く手がけ、その多くが今も演奏されているコール・ポーター。 その彼をの半生を綴った映画、<五線譜のラブレター/De-Lovely>は昨年の暮れに日本で公開されるやいなや、 大ヒットを記録して現在も続映中です。監督は<ロッキー>を製作したアーウィン・ウィンクラー、 コール・ポーターに扮するのはケヴィン・クライン。それだけでも凄いのに、 この映画の中でポーターの名曲の数々を歌っているのが、音楽界の大スターばかりという、まさに、 映画ファン、音楽ファン両方から熱い視線を浴びている映画だといえるでしょう。 コール・ポーター自身に付いては、この映画を見ていただくという事で省略させていただきますね。 それでは、紹介していきましょう。

 このコーナーNo.62でも紹介したロビー・ウィリアムズ。 この映画のタイトルにもなっている#1をゴキゲンにスウィングしています。 パリのエッフェル塔をバックに大きな水玉模様のワンピース姿でアラニス・モリセットが歌う#2。 ちょっと歌詞は何なの?っていう感じですが、曲の良さがそれを大いにカヴァーしている典型です。 ちょっと暗い#3だな、と思った方も多いと思います。シェリル・クロウが歌うこの曲は、 マルチニック島の音楽、ビギンのリズムを使っているからなんです。なかなかいいですね。 白いダブルのジャケットがはち切れそうなエルビス・コステロの歌う#4。 楽しそうな舞踏会の映像が目に見えてきますね。 ロンドンのミュージカルシーンで活躍するピーター・ポリカーポとケヴィン・クラインがドタバタの中、 コーラスを従いて歌う#5。 元々はジュディー・ガーランドとジーン・ケリーが映画<踊る海賊>の中で歌った曲でした。 映画の中で使われている台詞入りの#6。歌っているのは、 ロンドンミュージカルシーンで大活躍中のジョン・バローマン。聞かせ所を知っているという感じです。 エレガントな雰囲気でケヴィン・クラインが歌う#7。 この映画の中でポーターの妻を演じているアシュレイ・ジャッドとテイラー・ハミルトンがデュエットしている#8。 本当の愛とは?という皆さんも一度は考えた事があるテーマですね。はたして、 皆さんはどんな答えをだすのでしょうか?彗星のように現れたスター、レマーの歌う#9。 エキゾチックな歌声が、ポーターの秘密の情事の映像と重なってピッタリです。 シンプリー・レッドのヴォーカリスト、ミック・ハックネルの歌う#10。 ちょっとオペラチックに歌います。もうジャズ界では大スターとなったダイアナ・クラール。 彼女が歌う#11は、やっぱりとてもジャズしてます。 ブロードウェイの大スターだったエセル・まーマンばりに歌うキャロライン・オコーナー。 彼女が歌う#12を聞いているだけで、ミュージカルの舞台を観ている気分になりますね。 パーティーの席でポーターに扮するケヴィン・クラインが歌う#13。とても優雅です。 ヴィヴィアン・グリーンが気だるく歌う#14。娼婦の歌ですが、 このシーンは秘密クラブでポーターが男を漁っているシーンに使われています。 怪しいムードがいっぱいですね。第一回のトニー賞受賞作品<キス・ミー・ケイト>。 その中で歌われる#15。映画の中でもララ・ファビアンとギリシャが期待するテノールの新人、 マリオ・フラングーリスが劇中劇の中で歌っています。夢の中に現れるクラブシーンで歌われる#16。 ナタリー・コールが素敵な歌を披露していますね。本当に、親の七光が無くなって大スターになりました。 ミュージカル好きなら知らない人はいないジョナサン・プライス。 彼がエセル・マーマンとは違った豪華さで歌う#17。映画上のポーター夫婦がデュエットする#18。 とてもロマンチックです。アルバムの最後は、コール・ポーター本人が歌う#19です。 君は最高!というこの歌。コール・ポーターに捧げられているのは言うまでもありませんね。 レトロな感じがとてもいいナンバーでした。

 如何でしたか?映画を見に行きたくなったんではないでしょうか。 アルバムとしても最高の仕上がりだと思います。映画館にも足を運んでみて下さいね。 アルバムの番号は、SICP 616 でソニー・ミュージック・ジャパンから発売されています。 映画のコーナーに行ってみて下さい。