Vanessa Williams

Everlasting Love


 本格的な春が待ちどうしくなって来た今日この頃。 そんな時恋人と二人きりで聴くのにはもってこいのアルバムが発売されました。 今回紹介するアルバムは、皆さんもうお馴染、ヴァネッサ・ウィリアムズの<エヴァーラスティング・ラヴ>です。

 ヴァネッサ・ウィリアムズを知らない人の為に、彼女を少し紹介しておきましょう。
 1963年3月18日生まれと言うから、もうすぐ42歳の誕生日を迎える彼女は、 アメリカはニューヨーク州のブロンクスの生まれ。生まれ持った美貌で、黒人としてはアメリカ初の <ミス・アメリカ>に選出されますが、過去にペントハウス誌でヌードを披露していた事が発覚し、 そのタイトルを剥奪されたのはとても有名な話です。しかし、その後、1987年に歌手としてスタートした彼女は、 その美貌だけでなく、抜群の歌唱力でトップスターの仲間入りをすぐさま果たします。1989年には映画界にも進出、 その後はミュージカルにも進出して<蜘蛛女のキス>を始めとしたヒット作にも出演し、今や、歌、映画、 舞台と欠かす事の出来ない大スターになっています。

 そのヴァネッサがとても素敵なアルバムを届けてくれました。それが1970年代の曲を集めたこのアルバム、 <エヴァーラスティング・ラヴ>なのです。
 この1970年代は音楽にとっては黄金期といっても過言ではないでしょう。次から次へと名曲が生まれ、 その殆どが今もなお歌い継がれているのです。 今回のこのアルバムを聴いて懐かしいと思われる方も相当いらっしゃると思います。 どうぞ、懐かしみながら聴いて頂きたいと思います。そして、若い方たちは、 こんな曲もあったのかと、新しい発見をする事でしょう。それでは紹介していきましょう。

 ラジオのチユウニングをしているというシチュエーションで始まる#1。 番組を聴いているという状況にリスナーを持って行ってくれる、とてもお洒落な始まりです。 続いて出てくる#2はジャクソン5懐かしのナンバーです。この曲を聴いただけで一気にあの時代に浸って頂けました? ジョージ・ベンソンのソロギターも素敵ですね。ミロのヴィーナス像のようなジャケットが浮かんだ人もきっと多い事でしょう。 #3はメリサ・マンチェスターが放った大ヒット曲です。 この頃、キャロル・ベイヤー・セイガーがメリサやピーター・アレンとコンビで作った曲が大ヒットを連発していましたが、 皆さん覚えていますでしょうか?永遠の青年、ジョニー・マチスのヒット曲#4。 詩をしっかり噛みしめて唄っているヴァネッサの姿勢がとても好感持てます。 赤坂のムゲンというディスコでステップダンスを踊っていた頃を想いださせます。 とっても日本語では詩に出来そうもない#5。外国語はいいな、って思いますね。 そう言えば、オハイオプレイヤーズのレコードジャケットにスプーンからこぼれ落ちる蜂蜜を舌で受け止めるなんて言うのがありましたっけ。 最近よくカヴァーされているロバータ・フラックのグラミー受賞曲#6。ヴァネッサだとちょっと軽すぎるかな、 とも思いいますが、情感が溢れていて感動出来ます。チヤカ・カーンの名唱が頭に残っている#7。 チャカとは全く異なるアプローチを見せるヴァネッサは流石ですね。1970年代で私が一番美しいラヴソングだと思う#8。 スティーヴィー・ワンダーの奥様であった事もあるシリータ・ライトとビリー・プレストンの絡み合う歌声が私たちをとろかせました。 ここでは、ジョージ・ベンソンとデュエット。甘いラヴソングとなっています。 新譜の発表も間近だと伝えられるスティーヴィー・ワンダーの美しいミディアムバラッド#9。 オリジナルではハーモニカの部分をフルートに変えた事で柔らかいイメージになりましたね。 #10のこの曲を聴いた時、ダイアナ&マーヴィンと思った方と、スタイリスティックスと思った方と、 二通りに分かれるでしょうね。それだけヒットしたと言う事なのですが、詩を聴いていると、 それだけヒットした理由がわかります。ヴァネッサはわりあいさっぱり唄っています。 バート・バカラックとハル・デイヴィッドのコンビも60年代から70年代にかけて相当のヒットを曲を書いていますが、 その中でも失恋した女心を唄った傑作がこの#11です。あなたにもこんな気持ちになった経験があるんじゃないでしょうか? ちょっと哀しげな歌声が胸にジ〜ンときますね。チョッパーと聞いてすぐにエレキベースが頭に浮かんだ方、お待たせしました。 ブラザーズ
ジョンソンのご機嫌な曲#12の登場です。もう体が動き出してたまりませんね。 続いて贈るアイズレー・ブラザーズの#13もまた懐かしい一曲です。#12〜#13と、 まるで30年前のディスコに居る様な雰囲気でディスコ世代の我々は我慢できない!っていう感じです。 輸入盤では最後になる#14はこのアルバムのプロデューサーであり、 全曲にピアノその他でフューチヤーされているロブ・マテスのオリジナルです。<エヴァーラスティイング・ラヴ〜永遠の愛> というテーマに相応しいとても美しい曲ですね。国内盤のボーナストラックである#15はちょっとだけ長い #10のフルヴァージョンです。

 如何でしたか?懐かしさに浸った方、新しい発見をした方、素敵なアルバムだったでしょ。 永遠の愛というタイトルのこのアルバムは同時に永遠の名曲を詰め込んだエヴァーラスティング・ソングスだったのです。 オリジナルと聴き比べてみるのも面白いかもしれませんね。
 アルバムの番号は、WPCR12014 でワーナーから発売されています。ソウル、R&Bのコーナーに行ってみて下さい。